表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Atlantis World Re:Diverーバグから始めるVRMMOー  作者: 双葉鳴
『モミジちゃんの配信活動』<14日目・夜〜15日目>

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

207/209

207話 EPO配信!_実績解除『フリマ』

 さて、お姉ちゃんが『調理師』のジョブを取ったことで、一気に活路が開かれる。

 今はまだ市場で入手できる食材だけど、私たちには『採取』や『収穫』がある。

 サブクエスト権はお互いに使い切ってしまった形だけど、まだまだ周回要素はあるわけで。


「当面は周回しつつ、アイテム回収?」

「だね」

「わたくしも薬師の知識を活かしたいと思います」

「ちなみに、ミルちゃんも調理師?」

「のんのん。私は別の道の開拓をしてるよ」

「別の開拓?」


 いつもの情報秘匿か。


「まぁ見てて。きっと面白いことになるから」

「そうなの? お姉ちゃん」

「あたしがミルっちの全てをわかるとでも?」


 なぜか余裕の表情である。

 あまり気にしないからこそ友達でいられるのかな?

 生まれ変わってもこんな感じのあたり、芯はブレていないのかもね。


「じゃあ、あたしはこっちに用あるから」


 港町まで来ると、ミルちゃんは要件を告げて別行動をした。


「じゃあね。きっと何かしでかしてくれるのを期待してる」

「ハードル上げるのやめて。でも、まぁトキっちやハヤっちにはいいものだよ」


 アデューと言いながらミルちゃんは市場の奥に去っていった。


「ミルちゃんは相変わらずマイペースだねぇ」

「ハヤテはミルっちの何を知ってるのさ」

「表面上に漂う軽薄さ。でもたまに理知的な面もある。くらいかな?」

「あ、前半部分はわかる」

「でもハヤちゃんは、後半部分に重きを置いてるんだ?」


 謎の共感。

 何で長年友達やってるこの二人が、表面上のミルちゃんしか見れてないのか。


 いや、リアルのミルちゃんと違いすぎるからか。


 あの人はミルモちゃんも大概バカと言ってたけど。

 それは前世の自分と比べてという意味だと思っていた。


 多分肝心なところでやらかすとか、悪い付き合いができるとか、そういう意味合いでしょ。

 多分。


「わたくしはミルモさんとは短い付き合いですけれど。ハヤテさんと同じような考えですわね。もしもの時はみんなを引っ張っていけるリーダーシップを持っていますよね?」

「え、あるかなぁ?」

「ないない」


 友人二人の反応は顕著だ。

 とても嫌そうな顔を添える。


「まぁそれはそれとして。行くでしょ、森?」

「後は畑をめぐるくらいでしょうか?」

「メインクエストの収穫の内容物も変わるか」

「うん。1回目と2回目でだいぶ変わったからね」

「サブクエスト開拓の方は、他の人に任せる感じ?」

「そうそう。全部私たちでやれるもんでもないからね」


 なにせ眠ってるサブクエストは全部で100。

 ステージ合計だけど、多分1や2にそこまで埋まってない気がするんだよね。

 消去法でステージ3に集中してるんじゃないか? っていうのが私の見解。


<ワールドアナウンス:プレイヤーが初めて大物取引をしました>


<実績解除:商取引>

 全てのプレイヤーに『フリマ』機能が解放されました。

 ステージ間での取引が可能になります。

 神秘『時間跳躍』使用に限り、ステージを超えて出品可能です(1日10回まで)

 取引内容に相場はありません。

 お互いに納得のいく取引を行いましょう。



「うわ、何か来た」

「やぁやぁ、成し遂げたよ」


 そこにしたり顔のミルちゃんが現れる。


「ミルっち! これはミルっちが?」

「そうだとも」


:ミルモちゃん、ここにきてシゴデキムーブ

:見なよ、この自信に満ちた顔を

:何でこの子だけ暗躍スタイルなんだろ

:自分だけ違う実績解除できてすげーしたいとか?

:浅い考えが透けて見える

:よく今まで協力プレーできたよな

:できてたか?

:AWO配信の二日目を思い出せ

:数々のやらかしを思い出す


「のんのん。買い物機能の実績解除をした特権だよ。ユニーククエストの貿易イベントを引っ張っちゃってたみたいでさ。一人でやれるとこまでやっとこうかなって」

「はーい、今なら許すから秘匿にしてる情報吐きましょうねー」


 私が背後に回って羽交締めにすると。

 お姉ちゃんとリノちゃんが脇腹とお腹辺りをこちょこちょとくすぐる。


「おほっ、おほほほ、ちょ、ちょちょちょ止めて、モミっち!」


 悪ノリして、胸を叩き出すリノちゃんに加担するお姉ちゃん。

 その脂肪の塊、今ここでちぎってやりたいという怨念が見えている。


 リノちゃんとか身長差含めてやたら比較されてたもんね。

 まるでボクシングのサンドバッグのように執拗に叩いてた。

 一人だけ背が高いのもあって、いい的だったようだ。


「皆様、カメラの前ですよ。公開処刑はほどほどに」

「はーい」

「仕方ないね」

「これで許してやりますか」

「た、助かったー」


 社会的には今死んだけどね。

 これ、全国放送みたいだし。

 お父さんがアーカイブに残すかどうかが命綱のところあるよ?


:よく言った

:でも俺たちにとってはご褒美だから

:通報しました

:女の子が戯れてるだけなんだよなぁ

:持つべきものがないものを貶めるからこうなる

:つってもゲームアバターだしな

:知ってるか? 身長と体格はいじれないんやで?

:変えられるのは顔周りだけなんだよ

:デブはデブのままなのマジで救いがない


「それはさておき、フリマ機能が付いたのはグッジョブ」

「うん、そこは偉い」

「よくやった、褒めて遣わすぞ」

「はは、ありがたき幸せ」


:この四人組、もはやノリノリである

:仲良しだからできること

:下手するとここからギスギスになるんだよな


「まぁ、情報秘匿したくてしてる場合じゃないのもあるからね」

「と、いうのは?」

「サブクエストにかかわらず、実績解除した本人しか扱えない技能ってあるんだよね。それがリノちゃんのエクストラクリアや、エクストラステージの開放だったり」

「うん」

「モミジちゃんのNPCとの同調をすることで得られる実績解除だったり」

「お恥ずかしい話ではありますが」

「そして今回、殺人タックルで羊を亡き者にしてせしめたウールでの取引とか、これはミルちゃんにしかできないものだった」

「ねぇ、あたしに対してだけ言葉強くない?」


:草

:これは言われても仕方ないからね

:なんで一緒に遊んでるのに秘密にしたのか

:きっと望んでないサプライズ仕掛けるタイプだぞ

:それは厄介者

:よく友達続けられるな


「まぁミルちゃんのは今に始まった事ではないので不問にします」

「よかった」

「けど、市場開拓、商取引の情報ははいてもらいます」

「ぐえー、秘匿情報がー」


:やっぱり秘匿してたのかよ

:謝罪は振りだった?

:やっぱ締めて正解では?


 ちゃっちゃと情報を吐いてもらって不問とする。


「後お姉ちゃんも調理師開放情報お願い」

「オッケー」


:トキちゃんは本当に素直だな

:ミルモちゃんの往生際の悪さを見てたら素直にもなるだろ

:ここで秘匿する選択肢をとれるほど肝は太くなかった

:この後に及んでまだ情報を秘匿しようとするミルモちゃんの胆力よ

:真似したくないなー


「なるほど、そういう感じだったんだ」


 お姉ちゃんとミルちゃんから情報を開示していただく。

 フリマ機能を使う前に、これを聞き出したのはひとえにこのゲームの拡張性を配信に乗せるためだった。


:これでサブクエ関連は9個解放か

:半日でできることじゃないんですわ

:普通の配信だったら、その日に3個解放できればいいのでは?

:そうだよ

:ここのチームは一枚岩じゃなかった

:配信中に別行動したのはちょっとどうかと思った


「正直、このままだとハヤテに出番を喰われ続ける定め」

「そう、すべての原因はハヤっちにあったのだよ」

「な、なんだって~?」


:ハヤテちゃんが暴れすぎた結果か

:ひどい仲間割れを見た

:目立ちたがり屋が複数人いるパーティはな


「何はともあれ、今後の方針ですが」

「フリマで素材集め?」

「多分素材そのものがない状態じゃない?」


:まぁ、解放されたばかりだしな

:今はジョブ解放が先か

:ジョブごとに欲しい材料異なるからな

:有り難くはあるけど、今解放されてもできること少ないか

:ちょっとだけ早かったな


「あたしは早速木材出した」


 お姉ちゃんは手持ちの素材から木材を提出。

 買い付けの指定数はできるみたいだ。

 こういうのは触ってみないとわからないからね。


「あ、イベントアイテムの提出はできないみたいです」


 ちなみにジョブ専用調合グッズもダメだった。

 大事な物入れに入ってる系はダメなのかな?

 投入できそうなものは『採取』や『収穫』によるもの。

 もしかしたらジョブの固有技能でもっと種類は増えるかもだけど。


:残念

:そこは情報開示されてるからね

:課金組にかかってる

:他の実績解除した人いないの?

:みんな後追いしてるからな

:後追いの弊害か

:開拓民よ、ここに集いたまえ

:そんなやつEPOにいないよ

:これから集まってくれたらいいなー


「私たち薬師組はポーション制作して配布かな?」

「あー、買うことしか考えてなかった。そうか、これ売れるのか」


:フリマだからな

:出品者がいないと成り立たない


「相手が買ってくれるかどうかだけどね」

「だから素材を集めるっていう趣旨は変わらないかな?」

「なるほどー」


 結局それほど使い勝手がいいものではないと判明。

 買い手以前に売り手がいないんじゃ、どうにもならないからね。

 それからはステージクリアごとに変わるクエストをこなし、収穫をレベルマックスにする。


 入手素材はある程度判明したし。

 ステージ3はこれくらいでいいかな?

 私たちはステージ4に足を運んだ。



======================

<特技>

【1】身躱し

【1】タックル

【EX】採取

【2】言語理解

【2】説得

【EX】薬学

【3】収穫


<ジョブ>

★薬師 :『調合』『精製』(ハヤテ・リノ・モミジ)

_調理師:『調理』『合成』(トキ)

_商人 :『売買』『値切』(ミルモ)


<ペット>

チックル『動物言語』(紛失)


<アイテム>

(大事なもの)

歴史書

すりこぎ棒

乳鉢

ビーカー

16世紀の貨幣

(消費可・移動劣化・フリマ可)

シナモン

胡麻

はちみつ

トマト

木苺

さるなし

木桶

(イベントアイテム)

ソーダ灰

貝殻

珪砂


<神秘>

時間跳躍(アイテム転移)1日10回まで


<実績解除>

エクストラクリア(リノ)

エクストラステージ(ハヤテ)

買い物機能ミルモ

弟子入り(ハヤテ)

ジョブ機能ハヤテ

固有技能モミジ

味覚実装ミルモ

ジョブ:調理師トキ

商取引ミルモ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ