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Atlantis World Re:Diverーバグから始めるVRMMOー  作者: 双葉鳴
【モミジの章】7/30【木】AWO通常プレイ

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92話 仕切りたがり頂上決戦

 とある理由があって、自社ゲームの宣伝と顧客を集めているモミジちゃん。

 

 やたらとリノちゃんを目の敵にしている以外は、特におかしな様子も見せない。

 

 けどこれ、様子を見てたらミルちゃんが連れていかれちゃうんだよね。それはちょっと困る。


 というか、リノちゃん的には私だけいればいいみたいな気配もあるんだよね。


 ミルちゃんとお姉ちゃんに一番振り回されてきたのがリノちゃんだ。

 そこは私でも擁護できないので残当。

 ツケが回ってきた感じだから。

 それでもミルちゃんの消失は……いや、待てよ?


 これもしかしてフレンド召喚で中身探偵さんで出張ってきてくれるのでは?

 だからってミルちゃんを黙って見送るのも違うな。

 

 確実に溝ができちゃう。

 お姉ちゃんの学園の立ち回りにも影響するし。


 かといって、私がそのゲームで遊ぶのも難しいしなー。

 いっそジキンさんをこのゲームに閉じ込めちゃえば。

 

 それしかないか。

 探偵さんの取り憑いたミルちゃんは、言っちゃなんだけど別人。今のが素と言われたって私は納得できない。

 ふざけてないミルちゃんはミルちゃんじゃない。

 

 いや、それは流石に言い過ぎか。

 あまりにも別人なのは、何か脅されてる可能性も高い。

 それさえ判明すれば「そう言うのやめた方がいいよ?」と優しく諭すこともできるかもしれない。


 でもあの人頑固だからな。

 これといった説得方法が見つからないのがネックか。


 ただ、うちのレイちゃんにはどこかしら憎く思っている。

 これは一体なんだろう?

 AWOには見切りをつけたと言っておきながら、まるで仇敵みたいな扱いだ。


 生前の彼は魔導書陣営だったはず。

 おちゃらけたルリーエが苦手なぐらいでそこまで嫌うか?

 それとも……私は何かを見落としている?


 すぐにお母さんに連絡を入れる。



 ハヤテ:お母さん


 マリン:どうしたの?

    :金狼おじちゃんのお孫さんには会った?


 ハヤテ:うん、モミジちゃんでしょ?


 マリン:びっくりしちゃうぐらい古風なお嬢様だよね

    :トキも感心してたのよ


 ハヤテ:だろうね

    :けど、一緒に行動してから異様にギクシャクしてて


 マリン:あら

    

 ハヤテ:リノちゃんがね、私を引き剥がそうとしてるみたいで

    :どうもモミジちゃんと因縁があるみたい


 マリン:そうなの? ケンタくんが独立したのが原因かしら?


 ハヤテ:ケンタおじちゃん、独立しちゃったの?


 マリン:そうなのよ、上が偉大すぎて萎縮しちゃったのね

 

 ハヤテ:金狼おじいちゃんも同じこと言ってたよね?


 マリン:私のおじいちゃんも大概で、お父さんも頭を悩ましてたのよ?


 ハヤテ:あーあー聞こえなーい


 マリン:自分のことは案外見えないものよね?


 ハヤテ:なるほどねぇ

    :ありがと、なんとなくわかった


 マリン:また何かわからないことあったら聞いてちょうだい

    :まだログインしてるから


 ハヤテ:ちなみに今は何をしてる感じ?


 マリン:おじいちゃんの調教♡



 うーん、この……

 何か変な願望を教え込まれてそうな予感がする。

 と言うか、モミジちゃんですら過去の息子にあの仕打ちだし。

 もっとしゃっきりしろって言う遠回しな叱責かもね?


 いつまで経っても親の気持ちが抜けないんだから。

 もう子供なんだから子供らしくしなさいよって思わなくもない。



「ハヤテ、どうしたの?」


「うん、ちょっと気になることがあってお母さんに相談してたの」


「あら、どんなご相談をなさっていたのかしら。わたくし、気になりますわ」



 そこで食いついてくるのが君らしいよね。



「実は……今日遊ぶ予定の友達がギクシャクしてて、何かいい仲直りの方法はないかなって」


「モミジのせいだよね?」


「あら、わたくしの発言でそのように思わせてしまったのならすみません。ですが皆さん、たとえゲームだとして、リノさんの振る舞いは淑女としてどうでしょう?」


「うーん、そこはゲームなので見なかったことにして」


「いいえ、ゲームの中でだからこそ、一層身を入れて振る舞うのです。特にリアルの情報が反映されるEarth Project Onlineなら尚更。ですので」


「でもそれはそっちのゲームの都合だよね? それをこっちのAWOにまで押し付けるのは違わないかな?」



 彼女がどうして身を律していたのか判明した。

 どうやら彼女の推すゲームに仕掛けがあったようだ。

 リアルをゲームに反映する。

 それは確かに魅力的だ。

 けど同時に枷にもなり得る。


 少しも安らぐ時間がないのは、人によっては息苦しく感じてしまうんだ。



「これは、もしかしたらあまり言ってはいけないことなのかもしれないけど」


「何か質問がありまして?」


「Earth project online、略してEPOと呼ばせてもらうけど。もしかしてそちらのゲームってAWOに対抗して作ってるんですか?」


「……何故、そのように思うのでしょう?」


「ただ、なんとなく。このゲームのアカウントを持っていながら、やたらとこのゲームそのものを敵視しているのが窺えたもので。特にレイちゃんなんて何もしていないのに咎めていました。そしてこのタイミングでのゲームへの介入。今回導入した擬似AI育成システムを浸透させる前になんとしても食い止めたいと動いたように見えてなりません」


「考えすぎですわ。わたくしはうちのお父様の開発したゲームシステムの素晴らしさを広めるための活動をしていますのよ」


「うん、そうなんだけどね。でもそれは宣伝に止めて、こんな強制的に誘うものじゃないよね? 本来なら騒がしいミルちゃんは今日あまり喋ってないの。これってモミジちゃんが何か弱みを握ってるからじゃない?」


「なるほど、そう考えますか。ミルモさん、普通に会話をして大丈夫ですよ? ここから先、私は会話に介入いたしません」


「でもお母様たちは」


「うちのプロジェクトから手を引いてもらうことになります」


「ご家族を脅しているんですか?」


「違うの。うちのお父さんがモミジさんのお父様の社員でして」



 そう言うカラクリか。

 その会社の威信をかけた一大プロジェクト。

 そりゃ担当者としては成功させたい。



「でもミルちゃんまで巻き込むことはないんじゃないかな?」


「ご冗談を。ミルモさんから協力させてくださいとおっしゃってきたんですよ」


「そうです。だからこれ以上拗らせないで……もう色々厳しいの」



 ミルちゃんは若干泣き顔。

 この前アキルちゃんを泣かせてた本人とは思えない。

 と言うかあれは探偵さんか。

 人格捻じ曲げるプロかな?



「なんて言うかさー、紅葉ってやり方が陰惨なんだよねー。あと考え方の古さっていうの? それが顔面に滲み出てるんだよねー」



 辛辣ぅ!

 今日のリノちゃんはあまりにも口が悪い。

 まぁ私も昔の彼に同じこと思ってたけど。

 まるで出来の悪いナイアルラトテップみたいに強引で。


 うん? 出来の悪いナイアルラトテップ?

 もしかしてこの介入、あの人が関わってるのか?


 このタイミングでの別ゲームからの介入なんて。

 探偵さんが分離したのも、私が分離したタイミングだ。


 もしかしてあの人、ここに第一世代を再び集めて何かしようとしてるんじゃ。

 そう言う意味では、さっさと向こうのゲームに引っ越してくれた方が安全でいいが……それはそれとして言われっぱなしは癪なんだよなぁ。



「何はともあれ、AWOで遊ぶ以上、みんなと仲良くを優先してね。それで今日は~、パーティリーダーをミルちゃんに任せようと思いまーす」


「それはダメだよ、ミルちゃんはモミジの言いなりだよ?」


「まぁまぁリノちゃん。ここはミルちゃんお腕の見せ所だよ? ここでいい仕事をすることでお父さんの仕事が増えるかもしれないんだから。それに、普段私たちを振り回してる罰みたいなものだから」


「なるほど。確かにいつか灸を据えてやりたいなって思ってた。それが今日なんだね?」



 今日のリノちゃんはいつも以上に物分かりがいい。

 やはり同じ敵を持つと急に一致団結できるものだ。



「うーん、ここはいつも通りハヤテちゃんに引っ張ってもらいたかったな~」



 しかしここでお姉ちゃんが差し込んでくる。



「え、私?」



 今回私がそれをパスしたのは、召喚されたキャラはパーティリーダーをする<権限がない>と言うもの。

 それを知ってると思っていたんだけど、お姉ちゃんは聞いたこともないみたいに言い出した。



「ええ、そうですわね。この中でリーダーに適しているのはそこのハヤテさんだと思っていました」



 それに乗ってくるモミジちゃん。

 まるでこの言葉を引き出すのが目的だったみたい。



「だよね、モミジさんもそう思うよね?」


「ええ、自分勝手な行動ばかりするリノさん。自分の意思などありませんよってふりをするミルモさん。トキさんはまるでわたくしの見張りをしてますよって言う態度でしたし、その中で統率力があるのは颯さんではないかと」


「よく見てるねー」


「わたくし、人を見る目はありますのよ」


「でも、そのハヤテが選んだミルちゃんならあたしたちはそれに従わなくちゃいけないよね? ここは、ここのルールに従うものだよ、モミジさん」


「引っ掛け問題ですか?」


「んーん。信用問題だよ、これから遊ぶのにフレンドに入れるかどうかの問題。これ以上ミルっちやリノっちを惑わすようなら追い出すつもりでいるってだけ。でもうちらのやり方に従ってくれるなら、追い出すのはやめにしてあげる。どう?」



 お姉ちゃんがここぞとばかりにドヤ顔してくる。

 同時にフレンド申請を出していた。



「無理に遊んでくれなくてもいいよ。こっちはこっちで自由に遊ぶし。でも一緒に遊ぶんなら、あたしたちのやり方に文句はつけないでね?」


「いいでしょう」



 フレンド申請を受諾し、パーティメンバーに入った。

 一時期はどうなることかと思っていたけど、その状態を上手くまとめてくれたのはお姉ちゃんだった。


 ほんと少し見ないうちに逞しくなったよねー。



「絶対に、絶対にブログは見ないでくださいまし!」



 それで案の定というか、ミルちゃんがブログでの犯行に目を通すなと陳情していた。

 その必死さからつい中身が気になったのだろう。長い沈黙の後吹き出していた。


 ヨシ!

 これで遠慮なく巻き込めるぞ!

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