第八話,かはつるみの巻
4月末のある日、この日は休日である。
なので龍之は家でゆっくりしていた。
あかねはなにやらいそがしそうであったが小学生特にやることもなく遊ぶ約束もしていない龍之は本当に家でぐーだらすごしていた。
「はぁ~、やる気でない……なにか足りんぞ…」
龍之はなにか足りないと思っていた。
その足りないものは男なら多分誰でもほしいもの。
『エロ』だ。
ただでさえ仕事の都合上そういうのとは縁がないのに小学生の体になってそんなのとふれるのが難しくなった。
しかし龍之も元は男、ほしい物はほしいのである。
なんでも最近龍之はこの世界にそんな欲を満たす本があることを知ってほしいと思っていた。
でもこの体だと確実に「ダメ!絶対!」と断られるので手が出せないでいた。
しかもこの家には男はおらずレズもいないのでそういった雑誌などあるわけもない。
でも見れる事は見れる、あかねと一緒にお風呂に入ればいいだけだ。
実際そうなのだがそれだけだと満足できないのが男だ。
なので龍之は非常に不満を感じていた。
「あのエロ本とかいうやつがほしい、だがこんな体だそむりじゃ…誰か運良くもっとらんかな?」
っといって外を見ると今や幼女である真坂がニヤニヤしながら歩いていた。
なんと彼が歩きながら読んでいる本はそれらしいものであった。
龍之の心に火がついた。
「おお…うおお!!!あれじゃああああ!!」
龍之は窓を飛び越えて真坂に遅いかかった。
「由紀夫ぉぉぉ!!それをよこせ!!!」
「な!?龍之介!!」
バシッ!!
「ほう、よくワシの槍を受け止められたな」
「生憎だが余の反射神経はそのまんまだ、それに龍之介、貴様力がそうとう落ちているな、余もそうであるが貴様もそうなら条件は同じ!!」
真坂は刀を抜いた。
家宝の刀はよく磨がれているらしくとても切れ味のよさそうなものであった。
2人が戦った事は何度かあるが今回のようなガチバトルは始めてであった。
「勝負じゃあ!!」
「余はこの本を死守する!!」
2人は武器を構えたままにらみあっていたが…
…
…
…
「なぁ、龍之介」
「なんじゃ!?」
「考えてみれば我々は力がない、なのにこんな武器で戦って勝負になるか?」
「それもそうじゃな…」
「ならば……」
真坂は剣を捨ててかかってきた。
「ならば素手で勝負だ!!!」
「素手で戦ってワシに勝てるとでも思ったか由紀夫!!」
龍之も袖をめくって真坂にかかっていった。
そして小学生レベルの白兵戦が始まった。
…
…
…
…
10分後…
「ぜぇ…ぜぇ…」
「はぁ…はぁ…さすがは猛虎!余をここまで苦しめるとはやるではないか!」
「相変わらず動きの速い奴じゃ、だが力はワシのほうが勝っているようじゃな」
「ふっ、力も大事だがそれより大事なのは速度、すなわちこの戦いは余に有利!!」
バキィ!!
*しばらくおまちください*
さらに10分後…
2人の疲労は限界に達していた。
血もでているし、女の子の喧嘩というよりも不良vs不良に近かった。
ただ、それを小1に見える元男の女の子がやっているだけで。
「…」
「…」
2人は睨み合っていた。
互いにもう疲労は限界に達していた、つまりこのあとの一撃で勝敗がきまる…
「……隙あり!!!」
龍之は真坂にパンチしようとした、そして、命中した。
バキィィィ…
「にゃあ!!!!」
バタ…
「…ふっ…ふふふっ……女の体で始めて自分の力だけで勝ったぞい!!!さ~てエロエロ……ってなんじゃこりゃあ!!!!」
龍之がみたもの、それは期待はずれでロリものであった。
いやらしい服をきた幼い子たちが何人もうつっていた。
そもそも売っていいのかというレベルのものであった。
だが龍之はロリには興味ないので破いて踏んづけて埋めた。
「ああああ!!なんてことを龍之介!!」
「このロリコンが!」
「まったく、だが余は…今お主がかわいくてしかたないぞぉぉ!!!」
「やめんか!!」
バキィ!!
真坂は倒れた。
龍之は家に戻ろうとしたがその時…
「やったああエロ本手に入れたぁぁ!!」
(渡辺亮介……出席番号35番、ほか真性の変態2名……)
「龍之介、奴らは?」
「うむ」
ガシッ!
『坂真同盟』!!成立!!
2人はさっそく渡辺らを追った、到着した場所は公園であった。
男3人でいやらしい目でエロ本を読んでいた。
「由紀夫、ほしいか?」
「もちろんだ、余は大変ほしい」
「ならばかっぱらうぞ!!」
「うむ!!」
龍之と真坂は走って渡辺らに向っていった。
「な、なんだ!?」
渡辺らは突然の奇襲で抵抗する間もなく倒されてしまった。
鼻から血を流し意識があるかもわからない状態で倒れていた。
なにで攻撃したかというと地下国あつたわりと大きい石だ。
運ぶのに苦労したらしいがそれはなんとか命中し3人に勝利という結果をもたらした。
龍之と真坂はワクワクしながらエロ本をみた。
「どうじゃやうな……ぎゃあああああ!!!」
「おえええ!!」
なぜ2人が吐いたかというとそのエロ本に写っている女性は熟女であった。
それもかなり熟した感じの女性であった。
ましてや人妻、2人には論外であった。
「由紀夫!!」
「龍之介!!」
2人とも熟女には興味ないので破いて踏んづけて埋めた。
しかも徹底的に破き踏んづけて元がなんだったかわからないぐらいになった。
2人ともものすごい怒っていた。
「なぜじゃあ!!なぜロリと熟女なんじゃ!!」
「余はロリがほしい!!」
「美人で若くて乳も綺麗でそこそこでかい奴がワシはいい!!」
「なぁにいってんだべさ、あんたら成長したらそうなるだろ」
っと水をまいている婆さんにつっこまれた。
2人はむすっとした表情になった。
そして真坂はとうとう諦めたのかその場から去ってしまった。
「はぁ…ん?」
若い男が龍之の目の前を歩いていった。
そして本をおとした、エロ本だ、しかも龍之が求めていたものであった。
「……うはは…ワシは最後に勝つ!!!」
っというわけで龍之はそれをもって走って自分の部屋に戻った。
それを眺める事にした。
「……おおおおお!!!夢のようじゃ!!」
この体になってから見る事はおろか買うことすら困難であったエロ本。
そもそも龍之にとってこれが始めてのエロ本。
あっちの世界にはなかったエロ本。
ものすごく嬉しそうな顔でそれを眺めていた、だが問題が発生した。
厳密にいえばそれは幼女になった時点ですでに発生していることであった。
「………女子のかはつるみのやり方がわからない…」
※かはつるみ=オナニー。
しかしそれでは折角入手したエロ本で快感を味わえない。
すなわち今回の戦い、戦闘には勝ったものの結果的に失敗している。
「か…かはつるみのやり方を誰か教えてくれぇぇ!!!」
ガチャッ
「龍之?かわつるみってなに?」
「あっ…」
なんとあかねが入ってきた。
龍之はとりあえずエロ本をベットにしまったが聞かれたくない言葉を聞かれてしまった。
そう、かはつるみというやらしい言葉を。
幸いあかねはかはつるみがオナニーの意味だとはわかっていなかった
でも、龍之はあせった。
そしてこの日の敗北は己の欲望ゆえのもの…屈辱的なものであった。
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