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平凡な女の一生  作者: 真子
平凡な子供
1/2

千恵子 子供時代Part1

時は、昭和9年 千恵子は玩具職人虎之助とその妻の

秋の六女として生まれた。

父、虎之助は、刑務所の受刑者が作ったおもちゃを卸して販売する仕事をしていた。

母、千恵子はお嬢様育ちの苦労知らずで我儘な性格の女であった。

お金に困っていても、生活費を切り詰める事など

さらさらない。

例えば、子供に毎日同じ洋服を着せていても

自分だけ新しい着物を誂えたりする。

虎之助と秋は、一人の息子と七人の娘に恵まれた。


当時の日本は、軍国主義だったので

男の子を産む事を推奨されていた。


七人も八人も子供がいれば、当然 依怙贔屓があった。

特に、秋は社交的で派手な性格の娘を好む傾向が強かった。

なので、平凡で大人しく目立たない千恵子は、母から理不尽な扱いを受ける事が多かった。


七人姉妹の一番上の姉は、容姿端麗で優しい性格の娘であったが、子供の頃 原因不明の病気で突然死してしまう。

次女の康子は、明朗快活でよく喋る。

長女 次女は、千恵子と末娘の雪子達とは

親子程 歳が離れている。

三女の直子は、気が強く男勝りな性格をしている。

勉強は、大嫌いだった。

四女の和子は、姉妹の中で最も学業成績が優れていた。

五女の茂美は、体格がガッチリしていて

活発な娘だった。

虎之助と秋は、五女を授かった後

やっと長男 龍之介を授かる事ができた。


六女として生まれてきた千恵子は、姉妹の中で

最も身長が低く、容姿も平凡で性格も大人しく目立たない。

しかしながら、彼女は内に秘めた情熱を持つ女性であった。

シャロット ブロンテの小説の主人公のジェイン エアのような女性であった。

千恵子は、音楽的才能があり透き通った美しいソプラノの声で歌を奏でる事ができた。

その才能を見抜いた教師が、千恵子に

小学校のコーラスコンクールで、ソプラノのソロパートを歌わせた。

懇談会の日に、「音楽の才能があるので、オルガンを買ってあげたらどうでしょうか?」と提案してくれたが、子沢山の家庭ではオルガンを買う余裕などない。


千恵子の唯一の楽しみは、大学ノートに自分の好きな詩を書き写す事であった。






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