表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
猛虎龍之介  作者: 栗林
2/19

第一話,猛虎早速の危機なるぞ

「すすす…好きダァァァ!!!」


「何奴じゃこやつは!」

幼女姿の龍之介を狙う栗田、決して敏捷性は高くないが身体能力が子供同然の今の龍之介には速く感じる相手だ。

幸い視力は低下しておらずかなり速い動きでも見えるし気配もすぐに感じられるのだが根本的な身体能力は見た目どおりだ。



ちなみに今の龍之介の身長は115.2、小学1年生女子としてはまあ平均的である。

だがこんなのだったら簡単に想像がつく、ちっとも強くない事が。

「かわいい!好きだぁぁ!!!」


「貴様、ワシは猛虎龍之介じゃぞ!?その無礼な態度を叩きなおしてくれるわ!!」

龍之介は槍を構えやる気は十分であった。だが。

(重た!!)


「えっ!?えっ!?」


愛原とかいう少女は迷っていた。

龍之介は微笑をうかばせていた。そう、今の彼女(?)の頭の中は男の時の猛虎龍之介であった。

それだったら並大抵の男にも負けない強い男である。

しかし今の体は小学一年生レベル、身体能力もたいたいそれぐらい。



「食らえ!!無双大三段じゃあ!!」

出た!龍之介の必殺技、ロ○サガにでもでてきそうな技名だが龍之介の必殺技『無双大三段』は渾身の力を込めて叩き下ろし、続いて鋭い突きそしてフィニッシュに槍を回して柄で傷口をえぐり、上空へ飛ばす。その後、敵は地面に叩きつけられて多大なダメージを受けちゃうというやり方までそんまんまであった。



しかし実際この技で幾人も屠むられている。

でも今の龍之介の体は子供、こんな技使えるわけがない。

「うぉっとっとっと!!!あわわわあああ!!ぎぃえ!!」

バタッ!!



槍の重さに体がついていけず倒れこんでしまった。

「へへへ……そういう失敗する所もかわいい…もう僕のものだよ、マイハニー」


「ちちち…近寄るな!!ワシは男じゃぞ!!このガチホモ!!」


「君はどうみても女の子だけどね、じゃあ…」

その時、栗田のアゴに愛原のキックが炸裂した。

「ブヒッ!!」


栗田はどこかへ飛んでいってしまった。

やがて栗田が飛んでいったほうの空が明るくなった。

龍之介はただ、びっくりしつつ見ているだけであった。

「あんのロリコン!……お嬢ちゃん大丈夫?」


「わ…ワシは大丈夫じゃ、それよりお主は何者?」


「男みたいな喋り方するね、私は愛原あかね、近所に住んでるけど貴女は?」


「わ……ワシか?ワシは坂上龍之介、別名は猛虎龍之介でそっちのほうが有名になっているが、本名さ坂上龍之介じゃあ」


「りゅ…龍之介?男みたいな名前ね…」


「ああ、信じてもらえるとは思っておらんがワシはついさっきまでは男じゃった」

正直あかねにはそんな事信じられない。

(そういえばさっきそこの海にうかんでた女の子だわ…きっと頭うったんだわ)

自分なりにそう解釈した。


「なあ、信じないか?」


「信じられないけど……」


「そうか、まあよい、ワシも信じられんからな」


(本当に大丈夫かしらこの子…)

現代の普通の、中学も卒業してこれから高校生だっていうあかねには信じられなかった。

龍之介もこんな服装をしている女の子がいるなんて信じられなかった。

しかし彼の趣味に当てはまることでもあった。

(乳…でかいなぁ…ワシ好みかもしれん)


なにかほしそうな表情であかねを見つめていた。

「どうしたの?」


「いやなんでもない!」


「そう…」


「あああ!!見つけたわよ!!」


「ん!?」

なんとそこには看護婦のおばはんがやってきた。

相当起こっており顔にしわが寄っていた。

「勝手に逃げ出して!!」


「う…ワシはもう元気じゃ!!」


「だったらもう退院すればいなさい!!!」


「退院ってなんだかわからんがしたるぞ!!」

こうして龍之介は意味もわからず退院した。

でも考えて見れば行き場がなかった。


「貴女、家は?」


「家か?ワシは旅をしとってな、家は恋しいよ」


「ってどこよ!」


「秋津の地じゃったきがするな」


「あきつ?」


「もっともこんな世界にゃそんな場所なかろう」

まるで武人のように振舞う龍之介を武将気取りなのねとあかねは思った。

そんな事より彼女りゅうのすけには家がないという事を知ったあかねはどうしようかなと思った。

(さすがにほっとくわけにもいかないよね…ん?)



その時上空から男の声が聞こえてきた。

「にゃあああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


ズッボォォォォォォォォォン!!!!!!


「な!!なに!?なんなの!?」


「なんじゃ!!」


2人は突如落下してきた物(?)に驚いた。

しかしその正体はすぐにわかった。

「蝉麿……蝉麿ではないか!!しっかりせい蝉麿!!」


なんと男は蝉麿であった、目が回っているかのようであった。

「そ…その喋り方は坂上殿ですか……随分と変わり果てた姿に…ってかここはどこ?」


「ワシが知るか!」


「い…いきなりゲームとかにでてきそうな人が降ってきた…」


蝉麿もそこらで売っているゲームにでてくるお侍さんのような格好であった。

それもちょっと立派であった。

「坂上殿……私は坂上殿の屍をせめて埋めて差し上げようとしたのですが屍がどくにもなく、まさかと思ってもぐってもなく、もしかするとと思って自分も飛び降りてみたらこのような場所で変わり果てた坂上殿に……」


「蝉麿……良くぞ参った」


「…坂上殿!!…そういえば坂上殿の幼女姿…かわいいですのお!!!!」


「えっ!?…こりゃ蝉麿やめんか!!」

蝉麿は龍之介を抱いた。

「おお!!感触まで本物の女子!それも子供じゃ!!すばらしいですぞ!!」


「やめなさいロリコン!!」

あかねは蝉麿をぶん殴った。

蝉麿は鼻血をぶーっと噴射していた。



実は蝉麿、幼い女の子が好きらしいというかなり危ない奴だ。

「蝉麿、以後ワシに1m以上ちかづくではないぞ」


「すみませんでした!」


「……なんなの?この人達?」



それから15分後…


「なるほど、我々は随分とおすごい世界に来てしまったようですな」


「まったくじゃ、だがなんでワシだけ幼女なんじゃ?」


「知らないわよ……でも貴女本当に男だったの?」


「みよこの筋肉を!!」


「坂上殿…ぷにぷにのほっそい腕しかありませんよ」


「……みよワシのすね毛を!!」


「坂上殿、脚つるっつるですよ」


「……こまったなぁ…アレはついとらんし」


「……とりあえずうち来る?許してくれるかはわからないけど」


「行こうか、どうせこの世界じゃあてもなか」


「そうですね」


「あんたはダメ」


「が~ん!!」


こうして蝉麿はこの地でバイトをしつつ地道に生活する道を歩む事になった。

蝉麿は道路を歩いていた、しばらくして漁船がある場所に到着した。

そしてこの世界の船は進んでいるなと感じた、なんせ蝉麿が考えられる範囲を超えている材質でできた船であろからだ。


「すごいなぁ……」


「兄ちゃん、バイト、やらないか?」


「ん?…はぁ!?」

なんとそこには白いツナギを着て陰部を露出している某いい男にそっくりな男がいた。

どうみても彼はガチホモにしかみえなかった。

「……」

蝉麿は瞬時にしてこう思った、『これはまずい』と。

「嫌ァァァァァ!!」


「やらないか!いや!やらせろ!」

ズボォ!!

「アッー!!!!!」


どうなったかは皆様のご想像しだい。

そんな事が行われているところで空しくスピーカーから演歌が流れている。

一方龍之介達は。


「いいわよ」

(だいたい親がいない子なんてほっとけるわけないじゃないの…)


「ありがとうお母さん!」


「まあうちはお父さんががっぽり稼いでくるし余裕はあるわよ、それとあんたの将来にも役立つかもしれないしね」


「なにそれ?子育て的な意味?」


「そうね」

龍之介にはなんの事かわからないがとりあえず子育て関係の話だとはわかった。

ちなみに龍之介は独身である。


「ところであかね、その子の名前は?」


「あっ!!え~っと……坂上龍之よ!」


「助がたり…」

その時あかねは龍之介の口をふさいだ。

(そういう名前にしときなさい、どうなっても知らないわよ?)


(うう…しかたない、今日から龍之という名前にしといてやる)


「そう、龍之ちゃんね、宜しく。私は愛原美香子。まあお母さんでいわわよ」


「ええっと…宜しくお願いします」


「礼儀正しいのね、あかねとはまるで違うわ」


「ちょっとお母さん!」

これから猛虎龍之介にとってどんでもな生活が始まろうとしていた。



御意見、御感想などお待ちしています。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ