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猛虎龍之介  作者: 栗林
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第六話,黒豹真坂登場

一方、異世界の日本では…


「殿、ここに坂上殿のものと思われるものが」


「ん?…そうか、やはり坂上の奴、このあたりで消えおったか、余はお主を失った事、大変悲しむぞ」

例の崖の近くにいる集団、坂上をで迎える予定でいた真坂がいた。

真坂がいる場所までもうすぐだったのでちょっとした情報は彼にも入った。

実を言えば彼と龍之介は同期であった。


彼の名前は真坂由紀夫まさかのゆきお、龍之介と同い年だ30代後半ぐらいである。

龍之介とは違って鼻の下に髭はあるがほかには髭はない。


「殿!ここ!崩れ落ちた後が!!足跡も残っています!」


「ん!?まさか奴はここから落ちたのか!!」


「しかし……死体でしたら下の湖に浮いてそうなものですが……ないですね…」


「う~ん、誰かがもっていったのでは?奴は相当有名人でもあるしい」

ところで龍之介は異世界では有名人だ。

では真坂はどうであろうか、真坂も有名人であった。

その強さから『黒豹真坂』と呼ばれているほどの実力の持ち主で権力もかなりのものだ。


みし…


「ん?」


「どうした小野」


「殿!足元!!」


「足元…ただの荒地だぞ?」


「いえ……その…ここ大変もろい場所みたいで……崩れかけてますよ」


「くずれ…?」

その時、とうとう岩が崩れ真坂は落下していった。

「ああぁぁぁぁぁ!!!!!!」


「殿ぉぉぉぉぉ!!!!!!」


「なるほどぉぉぉ死因がわかったぞぉぉぉ!!!」

その言葉が、彼らが聞いた真坂の最後の言葉であった。

そして、龍之介も同様にここから落ちて死んだと確信した。


「うぅぅ…」


*一方現代日本では*

「じゃあね龍之」


「うん」

適当に、それらしい返事をしてあかねと別れた。

ちょっと歩くと夏奈がやってきた。

「おはよ龍之ちゃん」


「あれ?家近くなのか?」


「うん、そこ。たまたま見かけたから」


「そうか」


「はは、そういえば龍之ちゃんってなんかしゃべり方男の子っていうかお爺さんみたいだよね」


「き…気にしないでくれ、ワシ昔っからこれなんじゃい」

女子おなごの子供に成りすますのも結構難しいものだ)

まだであって間もないのであんまりあーだこーだという話はしなかったものの2人は周りから見れば仲のよさそうな友達に見えた。

さて今、丁度龍之が降ってきた場所付近だ、ちょうどその近くを通った時の事だ。


ズバァァァァァァァァァン!!!!!

「えっ!?」


「な…なんじゃあ!?」

物凄い水柱であった、それはまるで龍之や蝉麿がこの世界に来てしまった時と同じような規模だ。

ようやくそれが収まると刀を持ったそれらしい少女が浮かんでいた。

「あ…あれ!女の子!?」


(わ…ワシや蝉麿の時と同じゃ、でもあいつ元から女だった奴か?)

2人は走って向った。

刀は相当立派なものであった。


「こ…これ剣?」


「…多分、はっ!!」

龍之は刀に記されているものに気がついた。

(こ…これは真坂家の家紋でないか!……もしかするとこいつ…)


「どうしたんだいお嬢ちゃんた……おお、なんだ女か」

某イイ男にそっくりな男と某予備校に通う男に興味があることを除いてごく普通の男子高校生にそっくりな男の2人組みがやってきた。

しかも…


「あっ!!せ…蝉麿!!」


「きゃぁぁぁ!!」

夏奈が叫ぶのも仕方ない、そこには白目をむいて舌を出して、全裸の蝉麿がいた。

「お…お前なんじゃあ!?」


「なぁに?この人と知り合いかい?」


「俺達は、この人に食べ物を食べさせているんだ」


「りゅ…龍之ちゃん…」

夏奈は龍之の後ろに隠れた。

しかし蝉麿、哀れな姿であった。ケツからは血が出ている、痔なのかそれともこいつらに掘られたのかは定かではないがとにかくひどい姿であった。


「っで、どうやったらそうなったんじゃ?」


「んもぉ、この人貧弱なのよ…ねぇ阿部の新さん」


「ああ」

貧弱とかそれ以前の問題である気もするが、まずは今やってきた真坂家の家紋が記されている刀を持っている少女の事である。

見た目からして龍之や夏奈と同い年ぐらいであった。

黒髪セミロングなのはおいといて、服装もどこかでみたようなものだ。


「…っは!!坂上殿!!」


「うえぇ!!蝉麿!!その格好で喋るな!!!」


「へっ?…いやん!!」

*しばらくお待ちください*


「ねえ龍之ちゃん…あの人と知り合い?」


「あ…あんまり関わりたくないけどな…」


「ひどいじゃないですか坂上殿!!」


「その名で呼ぶな!!」


「えっ?…はぁ…」

5人は少女を見つめていた。

しかし2人は飽きかけてけていた。


「ねえ阿部の新さん。我々チ○コのない奴は…」


「そうだな、行こう」


例の2人が去ると蝉麿は急に喜んだ。

「やったぁぁ!!私は解放された!!」

まるで奴隷から解放された者のような喜び方であった。

しかし龍之には気持ちがわかった、元々男だからだ。


その時、少女が目を覚ました。

「う…んん…ん?」

3人の男女が見ている事に気がついて少女は驚いた。


「うわぁ!!……ここ…どこだ?余はなんでここに!?」


「…お前…その口調……由紀夫か!!久しぶりじゃのお由紀夫!!」


「えっ?まさかその口調…龍之介か!?…嘘だろまさかそんな変わり果てた姿に…」

その時龍之にピンチが訪れた。

「龍之介?」


「ああああ気のせい!!」


「?」

夏奈にはよくわからないことだ。

そんなことよりも変わり果てた姿になっていたのは龍之だけではない。

由紀夫もそうであった、なんたって今女の子なのであった。

「な…な……なんじゃこりゃああああ!!」


「ねえ龍之、知り合い?」


「えっ!?ああいとこじゃいとこ!!」


「?」

その頃由紀夫はショックをうけていた。

美顔だと言われていた自分の顔が今、ただの女の子の顔に、しかもたくましい体はやわらかそうな女の子に…


そしてこんなの嫌だと思い始めていた。

「…あの、龍之ちゃん?もうすぐ予鈴だよ?」


「えっ?あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」


「急ご!」

2人は急いで学校のほうへと走っていった。

なんだかんだいって龍之も普通に生活なりすまししていた。


「……真坂殿、事情は私のほうからお話します。ここは日本という国らしくて我々の常識は通用しま…………」

蝉麿は由紀夫に説明していった。

そして…

「んなの嫌じゃあああああ!!!余はそんなの認めんぞ!!!!」


「いや、事実ですし…」


「……つまり余も小学校という所へ?」


「なりすますしかないですよ……」


「………余はなぜ?」


「さてさてお前さんにも説明しないとな」

その時、噂の自称神の爺さんが現れた。

流石に真坂もこれには驚いた、龍之同様の説明を行い元の姿に3分だけ戻る方法も覚えた。

ますます事態はややこしくなってゆく、はたして真坂がこっちにきてしまった事は、なにかプラスでもあるのだろうか?それとも…



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