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やったわ。  作者: 水前寺鯉太郎


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第8回

第8回:潮風、波止場、揺れる恋心。


投稿者:女子高校生(仮)

2027年5月20日 21:00

皆様、本日は遠足で宇品に来ておりますの。

広島港のすぐそば、潮風が吹き抜ける波止場公園……。

音戸の瀬戸で鍛えられた私にとって、海なんて見飽きているはずでした。

けれど、今日見た海は、なんだかキラキラして……

あぁー、たまりませんわ!


何がたまらないって、海風に吹かれる皆さんの姿ですわ。

髪をなびかせる先輩。白いブラウスが風を孕んで、まるで天使の羽のようでしたの。

一方で隣の金子さんは、「風でストローが刺さらない!」って、いちごミルクのパックと格闘していて。

あぁー、もう、めちゃくちゃですの。

金子さんの生足に砂がついているのも、それをタオルで乱暴に拭いているのも、全部……全部、私の網膜に焼き付いて離れません。

「海なんてどこも同じでしょ」

なんて、音戸の女としてのプライドで強がってみせましたけれど。

皆さんと一緒に見る海が、こんなに胸をざわつかせるなんて……。

やったわ。

私、宇品の海に、大切な「理性」を全部流してきましたわ。


【コメント (8)】

通りすがりのL

2027年5月20日 22:30

宇品はいい場所よね。

あの公園の「パラダイス」って名前のオブジェ、見たかしら?

今のあなたには、あそこが本当のパラダイスに見えているのかもしれないわね。

……日焼けには気をつけなさい。

53の髭おやじ

2027年5月20日 23:15

宇品か! 私はかつてあそこの港から、一人で四国へ渡ったことがある。

潮風は髭を乾燥させるのが難点だが、演説の練習にはもってこいだ。

金子に伝えておけ。海にストローの外装を捨てるな。それは「独裁者」より重い罪だぞ。

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