帰ってきたかぐや姫
ふと、思い付いた話です。
処女作なので、拙い文章ですが楽しんでもらえたら幸いです。<(_ _*)>
今は昔、竹採りの翁に拾われたおなごがいたのは有名な話。
その話では、最後におなごは月に帰ってしまう。
では帰ったあと、そのおなごはどうしたのだろう。
月に帰ってきた私はある問題を抱えている。
それは、「バキャッ!!」そう地球の重力下で成長したために力加減が出来ないのだ。
軽く飛ぶだけで頭を強かに打ち付け、ものを握るだけで潰してしまう。
まともに暮らすことすら出来ないのだ。
今も軽く握っただけなのに、筆が全粒粉になった。
もちろん私も最初はこの怪力を何とか生かせないものか?と考えたが、力仕事は男の役目だし、頼み込んでやってみた物の逆に力がありすぎたために運ぶ荷物を壊してしまう。
「姫、書き物は終わりま・・・・はぁ、またですか。これで本日三十五本目ですよ。」
やって来た侍従が、文句を言いつつ全粒粉になった筆を、片付けていく。
「仕方ないじゃない。月の重力が、地球の1/6しかないのが悪いのよ!!」
ドゴッ!!
勢いよく手をついたら、机がまっぷたつになった。
「またやっちゃった・・・。」
侍従が、遠くを見つつ片付けていく。
「そういえば、なにか用があったんじゃないの?」
基本的に、私は部屋の中から出ないよう言われているし、怖がられているため訪問者が来るのは大抵連絡があるときだけである。
「ああ!そうでした。近頃、穢れがよく発生するので注意せよと月詠様からのお達しです。」
穢れとは、陰の気が集まって生まれる化け物だ。
陽の気を持つ者を襲う。
月にすむものは、陽の気を多く持つためよく襲われる。
もちろん月の住民も抵抗するけど穢れは力が強く、また神出鬼没なので、殲滅が、難しいのが現状だ。
「わかったわ。とはいえ私に何が出来るわけではないけど気をつけておくわね。」
侍従は、それだけ言うと部屋を出ていった。
「はぁ・・・何しようかしら。」
そういって、私が畳に寝転んだその時。
ガタン!
外で物音がした。
「ちょっと、うるさいわよ。」
私は、侍従だと思い勢いよく引き戸を開ける。
しかし、そこにいたのは侍従ではなく、体長十尺(約3メートル)はあろうかという大きさの蟻の姿をした化け物だった。
そしてそれは一匹ではなく、ぞろぞろと大群でこちらに向かっているではないか。
「きゃーーー!!?」
私は、思わず悲鳴をあげ、引き戸を閉めた。
けど、
「ドガッ」という音と共に戸板に衝撃がはしる。
戸板はミシミシ音を立てて今にも破られそうだ。
私は、部屋の隅でギュッと身を抱えた。
しかし、穢れがそんなことで退散するはずもなくゴガッという音と共に部屋に入り込んでくる。
そして私に向けて大きさな腮を開き噛みつこうとする
噛みつこうと・・・噛みつ・・・けていない。
厳密には、噛みついているが私のからすれば、軽く挟まれている程度だ。
「ふぇ??もしかして」
私は、穢れの頭を、力いっぱいに殴ってみる。
「くたばりさらせーーーっ!!」
すると、私の拳に布団を殴ったかのような衝撃と共に、穢れはひき肉に進化?した。
「もしかして、私って強い?」
そんなことを考えていると、新たな穢れが襲いかかってきた。
「往生せいやー!!」
威勢のいい掛け声と共に放った拳は、穢れを捉えそしてひき肉よりひどい状態へと変えた。
そのあとのことは、覚えていない。
ただ気がつくと辺り一面に穢れだったものが転がっていた。
かくして、私は伝説の穢れを払うものとなった。
めでたし めでた「ゴキャッ!」し?
かぐや姫のスペック
地球換算
握力168キロ
ハンドボール投げ177.24メートル
立ち幅跳び10メートル
パンチ力330キロ
尚、この数字は、女性の平均を六倍したものです。