11 2024年大河ドラマについて考える
2024年の大河ドラマは紫式部になったそうですね。かつては戦の描写がないと視聴率が取れないと言われてましたが、昨年の「青天を衝け」も後半は戦の描写なかったですし、流れは変わったかなという気もします。
主演は吉高由里子さん。今のところ紫式部役の彼女しか発表になっていませんが、ネット界隈では「誰が藤原道長役をやるのだ?」で盛り上がっていますね。他の歴史番組でも「実は紫式部と藤原道長が恋愛関係だったらしい」というテーマが取り上げられたりしてます。脚本の大石静氏もその辺描写するのではと言われてますね。
それと比べると「ライバル」とされる清少納言役のキャストの予想は盛り上がってない感じ。やっぱみなさん「恋愛」の方が好きなのでしょうか。恋愛好きはなろうだけじゃないのね(おいっ!)
全然関係ないけど私は東京の国立博物館で道長さんの「直筆原稿(?)」を見たことがあります。ふっふっふっ、望月が欠けることがないと豪語した最高権力者も千年後に「ザ・庶民」の眼鏡をかけたオス猫に「直筆原稿(?)」を見られるとは思わんかったでしょうw
さて、話変わって私は紫式部の主君藤原彰子(藤原道長の娘にして、一条天皇の中宮)について調べたことがあります。
それで自分の娘の名前の候補に「彰子」もリストアップしたのですよ。まあ、家人が別の名前を選んだんですが。
そういう経緯もあって拙作「山脈から吹き下ろす風は冷たいけれど、あたしの恋は前途洋々なのだ」のヒロインに北関彰子と命名したのです。
よろしかったら未読の方はご一読を。現実世界恋愛です(ステマ)。
https://ncode.syosetu.com/n8483gx/
いえね、平安時代を舞台にした作品も書こうとしたんですよ。しかし、難しかった。いっそ、平安内裏学園を舞台にプリンス一条君(実際は天皇だからエンペラーだけど、学園ものだからプリンスで)の彼女の座を狙う二人の少女。
一人は皇后定子(取り巻き 清少納言)。もう一人は中宮彰子(取り巻き 紫式部 和泉式部 赤染衛門 出羽弁 伊勢大輔)。で、学園ドタバタコメディーにしょうかとも思ったのですよ。
しかし、これはこれで彰子サイドがチート過ぎるだろで頓挫。
そうこうしているうちに冲方丁氏が「月と日の后」という藤原彰子が主人公の作品を出版されたので読みました。
父道長との確執、慕う一条天皇の心が死んでしまった皇后定子にあり続けることへの苦しみなどもありますが、私的に白眉なのは紫式部を自らのサロンに引っ張り出すところです。
いろいろ解釈の違いがあるところですが、冲方丁氏は紫式部を引っ込み思案で気弱な女性として描いています。私も概ねそう感じています。
溢れんばかりの才能を持つにも関わらず、何かと理由をつけて出仕を拒む紫式部をなだめ、すかし、時には軽く脅し、自らのサロンに引っ張り出す彰子。
そして、紫式部がついに宮中サロンで持っている豊かな知識を語り始めた時、他の女官たちは驚愕してそれに聞き入ります。
その陰でしてやったりの彰子。才能を持つ者を埋もれさせてしまうことなく、自信を持たせて、存分にその能力を発揮させる。私にはとても魅力的に映りました。
話がどんどんずれましたが、再来年の大河、期待するといたしましょう。
(追記)
紫式部の本名は「藤原香子」ではという説が現在主流ですが、脚本の大石静氏は「まひろ」さんにするそうですね。
恋愛描写に優れた女流作家の名前が「まひろ」さん。うん。分かってらっしゃいます。