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猛虎龍之介  作者: 栗林
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第五話,猛虎早速友出来た

龍之は小学校に行かなくてはいけなくなった。

その為昨日入学、今日は実際にランドセルに物をつめて登校であった。

途中であかねとわかれ、蝉麿と思われる人物の悲鳴を聞きつつこのままだと6年間世話になることになる鞆の裏小学校に到着した。



下駄箱に靴を入れ上靴に履き替え教室へ向った。

龍之の教室がある1年1組はなんとうれしい事に1階、玄関入ってすぐ近くだ。

玄関には今同じような背丈の子が幾人もおった。

(ワシはこんな奴らと仲間になりらなきゃならんのか)

こう龍之は思っていた。



教室に到着するとまあ男は走って遊んでいた。

(ふ、元気だな、子供は)


そういう龍之も今は子供である。

しばらくするとこのクラスの担任となった鈴木が入ってきた。

「はいはい皆さん静かにね、ここは幼稚園じゃないんだからね」


(ガキはうるさいもんよ、ワシは違うが)

とりあえずは皆座った。

龍之は退屈そうであった。

(なんでワシがこんな子供臭い集団に…)


っというのも見た目は子供でそういう設定なので仕方ない。

龍之のとってのピンチはすぐに訪れた。

(自己…紹介、う~んこの世界じゃワシの名前は皆知らんようだししかもこの体じゃ誰も信じてくれないだろう、すぐに考えなければ。いや、別に名前とよろしくだけでよかろう…)


「それでは、今から皆に、自己紹介をしてもらいまーす」

鈴木は笑顔であった。


「さか………愛原龍之です、宜しくお願いします」


ずいぶんアッサリであったが特に趣味とか言えとは言われていない為これでよかった。

出席番号2番は某軍人と間違えそうだがまったくの別人である石原莞爾(いし『は』らかんじ)。

ここ1年1組は総員35名のクラスであった。


「渡辺亮介です……」


最後の奴が自己紹介を終えた。

んで龍之はもちろん退屈そうにしていた。

(はよ帰りたい……それよりワシはいつのまに愛原になったんじゃ?まあいいか)


っとその時、龍之の血を騒がせるような事態が発生した。

放送が流れついでにその後ハゲで眼鏡でちょっと体臭がきついどっかの先生が入ってきた。

(えっ?不審者?)


「相手は刃物を持っています!早く!」


「わかりました」

鈴木も慌てていた、だが龍之は違う。

刃物という言葉を聞いて武人としての血が騒いできたのだった。

(よし!そんな奴ならワシが相手したる!!)


ドサクサにまぎれて龍之は教室から飛び出しトイレへ向った。

「ワシが猛虎じゃ!!!!!」

前に続いて2回目である。3分だけ元の体に戻り元通りの強さになる。

それはまるでウ○トラマンの如く、突如として不審者の前に現れた。


「ななな!!なんだ!?」


「貴様!!ガキに手を出すとは!!男の恥じゃあ!!!」

龍之介は槍を持っているだけでインパクトがあった。

この男はすぐに逃げてしまった。


「ひぃぃぃ!!」


「………」

教師達は唖然としていた。

突如現れた親父がただ怒っただけで不審者は逃げてしまったのだ。


「あ…ありがとうございま!!…あれ?」

お礼を言おうとしたらもう龍之介はいなかった。

一方龍之介は…


「…あと15秒か………」

女に戻るのを待っていた、さすがにこの格好のまま戻るわけにはいかないからだ。


ヒュュ…

「よし…」


3分たって女になった龍之はちゃっかり教室に戻り最初からいたかのように振舞った。

「さてさて皆さん、先ほどはあんな事がありました、十分注意してくださいね」


「は~い!!」


「なるべく複数で帰りましょう」

っというお決まりの言葉でその後龍之達は帰った。

一年生の最初の頃は終わるのが早いらしい。



その後龍之はもちろん下校中であった。

「しっかし…蝉麿の奴は普段どこにいるんだろ?」

歩きながら毎回急に現れる不思議な男、蝉麿について龍之は考えていた。

部下なのは変わりないもののこっちの世界に来てからというものの突如現れてはいろいろ情報を提供してくれる。

今まで何気に旅を共にしてきたがこっちの世界にきて何者か疑いたくなってきたのであった。


「…や!!やめて!!」


「ん?」

女の子がなにか嫌がる声が聞こえたのでちっょと振り向いてみるとさっきの不審者がいた。

(あいつもしかするとさっきの?)

しかもその男がつかんでいる女の子は龍之と同じクラスの奴だった。

(う~ん、見殺しにしてもいいが……流石に人としてどうかと思うしな…仕方ない!)

龍之は戦う事を決意した。


「ワシは猛虎じゃ!!!!!!!…………あれ?」

男にならない。

「なぜじゃ!なぜ!?3分どころかなる気配もないぞ!」

その時、一枚の紙が降ってきた。

「…ん?……一度変身したら1時間の休憩が必要?なんじゃと!?」


なんと男へ戻る行為は制約つきであった。

3分だけというだけでも厳しいのに一回戻れば1時間休まなければならないのだ。

これはウー○ンよりも厳しい制約であった。


「…ええい!仕方ないわい!!突撃!!」

彼は槍を持って不審者を撃退すべく出撃した。


「待てい!!」


「ん?」

不審者が後ろを振り向くと重そうに槍を構えている少女がいた。

実際龍之、かなり無理をしている。


「あ…あの子もしかして…」

少女も気がついた、同じクラスにいた奴だという事に。


「お、お嬢ちゃんダメだよそういう武器をもっちゃ」


「構わん!!ワシは猛虎と恐れられた者!!山賊より弱い貴様など!!」

龍之は槍を不審者に突き刺そうとした。

だが力もスピードもなく簡単に槍をつかまれた。


「うっ!!」


「ふっ、さっきの武将気取りの親父よりよっぽど弱いわ!!」


(ダメか!ワシはやっぱりこの体だと弱いのか!!)

その時。

「えい!!」


「うお!!」

さっき襲われていた女の子が体当たりを敢行、男はバランスを崩した。

「今じゃあ!!」

ズン!!!


槍は見事男に突き刺さった。

男は激痛のあまり倒れこんだ。

「急所は外してある…ワシは無闇な殺生はせん」


「女の子とセ○ロスしたかった……かく…」

男は力尽きたかのように倒れこんだ。

今回はあの女の子のおかげで龍之はなんとか勝利することに成功した。

思い槍をぶん回したせいか龍之は息が切れていた。


「ぜぇ…ぜぇ…」

(戦ってこんだけ疲れたのは久々だ…)


「あ…あの!」


「…ん?」


「あの…さっきはありがとう……おかげでたすかったよ」


「…そうすっか…ハハハ…」

そんなことよりも龍之は今、腕が痛くてしょうがなかった。

そして表情も疲れきっていた。


「あの…愛原龍之…っであってるよね?」


「え?…そうじゃが」


「…よかった、ありがとう」


こうして龍之は、同じクラスで多分龍之より僅かに背が大きいセミショートの女の子、笹井夏奈ささいかなと友になった。

まあ暇つぶし相手にはよいだろうと龍之も思っていた。

こんな感じで今日1日は終わった。



*夜*

龍之は風呂に入りながら考え事をしていた。

(……小学校か、まあどっちにしろ。元の体に戻る方法と元の世界に戻る方法を知る手がかりはなさそうだな……ワシはいつまでこの体でいればようのじゃろう)


その時風呂の窓が開いた、鍵がしまっていなかったのだろうか。

「坂上殿!!私にも晩飯すこしだけ!!……あっ!こりゃまた、立派だったチ○コがありませんね…失礼」


「……この…ド変態野郎が!!!!!」

バキィ!!!


「あれぇぇぇ!?アンタ前まで男だったろ!!」


「それとこれとは別じゃあ!!!」

龍之は蝉麿をぶっ飛ばした、そして気がついた。

(…はっ!そうだワシは男だった、なに恥ずかしがってるんだ?…不思議なもんじゃ)

この日、龍之はぐっすり寝たという。



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