第二話,猛虎の1日!?
翌朝。
「はぁ…海は広いなぁ~大きいなぁ……すがすがしいなぁ…」
「燃え盛るなぁ」
ズボォ…
「アッー!!!!」
蝉麿の雄叫びは鞆の裏中に響いた。
実質これに起こされた者は幾人もおったそうな。
それよりもこの光景をみていた人は蝉麿を哀れにみていた。
「あ~あ、阿部の新の親父に狙われたらおしまいだっぺ」
「ああ、だれひとりまともでいられたものはいねぇ、だいたいはホモさ」
「いやだねぇあっしは女子高生好きよ」
「なに!?小学一年生こそベストだろ!!」
「このロリコンめ!!」
港でこんな話が行われている頃龍之介(以下龍之)は寝室で寝ていた。
急遽用意された部屋はもう自立した姉がつかっていた部屋だ。
ちなみに龍之がこの家で過ごすことは父親ももうしっておりOKOKしていたらしい。
そんな龍之、どんな夢をみているのだろうか。
…
…
…
「お帰りなさい、ご飯にする?それてもお風呂?」
その時、龍之は若い男に押し倒された。
「ひゃぁ…ダメ…」
…
…
…
「ぅおわぁ!!!」
龍之は汗をかいていた。
そして気持ち悪いものをみた直後のような表情であった。
(ゆ…夢か……嫌な夢をみた…)
思えば龍之は昨日だけでもかなりのおどろきであった。
テレビも知らなければ電気もしらないし車も知らなければ…というよりこの時代の常識がわからなかった。
その時美香子が入ってきた。
「あら」
「あ、おはようございます」
「龍之ちゃん早いのね」
「ワシは朝早いほうなんで」
「そうなんだ、じゃあ明後日からも問題なさそうね」
「明後日?」
「小学校よ、あかねから龍之ちゃん6歳だって聞いてるし」
「なっ!?」
「お母さん安心だわ」
そういって美香子は部屋から出ていった。
どうやらなにか物をとりにきたようであった。
今の時刻は6時ごろ、朝早くであった。
それよりも龍之にとって衝撃であったことは自分が6歳だという設定である事だ。
(ワシが6歳!?がきんちょではないか!!!この天下の猛虎龍之介が!!………それより…小学校ってなんじゃああああああ!!!?)
まず第一に龍之は小学校がなんだかしらない。
第二にこんな服を着る事に龍之は抵抗があった。
「はぁ~」
その後龍之はあかねと美香子といっしょに朝食をとった。
和風の朝食であった、もちろんご飯と味噌汁は基本だ。
「……」
龍之は米だとはわかったがドキドキしていた。
そしていざ口にいれると…
「うまい!うまいぞ!!」
「そう、よかったわ張り切ってつくって」
「お母さんホント子供好きだよね」
「だってかわいいじゃないの、それにあんた育ててきたからなんとなくわかるのよ」
「そう」
それ以前に龍之は現代のお米のうまさに感動した。
ほかの飯も普段の飯と比べると比べ物にならないほど味がよかった。
「うまい!ワシこんな飯くったの久々じゃあ!」
「あらそうなの、おかわりあるわよ」
「ありがとうございます!!」
まあ当然昨日の晩飯にも米は食ってるから味はわかるがおいしいのは何度食ってもであった。
龍之はこのようなうまい飯が普通の食事として出される事に本当に感動していた。
食後、龍之は部屋に戻った。
流石にパジャマでいるのもあれなので普通の服に着替えようとした。
もちろん龍之には馴染みのない服だ、見たこともなければきたこともない。
龍之は着替え終え見知らぬ自分がうつるもの(鏡)で自分の姿を確認した。
「……この世界の服はすごい、見た目はあれじゃが機能的だ。うごきやすい」
今龍之が着ているのはあかねが昔着ていたものだ。
まだ綺麗なものを美香子が激選したらしくタンスには何着か入っていた。
もちろんこれから龍之の分も買わなければいけないが裸でいるわけにもいかないのでとりあえずはこれでよしとしたのだろう。
「はぁ……しっかしなんでワシがこんな姿に…」
その時部屋の窓から急に光が入ってきた。
「な…なんじゃ!?」
するとこの前のへんな爺さんが出てきた。
ブランコに乗って。
「ええ!?いま窓が光ったのになんで天井から!?」
「ワシは神だからじゃ、なんか文句がありそうなんでな、聞きに来てやったぞい」
「文句っておま!ありまくりじゃい!!なんでワシをこんな体にしたんじゃい!!!」
「それはな、お主の体は異世界へ移動する際にバラバラになっちまったから、代用品を1秒で創ったんじゃ」
自称神様の爺さんは髭を触りながら答えた。
もちろん龍之がこの回答に納得いくはずもない。
「代用品!?…いや待てワシは納得いかんぞ!!!代用品にするんだったらもっとたくましい男にせんかい!!!」
「そりゃあワシの趣味じゃ」
「爺も昨日の太い男や蝉麿と同レベルかい!!!」
「っというのは冗談で、男の姿よりもその姿のほうが周りの風景に溶け込めていろいろ便利じゃろ」
「いや便利じゃないぞ!体力ないわ排便しにくいわ!!」
「ならばよい事をおしえてあげよう…っというより今回ワシはこれを教えるためだけにきたんじゃ」
「なんだ?」
爺の顔は急にシリアスになった。
杖を持った右手を大きく上にあげてこういった。
「その槍をこう持ってワシや猛虎じゃ!!と叫べば3分だけ元の体に戻れる」
「3分!?短!!」
「しかも正体を人にバラしてはならん、もしバレたら武将ガエルになっちまうぞ」
武士ガエル…某アニメのパクリなのか、とにかくこれは屈辱的な姿である。
だが…
「嘘、お前さんがどうなるかはワシも知らん」
「驚かすな自称神」
「まあ、基本的には身長115.2のアニメ声で羽○と似たような髪の色で八重歯があるだたの女の子じゃ」
「ワシから見れば普通じゃない!!だいたいワシの髪の色は黒だった!!なぜ変えた!!」
「偶然じゃよ、ではこの世界を守る為に戦ってきなさい、あと槍はワシが開発したカプセルに入れてあるから出したりしまったりするときは上のボタンをおしてくれたまえ、では!」
「どういう意味じゃい?これ待たんか!!」
そういって爺はブランコにのって上に消えた。
龍之は唖然としていた。
「……誰かワシに状況を説明してくれ…」
「坂上殿!!」
「は!?その声は!?」
窓をみたらボロボロの蝉麿がいた。
「蝉麿!蝉麿ではないか!!」
蝉麿はすっかりやつれておりもう体力的にも限界そうに見えた。
そんな蝉麿は剣使いだがその剣をもつのもやっとの思いといった感じだ。
龍之にはなぜこんなに蝉麿がやつれているのかさっぱり検討がつかない。
「どうした蝉麿!」
「大変でしたぞ……男に掘られるわ我々の通貨はこの世界じゃ通用しないわ走る鉄の馬に轢かれそうになるわ……とにかく貴方様を探すのにどれほど苦労したことか……お~いおいおい…」
蝉麿は泣いていた。しかもなさけない泣き方で。
「それでどうしたんだ蝉麿?」
「大変ですぞ!!私の後ろを!!」
「……な…なんじゃありゃぁぁぁ!!!!」
なんと後ろを見たら赤鬼がいた。
酒を飲んでおりとても臭い…っというより龍之は酒に釣られそうになった。
「ワシにも飲ませろ!!」
※この国では未成年者の飲酒は禁止されています。
「だったら助けてくれんか」
「はい?」
「私の家はドイツに占拠されたんです、そこから酒をもってきてくれないと私は…私は!」
「ど…どいつ?どこのどいつじゃ?」
なんと赤鬼は敵ではなかった。
それよりも龍之はドイツがなんだか知りたかった。
「まあなんだかようわからんが付き合ってやるよ、1日で終わるんだったらな」
「多分1日です!お願いします」
「うむ、皇室に遣える者として人助けはすべしと陛下には言われておる、やってやろう」
「いいんですか坂上殿?」
「よいではないか、ワシは暇だ」
「では、参りましょう」
赤鬼は某を天井のほうにあげ雄叫びをあげた。
すると龍之の視界が急に白くなった。
「な、なんじゃ!?」
…
…
…
「いてて……どこじゃここは?」
「ここは私の家から500m離れた場所です」
「500mか、簡単じゃないか」
「いや……実はですね…」
この後龍之は今まで体験したこともない戦いを経験する。
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