2 馬鹿舌について考える
芸能人が価格が高い食材と安い食材を食べたり、飲んだりして、どちらが高いか当てさせる番組、相変わらず人気のようですね。
我が家も見てるし、それがどうこう言うつもりはないのです。
ただ、あれを眼鏡をかけた猫のおっさんがやったら、高いのも、安いのも、その種類から外れたものでも「美味しい」「美味しい」と言って食べてしまうことでしょう。
ベースとしてあるのは、「糖尿病体質」とも言われましたが、食べ物の好き嫌いが少ない、甘いものと酒の両方が好きなどが、特徴だそうです。
眼鏡をかけた猫のおっさんの配偶者は「栄養士」の資格をお持ちです。栄養学的にも「食べ物の好き嫌いが少ない」のは明らかに良いことではあるが、眼鏡をかけた猫のおっさんは自作だろうが外食だろうが何でも旨いと言って食べる。自信作も多少の失敗作も……内心じくじたる思いもあるようです。
さて、テレビなどを見ていると、眼鏡をかけた猫のおっさんの対極に位置するのは日本プロ野球界最高のレジェンドの長子N嶋K茂さんではないかという気がしています。
お父上のいいものを知る舌を鍛えなければならないという教育方針の下、舌は肥え、質のよくないものは食べられないそうですね。
これを偉そうにというのも、ちと違う気がします。
実は眼鏡をかけた猫のおっさんは一つだけ舌が肥えている食材があります。
「鰻」です。
川魚の産地で育ったもんで、お祝い事はいつも「鰻」でした。
「鰻」だけは専門店の出すいいものだけを食べてたもので、スーパーとか売っている格安なものはちと受け付けない。
だから、N嶋K茂さんの言ってることも分からない訳ではないのです。
大概のものを美味しく食べる眼鏡をかけた猫のおっさんと質の良いものだけを選んで食べるN嶋K茂さん。
どちらが幸せかは分かりませんが、痛んだものを見分ける舌だけは持っていないと……ですね。