1 行きつけの書店が急に閉店になったことについて考える
間違いなく薬にはなりませんが、まあ、多分、毒にもならないかと……
眼鏡をかけた猫のおっさんは、ほぼ毎日、片道1時間15分から30分かけて、自動車通勤しているのです。
コロナウイルス対策での自粛要請が解除になってから、明らかに渋滞がひどくなり、1時間30分が定番になってきています。
そんな眼鏡をかけた猫のおっさんの昼休みの日課は徒歩15分くらいのところにあるチェーン店の本屋さんに行くことでありました。
そこで本を買うのは2回に1回くらい。
でもお得意様の範囲に入ってたんじゃないでしょうか?
その本屋さんがですね。
奥様、聞きました? 閉店ですってよ。
がーん。
今の勤務先は人口4万くらいの小さな市ですからねえ。勤務先の周りにあるのはコンビニ1つ、スーパー1つ、洋品店1つ、あと本屋さんが1件。
その本屋さんが閉店。
やれやれ、リアル書店の縮小って、本当ですねえ。後はかなり離れたところに別の本屋さんが1軒あるけど、車じゃないと行けないし、昼休み中に行って帰って来るなんて絶対無理。
時代の流れで、紙の本が売れなくなってきているのでしょうか? 今後は電子書籍へのシフト、販売はアマゾンとかでということにもなってくるのでしょうか?
だけど、眼鏡をかけた猫のおっさんはベースとなるシステム設計が「アニャログ」なので、ゆっくりと本屋さんの店内を歩き回り、中をながめてから買っていくのが好きなのでした。
そういうのがなくなっていくのは寂しいなあなどと思っていたら、ふと思い出したことが……
それは、「ゲーム」! パソコンゲームにコンシューマーゲーム!
眼鏡をかけた猫のおっさんが眼鏡をかけた猫のおにいさんだった頃、たまに秋葉原に出かけて行って、ゲームを見て回り、買って帰るのが、休日の一つの楽しみ方でした。
当時の秋葉原はまだAKBや萌えの街というより、パソコンとゲームの街の色彩が強かったのです。
箱に入ったゲームの表と裏を入念に見て、予算と相談して、買っていく。それは楽しい作業だったのです。
それが今はゲームはダウンロード以外では買ってませんからねえ。
本もいずれその道をたどるのでしょうか。本とゲームでは恐らく土台となる人口が違うでしょうから、そうそう同じようにはならないでしょうが、大きな流れはそうなんでしょうかね。
そうなったら、今の眼鏡をかけた猫のおっさんがゲームをダウンロードで買った日の夜、昔、秋葉原で箱入りのゲームを買った夢を見たように、電子書籍で買った日の夜、リアル書店で立ち読みを楽しんでから、一冊の本をレジで買っていく夢を見るようになるのかなあ。
すみません。閉店の知らせが急だったもので、少し感傷的になっているかもしれません。