進化した人類
ある日、世界中に地震が起こった。
大陸プレートや人為的な物では無く専門家も原因が全く分からなかった。
また世界中で同時に起こった事により、多くの人々はついに終末の日が来たのか…と絶望していた。
だがその絶望もすぐに無くなった。
地震も余震も3日ほどで収まり、人々はシェルターや避難所から続々と出て来て復興や元の生活に戻り始めた。
そして、一月ほど経った所だろうか。人類に変化が訪れ始める。まず最初に変化が起こったのは、各国の富裕層や権力者だった。彼らは元々の身体機能が上昇し、ファンタジー世界でしか実現不可能と思われていた魔法を使えるようになっていた。
力を得た彼らの行動は様々だった。
力を使い、復興を助ける者、独裁者になる者、教祖となる者様々だった。
彼らは総称して進化した人類と呼ばれるようになった。
ーその頃の日本ー
元々地震大国で国民全員が地震にそれなりの免疫があり能力者も協力的で復興も早かったため、早期に建て直しを行うことができ国民全員が普通の生活に戻るまでにそう時間は掛からなかった。
そして、日本国内でもちらほらハイヒューマンが出てきた。
変化した者達曰く
「寝ている時に夢の中で暖かい水中に居て、起きたらこうなっていた」と。
その後しばらくして世界中の専門家の研究により、十分な食事と休憩を取る事によりハイヒューマンになる事が実証され、各地で栄養ドリンクやサプリ、食品、寝具が飛ぶように売れた。
世界中で多くの人類がハイヒューマンになり、復興は加速度的に進んだ。そして地上の復興もあらかた済んだあと手付かずの地下の復興を行なっている最中に、人類は地震の原因を見つけた。
ー地下鉄ー
自衛隊員は瓦礫を撤去しながら地下鉄の線路を歩いていた。薄暗い地下を重機とトラック、自衛隊員が進んでいく。そろそろ昼食の時間なので一旦引き返そうという所でトンネルの壁が崩落していた。
自衛隊員は崩落箇所を用紙に記載し、壁に近づいた。すると壁の向こうから紫色の光が瓦礫の隙間から漏れ出ているではないか。
自衛隊員はハッとした顔ですぐさま
「誰かいますかーっ!!」と大声で叫んだ。
返事はない。何事かとち駆け寄ってきた自衛隊員も事態を飲み込むや近くの医療班と本部に連絡を行った。
凄まじい連携で瓦礫を撤去した後に目の前にある物を見て自衛隊員は呟いた。
「今日の昼飯はいつ食えるんだろうな…」
そこには怪しげな光を放ち、静かに佇む門とその先へ続く階段があった。