-1日目
「敵を発見した。西方300m、狙撃兵1人のみだ。」
「了解。」
四畳半の家の中に大きなPCモニターとゲーミングマウス、キーボードがある。後ろにはカップラーメンの滝。そんな中、モニターと格闘している長髪の男性がいた。彼の名は芸無 死菅 。 不登校の高校三年生。
両親の前では学校内での軽いいじめ、また成績低下により学校に行くモチベーションの低下を言い訳にしているが、実際は大好きだった幼馴染から振られたことだった。今でもたまにそのときを思い出す。
前日、いや一年前から考えてきた告白の方法。
1番近くにいたのに、1番遠い存在だった幼馴染。
毎日振られるのではないかという不安の中でさまざまな言い訳を自分にし、告白を断念していたが、もう来年からはいよいよ受験シーズンになると思い告白しようと思った。
放課後の教室。自分以外に誰もいない部屋。
そこに幼馴染がやってくる。午前中に「用事があるから放課後教室に来てくれ」と声をかけた。
徐々にその時がやってくる、、、。
俺はついに告白した。
瞬時に返答は返ってきた。
「死ね。お前キモいんだよ。両親の付き合いで仲良くしてたけど、もう限界だわ。」
俺はその日から不登校になった。
暇になった俺はゲームというゲームをやりまくった。
最初にしたのはテンプレートなMMORPG。重課金もたくさんいる中、無課金で世界1を取った。そこでもうRPGは飽きた。
次に手につけたのは、FPS・TPSゲー。
RPGとはプレイヤー数が段違いで苦戦はしたものの、一ヶ月で世界一を取った。
その手のゲームにはまり、20個の同種ゲーでチャンピオンを取った。ネットでは「ゲーム界のゼウス」とまで言われた。プロゲーマーの誘いもたくさんきたが、彼は金には興味はなかった。彼はただたくさんのゲームで世界一を取ることが目的だった。
そして、今やっているのは「洞爺騒動」というゲームで、一年近くやっても一位を取れず、悪戦苦闘している。
「ふぅー。32連勝‼︎。お疲れー。ちょっとトイレ行ってくるわ。」
彼はまだ知らなかった、様々なゲームで一位を取った彼が、階段が転んだだけで死ぬなんて、、、。