3 藤子不二雄先生のアニメ化された作品について考える
今回は前の2回に増して、マニアックです。
興味がない方はブラウザバックしてください。
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今回の執筆にあたり、「キテレツ大百科」ネタでインスピレーションをくれた砂砂のお二人にはこの場をお借りして、お礼申し上げます。
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みなさん、ご承知のとおり、藤子不二雄先生はお二人で、F先生とA先生がいらっしゃいますが、今回はあまりどちらの先生の作品かということにこだわらないで、書いていきたいと思います。
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さて、個人の趣好はとりあえず置いといて、藤子先生の最も著名なアニメ化作品と言えば、「ドラえもん」でありましょう。
テレビ朝日でアニメ化されて40年くらいでしょうか。今に至るまでテレビ朝日のキラーコンテンツですよね。テレビ朝日の募金は「ドラえもん募金」というくらいで(フジテレビは「サザエさん募金」)。
「ドラえもん」のアニメ化は実はテレビ朝日以外もそれより前に行っていて、「失敗」とされています。
何故、テレビ朝日は成功したか? 関東だけですけど、夕方6時50分から毎日放映という手法が成功したとも言われますが、この時間枠で「失敗」した作品もあります。私は声優に大山のぶ代氏を起用したのも大きいかなと思っています(以前のアニメ化だと男性声優だったんですよね)。
ともかく、この「大成功」にテレビ朝日は藤子不二雄先生の作品をたくさんアニメ化します。
「怪物くん」「忍者ハットリくん」「パーマン」「オバケのQ太郎」「チンプイ」「21エモン」「ウメ星デンカ」……さすがに「プロゴルファー猿」をアニメ化した時は驚きました。
余談ですが、IT系会社に勤務している知人は会社の自分の椅子にサルのぬいぐるみを置いて、「プログラマー猿」と呼んだとか。
未だにSFおっさんである眼鏡をかけた猫のおっさんは、昔から、ちと変わったところがあり、「チンプイ」「21エモン」「ウメ星デンカ」といったマイナー系の作品が好きでした。
いや、マイナー系というよりSF色がより強い、F先生も相当のSFマニアだったそうで、そういう作品が好きだったのです。
「チンプイ」。良かったなあ。主人公の女の子が真っ直ぐで優しくて、それを異星の王子から主人公を妃として迎えたいという指令を受けて来た、可愛らしいチンプイが迷いながらも見守る。F先生が亡くなられたから未完なんですよね。どういうラストにするつもりだったか、未だに気になっているのです。
「21エモン」。これぞ本格SF。少年サンデー連載だったにもかかわらず「スウィングバイ」なんてワードが出てくるんですよ。SF少年にはたまらんかったです。
リアルタイムで読んでいないのですが、この頃の少年サンデーって、後年の「タッチ」や「うる星やつら」の頃と違って、「男組」とかが人気あった時期の筈、よくこんな眼鏡をかけた猫のおっさんが喜びような作品を連載できたと感心してます。
「ウメ星デンカ」は前の二つと違い、SFでも日常色の強い作品。好きだったけど悲しいほど人気が出なかった。F先生も思い入れあった作品と聞くんですが……
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それで、「キテレツ大百科」! アニメ番組が放映開始になる前に、随分と活発な前宣伝があった記憶があります。
その時、眼鏡をかけた猫のおっさんが思ったこと…… おおっ、とうとう「キテレツ大百科」もアニメ化か、今回はまた随分と張り切ってるな「テレビ朝日」。
そう、放映局は「テレビ朝日」だと決めてかかってたんですね。
ブッブー(誤答音)。正解はフジテレビです。
フジテレビも藤子不二雄先生のコンテンツが欲しかったんでしょうか。テレビ朝日が羨ましかったんでしょうか。
ともかくも藤子先生の数ある作品群の中にあって、掲載誌がマイナーだった「キテレツ大百科」は華々しくフジテレビでアニメ化されたのです。
結果は「大成功」とは言えなくても「成功」だと思っています。「ドラえもん」には及ばなくても、それに次ぐくらいには。
ただ、これは「フジテレビ」だったから……と私は考えています。放映局が「テレビ朝日」だったら、微妙な結果だったのではないかと……
理由としては登場人物の配置が「ドラえもん」の相似形なんですよね。同じ局だったら食い合いになった可能性が見える。
つまり……
ドラえもん=コロ助 のび太くん=キテレツくん スネオ=トンガリ ジャイアン=ブタゴリラ しずかちゃん=みよちゃん
藤子先生(F先生ばかりでなく、A先生でも)の作品では同じような人物配置は多々見られるのですが、これは特に近いかなって気がしてます。
そして、最後! ガキ大将的ポジションは「ドラえもん」ではジャイアン。「キテレツ大百科」ではブタゴリラなのですが、ブタゴリラこと熊田薫くんは偉い。
え? 何故って? ガキ大将的ポジションなのに「ブタゴリラ」とか言われて怒らないんですよ。
それになにより彼は……「野菜」を愛している……