128話 AWO配信!_鉱石採掘
「はーい、みなさん注目! こちらが、今回の採掘ポイントとなるセカンドルナのダンジョンです」
:珍しい場所なの?
:珍しくはないな
ハヤテP:( • ̀ω•́ )✧面白い仕掛けがあるダンジョンだね
ハヤテM:だね、称号スキル『空歩』が取れるポイント
:何それ?
:隠しエリア付きダンジョンか
:随分と前に話題になったよね
:随分と前?
:その情報出たの二十年前やぞ
「昔はそんなことがあったんですねー。でも問題ないですよ。私たちはそのスキルを求めてここにはきていませんので。それに、そんなものがなくても空を飛べます。ハーフマリナーの利点は掌握領域内での飛行にありますから」
「あれ、ST緩和してくれるのでいいんだよねー」
「いつも羨ましく思ってる、ずるい」
:そうなん?
:そんな旨い特性ついてたのかよ、空中遊泳
:俺もなろうかな
:今だと制限ついてなかったっけ?
:そうなの?
:あー、あったな、そんなの
:ついてるけど、その特性がホラー要素関係してるから
:ホラー要素?
:このゲーム、割と頻繁に外なる神や旧支配者に出くわす
:コズミックホラーで草
:まぁアトランティスとか出ちゃってるしな
:レムリアとムーも存在するぞ!
:ガッツリコズミックホラーやん
:でもそれを抜きにしても拡張性が高いのが魅力
:ちな、過去改竄でクトゥルフが掌握した世界のみ空中遊泳可能
:御大は寝てろ!
:やっぱりいるんだ、その存在
:しれっと出てくる過去改竄
:確かついさっきもその話出てたな
:ああ、聞いた
:ハーフマリナーの開放条件が過去改竄だって
:どうやって過去に?
:機関車の人はもういないからなー
:最近召喚機能で呼べるようになったらしいけど
:あー、そういう理由で実装された?
:ドリームランド攻略も生き詰まってるって聞いたし
:なんかちょいちょい耳に入れたくないワードが出てきて草
「何はともあれ、お母さんが魔導書関係者だったので私たち姉妹はハーフマリナーになれました。ありがとうね、お母さん」
ハヤテM:どういたしまして
ハヤテP:聖典関係の種族になりたい時はいつでも声かけてね
「今はいいかな?」
「ST消費軽減あったり、空を飛べたりする?」
ハヤテP:( • ̀ω•́ )✧特にそう言った機能はないけど、攻撃関連のダメージ緩和とか、すごいよ?
:まさかのご両親が両陣営参加組
:あのエンドコンテンツの生き残りなのかよ
「じゃあ、別にいいかな?」
「私たちのビルド的にそこまでして種族変える必要性はなさそう」
「今更守り固くしたところで、ごめんなさい」
ハヤテP:( • ̀ω•́ )✧そんな……
:お父さん涙拭けよ
:ビルド構築的にバトルメインじゃないからなー
:SAN値喪失が怖くなきゃ、魔導書陣営の方がメリットでかいから
:デメリットもでかいだろ
:草
:聖典はバトル構築ならお世話になるのに
:それ
:お父さんは娘のこと何にもわかってないのか?
ハヤテP:( • ̀ω•́ )✧相性の問題かな?
:陣営に属するまで中身何になるかわかんねーもんな
:魔導書もそんな感じ?
:そんな感じ
:中身選べないから、パパ悪くないやで
ハヤテP:( • ̀ω•́ )✧ありがとう、元気出た
お父さんがすっかりリスナーの住人になりつつあるね。
逆にお母さんは一歩引いて状況を見てるのは、トラブルが起きた時にすぐに対処できるようにかな?
モーバさんがちょっとまずい介入の仕方をしたのを考えれば、割とフレンドリーに溶けこめたと思う。
さすが百戦錬磨。
成長したね(謎の上から目線)
「なんか、話が大幅に脱線しちゃったけど、採掘行くよー」
「ここからはシャドウタイプも出てくるからなるべく戦闘控えめで」
「採掘中に襲ってくるのもいるから尚更だね」
:そんなのいるの?
ハヤテP:( • ̀ω•́ )✧目撃情報は複数だね
:ミスリル関係だっけ?
:そう聞いてる
:もうAWOのことはハヤテちゃんパパに聞けばなんでも返ってきそう
ハヤテP:( • ̀ω•́ )✧なんでもは知らないけどね
リノP:( *˙ω˙*)و WBOのことは俺に任せてくれ、三年くらい運営してたから機密情報以外は喋れるぞ
:あー、確かそっちもプレイするんでしたっけ?
:ちょっとだけ期待
:裏話的なの含めてよろしゃーす
「お父さん、変な注目の集め方しないで。またお母さんに怒られるよ?」
リノP:( *˙ω˙*)و お母さんには内緒で
:どこもお母さんには逆らえないのな
:仲の良いことで
:家族仲のいい家庭が一番微笑ましいな
付き合ってたら話が進まないのでそのまま採掘。
「ここでは赤鉄鉱の他に銀、青銅石なんかも取れるよ。残念賞は石ころだね」
「石ころは私にくださいね。錬金で砥石にできちゃう!」
「砥石は実際大事。武器や防具の耐久回復になる」
勝手知ったる他人の庭、の如く。
いつの間にやら先人きって説明してくれた。
助かる。
:錬金は生活必需品の調達に便利なのか
:しかも素材は本来捨てるやつってのも理にかなってる
:ゴミをゴミのままにしないのが錬金の本質だな
ハヤテP:( • ̀ω•́ )✧リサイクルの精神だと聞いてるよ
ハヤテM:うちのお父さんが錬金使いなので、ハヤテちゃんも感化されたっぽいです
:へー、すごい人なんだね
:でも錬金は極めると戦闘が死ぬからな
:生産系はどこもそうだよ
:鍛治も極めると戦闘スキルが犠牲になるらしいし
:両立は難しいかー
:スキル骨子が最初に5個しか選べないのがキチーよな
:そうなんだ?
:むしろスキル選ばせてくれるのは有情では?
:そこから派生するスキルしか永久的にゲットできないから
:派生ってそういうこと?
:料理やってたら永遠に料理スキルしか生えない
:あー、ガチると本当に詰むんだ?
そうなんだよね。
でも当然裏道もある。
それが称号スキルと呼ばれるものだ。
空の試練とかは本当にとっておいてほしいものばかりが揃ってる。流石に今はもうお腹いっぱいだけど。
もうコメント欄は放っておいて、私たちは採掘に勤しむ。
「銀取れたー」
「連続三十回石ころです。幸運アップ仕事して!」
「暇」
:ハヤテちゃんは運いいね
:さっきからクリティカルしか出してないぞ、あの子
:トキちゃんの運が悪いのか、ハヤテちゃんが良すぎるのかこれもうわかんねーな
:リノちゃんは完全に暇を持て余してるね
:椅子の上で足ぷらぷらしてるのかわいいね
:見る栄養摂取
:一応どっちが多く取れたかの審査員もしてるから
「あははー、実は命中率アップも取ってます。調理スキルって、食材切るのにも幸運判定出るので」
:命中率と実際の幸運の振り幅は別カウントか
:幸運高いと基本はどうなるの?
ハヤテP:( • ̀ω•́ )✧幸運はドロップ率とドロップテーブルでより高いレアが出やすくなるよ
:幸運も幸運で必要なのか
「ハヤテは両方持ってるんだよね?」
「うん!」
「あたしも持久力じゃなくて命中率にすればよかった!」
「持久力も実際大事。スタミナ切れたら何もできなくなっちゃうし」
「ぬー!」
:本当にスキル構成次第で詰むのか
:元々生産に割り振ってたわけじゃなかったのか
:え、じゃあどうしてスキル変えれたの?
:確か最初に選んだスキル次第で一生そっちの派生しか取れないってさっき
「実はおじいちゃんにスキルチェンジャーおねだりしたので、演奏特化のお姉ちゃんが鍛治に割り振れたのもあるんです」
:スキルチェンジャー?
:何それ
:確かスキル骨子そのもののスキルを再選択するものだっけ?
:6つ目のスキル骨子とか言われてる
:確かあれむちゃくちゃ高くなかった?
:おいくら万円?
:アベレージ20億
:億は草
:ドリームランド素材をわんさか使ってるらしいからな
:行くだけで相当ストレス溜まるあの場所で素材集めか
:ストレス溜まるだけならいいやん
:普通はSAN値も減る
:おっかないところだというのはよくわかった
:ハヤテちゃん、とんでもない代物おねだりしてる
ハヤテP:( • ̀ω•́ )✧さすが僕の娘
:褒めるところなのか、そこ
:それを買うおじいちゃんもおじいちゃんだよ
:それだけ長くいても難しい……うん? 錬金で羽振りのいいおじいちゃん?
:もしかして精錬の騎士?
:何それ
:AWOの生産関連を牛耳ってる大ボス
:うひゃー
「はい、バレてしまっては仕方ありませんね。うちのおじいちゃんは精錬の騎士のクランマスターさんをしています」
「あたしとハヤテで確かスキル骨子五枠分づつおねだりしたんだよね? そんなに高いだなんて知らなかったけど、おじいちゃん大丈夫かな?」
「うーん、どうかな?」
:ふぁ!? 一人100億!
:おねだりの範疇超えてる
:クランに内緒で耳揃えて支払うのキツくない?
:太っ腹にしたって程度があるでしょ
:それだけ孫にいい顔したかったんだな
:そもそも、そんな大御所ならご自分で生産してるのでは?
:ああ、なら市場価値に振り回されないのか
「ちなみに私のおじいちゃんにも頑張ってもらった。まだ使ってないけど」
リノP:( *˙ω˙*)و 最近親父の当たりがきついと思ったら原因それか
:今明かされる、衝撃の事実!
:そりゃそんな借金抱えれば
:これ配信で流して大丈夫そ?
:ダメかもわからんね




