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13 一本道と高校生カップルについて考える
出張がない日の昼休みは歩くようにしているんですよ。
メタボ指導受けている身なもので。
歩くのは長さで言うと日本で五本の指に入るという川のほとりで
畑のあぜ道みたいなところを歩くのです。
普段は完全な穴場で人はおろか猫もいないようなところです。
しかし! その日は先客がいた!
しかも高校生のカップル! ワーオ!
多分定期試験の最終日なもんで二人きりになれるところ……に来たんですよね。
青春を楽しみながら、ゆっくり歩いているのでしょう。
そこに背後から迫る影! 眼鏡をかけたオス猫!
すまん、君たちの邪魔はしたくないんだ。でもここは一本道!
せめて君たちの視界に入らんように距離を取りたいところではある。
しかし私は13時までに職場に帰らんといかんのよ。
チラチラ後ろを見て私を気にする彼女。
不機嫌そうな彼氏。
すまん、ここはせめて一気にぶっこ抜いて、君たちの視界から消えてあげよう。
ふー、疲れた。大人は走ると疲れるのだよ。高校生。




