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猛虎龍之介  作者: 栗林
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第四話,猛虎、小学校へ行く!

その翌日、龍之の部屋にはいろいろなものが用意されていた。

ランドセルやらなにやら、小学校にいくのに必要そうなものが多数用意されていた。

っというのも明日から小学生なので美香子が用意してくれたものである。



ランドセルはあかねのおさがりだがすぐに変えてしまったため大変状態がいい。

あとは最近犯罪が増えているとかで防犯ブザーなんかもついていた。

「ひととおりのものは用意したわよ、教科書とかは学校で貰うからあとはノートとかその類ね」


「あ、はい」


妙にやさしいお母さん(龍之視点から見て)である為龍之はかえって気味るがっていたものの2日目にもなるとすこしは慣れてきた。


「はぁ…」

美香子が去ったあと龍之はため息を吐いた…

その時窓から見覚えのある顔が。

「ぎゃあああ!!!」


「坂上殿驚かないでください!」


「なんだ蝉麿か……驚かせやがって。ワシもお前ほど若くないんだから」


「爺さんじゃあるまいし、それに今その体でしょう」


「これはしょうがないだろ、ワシが望んでなったわけではないんだから」


「坂上殿、私は今日、坂上殿がいかれるという小学校についての資料をもってきました」

すると蝉麿は箱の中から多数の本を出した。

どこで手に入れたのかは秘密、ただ金もないからかいけない方法で手に入れたらしい。


「ほぉ……こりゃまたまるで異国の文化だな」


「まあ、世界自体が違いますからね、私もまだ慣れませんよこの世界に」


「まったくワシらなんの為に、しかもワシだけ女だし」

ところで蝉麿が無傷でこの世界にきてしまったのはなんでと思う方もいらっしゃると思いますが気にしないほうが吉だと思う。


「なるほど…げっ!6年も通うのか!しかもその先半ば強制的に3年も中学とやらに!?」


「それがこの世界の、言わば規則というものらしいのですよ」


龍之はものすごくめんどくさそうな顔をしていた。


「猛虎龍之介と恐れられていたワシがこんな所に!?チクショー!!!!!!!」


「しょうがないでしょ、元の体に戻る方法を見つけるまでは小学生に成りすますしか…」


「う~ん…実にめんどくさい」


ガチャ

「あっ」

その時、龍之、蝉麿に危機が訪れた。

あかねが部屋に入ってきたのだった。


「あ!あんたおととい砂浜にいた怪しい人!」


「げえ!!」


「蝉麿の馬鹿!」


「…あ…貴方いったい龍之とどんな関係があるのよ」


「龍之?」


「ワシのこっちでの名前じゃ」


「ぎぃえええ!!坂上殿そのような名前が!」

流石にそれには驚きであった。

そして蝉麿は即座にこの後なんて答えればいいのかかんがえはじめた。



ハッキリいって今回はピンチであった。

蝉麿の一言で龍之の正体がバレる危険性があるからだ。

「おい蝉麿…適当にごまかせ…」


「はいぃ……ええっと実は坂上殿は秋津の国のお姫様なんですよ、私はこのお姫様の付人であります野原蝉麿のはらのせみまろ、近衛師団の師団長であります」


「えええ!?龍之ってお姫様なの!!!」

ここで龍之がお茶を飲んでいたら噴くところだろう。

オーバーな事に蝉麿は龍之のことを秋津という国のお姫様という設定にしてしまったのだ。


「こりゃ蝉麿!!」


「しー!……いいんですかバレても?」


「うう…そうしとけ…だがお前近衛師団の師団長ってのはやりすぎではないか?」


「そういう設定です」

一方であかねはかなり驚いていた。

目の前の小さな女の子がまさかどこかのお姫様(実際は違う)だとは。

そして自分がなんだか失礼に思えてきたのであった。


「ししし…失礼しました!」


「いや、誤らなくてもいいけど、ワシも普通にしゃべってくれたほうが」


「そ…そう」


なんかめんどくさいことになったんじゃないかと龍之は思った。

蝉麿になんかいってやろうと思った…だがもう蝉麿はいなかった。

「あれ?」


「あら、野原さんならさっき帰ったよ」


「えええ!?蝉麿め!」


あかねも最初は信じられなかった、しかし蝉麿のほうがどうみても大人なのに呼び捨てで呼ぶわこき使っているように見えるわ蝉麿は敬語で話すわ、あかねはなんとなく龍之が身分の高い人物だと思い始めた。

(やっぱり…本当にお姫様なのかしら?)



*翌日*

「あら可愛いわね龍之ちゃん」

美香子も絶賛、龍之のランドセル姿。


「さ、今日は入学式よ」


「う…うん」

(この返事の仕方、慣れない…)


「あの…私も高校の入学式なんだけど…」


「大丈夫よ、時間違うでしょ、車でぱぱーといってぱぱーと戻ってくるよ」


そして、龍之は美香子の車に乗せられ小学校へ向った。

小学校といえば皆それぞれの思い出があったりなかったりする場所だろう。

しかし今思えばなんて楽な場所だったんだと思う方もらっしゃるだろう。

でも龍之にはそんなものはない、なんせ龍之の世界にはそんなもの存在の『そ』の字もないからだ。



っでその後小学校の体育館だかどこか新入生が次々と入場してきた。

みんな先月まで幼稚園児だった子たちでまあ小さい事小さい事。

その中でも特別雰囲気があったのはなんにもしていないし特にド派手な服もきていない龍之であった。

やっぱりなにかが違う雰囲気であった。



その後は新入生の名前の読み上げが行われた。

ちなみに一番最初に呼ばれたのは龍之であった。

「愛原龍之、石原(いし『は』ら)莞爾……」


なんか某国の軍人のような名前の子供がいるがそれは気のせいである。

んでその後は校長による式辞、新入生代表による宣誓が行われ2年生だかが校歌を歌った。

「自由なる鞆の裏地区の不滅の団結は、大日本によって永久に堅められた。万歳、人民の意志に築かれし 一つに進む雄邁なる鞆の裏小学校よ! 栄光あれ!我らが自由なる学校、児童友愛の拠るべき砦よ。児童の旗、鞆の裏小学校の旗は我らを勝利から勝利へと導く」


「あ…相変わらずソビントの国歌っぽい校歌ね…」

美香子は呆れながらこの歌を聴いていた。

龍之もかわった曲だなと思いながら聴いていた。



その後龍之ら新入生は教室へ移動した。

龍之はどうやらこの1年1組になったようである。

「はい、私が皆さんの担任になりました鈴木京子すずききょうこです、今回が先生として始めてですけどみなさんよろしくね」


今時いるかわからんような教師が現れた。

若く大学を卒業したばかりかのようだった。

その後はまあお決まり教科書やらなにやらが配られた。



まあ初日はこんなものであった、真に大変なのは翌日からだ。

「いってきます」

途中まではあかねもいっしょにいる、道が途中までは同じだからだ。


シュタッ!!

「きゃあ!」


「うわ!!なんじゃあ!?」


「坂上殿、お友はできましたか」


「アホ、1日でできるか、だいたいワシはガキと付き合う気などないわ」


「でも龍之、あんた子供じゃない」


「うっ!」

嫌でも子供扱いされる。

それが今の龍之の状況であった。


「そうですか…では私はこれで…ほっ!!」


「……蝉麿の奴なにをしに…」


ズボォ!!

「アッー!!!」


「なんだ?蝉麿の悲鳴が…」


「いきましょ」


「き…気にしたら負けか?」

この後龍之を待っていたのはめんどくさい小学校での生活であった。





御意見、御感想などお待ちしています。

しかし小学校の入学式なんて…昔過ぎてか思い出そうと思っても覚えてませんね。

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