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日常天気予報  作者: 麻代 実
5/8

三日月

私たちは電車に乗り込み少し都会に出た。この駅の近くに瀬戸さんと竹内の行きつけのお店があるらしい。まだ、何のお店なのかは教えてもらっていない。道中は、遠くに行く時に新幹線に乗るのか飛行機に乗るのかという話で盛り上がった。

「なぁなぁ、突然なんだけど遠くに行く時新幹線と飛行機どっちに乗る?」

竹内の突然のこの発言に、3人ともすぐに反応することが出来なかった。さっきまでみんな無言で各々スマホを触っていたからだ。

「私は、新幹線かな。なんか、飛行機って離陸するまで長いし耳がキーンってなるから苦手だわ」

美涼は、こう言っているが何より高所恐怖症だからっていうのが大きな要因ではないのだろうか。そうして、2人はこの話題で大いに盛り上がっていた。瀬戸さんと私は、その2人の話に入ることが出来ずに、周りから温かく見守っていた。

「見守ってないで、2人はどっち派?!」

話してないことがバレた。

「そうだね、私は飛行機かな。早くに予約しておけば安いし、朝早かったり晩遅かったらもっと安くできるしね。」

「僕は、遠くに行く時は大抵海外だから飛行機かな。今思えば、新幹線は乗った覚えがないな。」

すごすぎる。海外…。瀬戸さんは、英語、中国語、スペイン語の3ヶ国語を話せるため海外に行って困ることが滅多にない。瀬戸さんの発言に、驚きを隠せないままお店に着いた。ビルの細い階段を降りてすぐにある〝How’s the weather?〟と書いた看板が扉にかかっていた。なぜ天気を聞いてきたのだろう。

「ハウイズザウェザー?なぜに、天気を聞いてくるの。」

ジャパニーズイングリッシュで、美涼が発音した。

「ここのお店の名前だよ。マスターが元々天気予報士になりたくってそこから由来しているんだって言ってたよ。」

カランカランと音を立てて扉が開いた。オシャレなところなんだろうと勝手に思っていたら、小さな小料理屋だった。カウンターは4席、4人がけぐらいの掘りごたつ席が2つある。

「あら、またお2人さん来てくれたの。今日は、ガールズも連れてきたのね!4人さんいらっしゃい」

この声に聞き覚えが私にはあった。今年1番の衝撃かもしれない。


空には美しい月が出ていた。この静かな夜に何が起こるのだろうか。


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