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スロゥな第三話

群がる人ごみを押しのけて、喧騒の中心部に辿り着くと女性の腕を男の1人が掴んでいる。

「離せよ!」「ふぇっへっへっへ。マジ元気いーじゃん」「騒ぐんじゃねーよ!」

 拒絶の声と下卑た声。早く助けなくては。

「何してるんですかぁ!」

 ガブリエルが男達に向かって叫んだ。

「あぁん?」振り返る男。その瞬間。

「死ねやオルァ!!」

 奇声と共にミカエルが踊りかかった。手には鉄パイプを持っていた。

 なっなんだてめ……。何か言いかけた男の顔が鈍い音を立ててひしゃげた。

 きゃああああ!!! おっおい、何しやが……死んでるぅ!

 男の仲間とギャラリー達から悲鳴が上がる。

街の喧騒は混乱となった。

「何してるんですかぁ!」

 ガブリエルが堕天使に向かって叫んだ。

「え?助けてあげなきゃでしょ?」

 何を言っている?と言わんばかりに彼女は言った。

「いや、助けなきゃなんだけど…… あぁ!大丈夫です!落ち着いて下さい!」

 何がだコラァ! 人殺し! 混乱した人間達を宥めつつ、ミカエルに突っ込みを入れるガブリエル。

「アンタが落ち着きなさいよ。ヘイ彼女?」ミカエルが助けた彼女に向き直り、言った。

「ひぃっ!」

「とりあえずこっから逃げるわよ」

「え?逃げ……え? きゃあ!」

 言うや否やミカエルは彼女の手を取りそのまま脱兎のように駆け出した。

「え?ちょっ、みーちゃん!?」ギャラリーと当事者達を必死に宥め続けていたガブリエルが「待ってよぉ!」と絶叫した頃には二人の姿はとっくに見えなくなっていた。

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