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細かく第2話

「現ナマも寄越さないで放り出すとか……どうなってんのよ」

「……」

 天界を追放された二人の天使は人間界の日本と言う国にいた。

 当初の予定ではミカエルが日本が暮らし安くて便利だからそこがいいと言い出し、当然聞き入れられるはずもなく、どこかよく解らない島にでも放り出そうとしていたのだが、ガブリエルの泣きながらの陳情が功を成し、なんとか日本行きと言う不幸中の幸いを獲得することが出来たのだった。

「あーもう!うっとうしいなぁ。切り替えなさい!」

 ガブリエルを叱咤するミカエル。ガブリエルは未だベソをかいていた。

「だって……うぅ……」

 友人に謀られて住処を追われ、その友人を頼らなくては恐らくこの先生きてはいけないと言うジレンマと、うかつにこの堕天使をほいほい信用した自分の迂闊さ加減が彼女を打ちのめしていた。

 信用と言えば。

 神も神でちょっと融通が利かないとも思う。賭け事で得たリンゴを食べたから共犯など、言いがかりではないのか?

 ガブリエルは何度も何度も知らないと言い続けた。件のリンゴだと知っていたら食べなかったと何度も神に訴え続けた。

 その時も泣いていた。

「まぁ、とりあえずは金がいるわね」

「へ?」思考に入り込んでいたガブリエルが我に帰る。

「だから金。人間ってのは金と物を交換して生きてんのよ」

「ふぅん?」ガブリエルは言った。他に返事のしようがない。

「物を手に入れるにはまず金。逆に言えば金を手に入れるには物を用意すればいいわけよ」

「もの?」オウムのように聞き返すガブリエル。

 堕天使の人間界講座は続く。真偽不明の、と言う枕言葉がつくのだがガブリエルにそれを確かめる術はない。

「さらに言えば物と言うのは必ずしも物質そのもの指すわけではないわ。むしろそうじゃないケースの方が多いかもね。」

「物だけど物じゃ……ない……?」

「ヒント。概念みたいな?」人差し指を立てながらミカエルは言う。

「羽?」

「馬鹿が。正解は自分自身よ!自分の身体と時間を他の人の助けに使う見返りに、金を頂くってーのがこの世の習わしよ!」中指を立てながらミカエルは言う。

「んー……お手伝いをすればいいの?」

「まぁ、簡単に言えば……」ミカエルが言いかけた言葉を止めて、ガブリエルの向こうの景色に視線を送った。

「どしたの?」ガブリエルが振り向いた直後、

 喧騒が鳴り響いた。

 喧騒の中心にいるのは4人の男と1人の女性。男が女性を囲んでなにやら喚いている。

「たっ助けなきゃ!」

「金の匂い!」

二人は喧騒に向かって駆け出した。




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