表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ビヨンド  作者: ネメシス
一章 生命探求
7/13

七話 作戦会議

「繋がったかな……ジャック成功だ」

モニターに映っていたのは、紛れもなく血煙遼太その人だ。

このPCをジャックしてきたということは、こいつが穂乃香を誘拐したことは間違いない。

「早速で悪いけど、あんたが血煙遼太?」

「そうだ。俺がそこの佐倉進太郎の幼馴染を攫った」

「……何が目的?」

「教えるわけがないだろう」

「今すぐ……穂乃香を返しやがれッ!」

机に手を叩き付け、モニター越しに血煙に叫ぶ。

「悪いが無理な相談だな。俺にも目的があるんでな」

「目的だと? 穂乃香使って何する気だ!」

「何回も言うが、教えるわけがないだろう。返して欲しければ力づくで来い」

ブッと、PCの電源が落ちる。

「……ざけんな!」

「待って……再起動するから……」

電源ボタンを再度奥寺先輩が押すと、モニターがメールの受信を知らせる。

「何……これ……」

カーソルを動かし、受信ボックスをクリック。

ファイル名には、決戦場所と記されている。

「これ……アジト……?」

「そうみたいだね。何をしたいのか分からないけど、そこに行くしかなさそうだよね」

…何をしてでも、穂乃香だけは……救ってみせる。

「待って。そこに突入するにも問題はあるでしょ?監視カメラとか、奴らの仲間の異能者とかその他諸々」

この人はさすが副委員長とも言うべきか、いつだって慎重に行動している。それでいて、しっかり穂乃香を救うことを考えてくれて……何を考えているんだろ俺。人は利用するかされるかなのに。

「そこは見たところ、三年程前に廃校になった場所みたいね。だとしたらまだ新しい建物のはずだから、倒壊は心配無さそうね。さて、奪還作戦に参加するメンバーだけど、佐倉君は確定、谷口も連れてくといいわ。若林は〜」

藤堂先輩は若林先輩の方を見つめる。

彼女は「行かせてくれ!」というキラキラした目をしていたが。

「無理ね。却下」

「ちょっとなんでっすか!?」

…なんとなく分かる。この人絶対すぐに調子乗る人だからだろう。

「そういえば、あと一人一年のメンバーを紹介するわね」

俺の他にもう一人一年の奴が…どんな奴なんだ?

「入って」

「あら。奇遇ね佐倉君」

「かっ…風切!?」


***

「二人そういえば同じクラスだったわね〜」

「…いいのかよ。お前、血煙とは仲良かったんだろ?」

「構わないわ。仕事に私情は挟まない主義なの。私」

どこぞの凄腕スパイか暗殺者かお前は…

風切は髪をオールバックから横に結びツインテールの状態にする。

「うん。やっぱり風切はそっちの方が似合ってると思うよ」

「ふぇっ!? ありがとうございましゅ! 全先輩…!」

こいつこんなに分かりやすかったんだな。もっとクールで少し近寄り難いイメージがあったのだが意外な一面が見れたな。

「……また……メール」

カタカタと奥寺先輩がキーボードを打ち込んでいく。

『忘れてたが、俺達は屋上で待ってる。どうだ?決戦場所には持ってこいだろ?』

「…嘗めやがってッ……」

「奥寺ちゃん! 落ち着いてっす!」

突然奥寺先輩が部屋の棚から大量の割り箸を取り出し、一膳ずつへし折り始める。

「なんですか…あれ」

「あぁ。奥寺なりのストレス解消法だよ」

毎度あれやってるとしたら怖すぎだがな……

「だとすると、アンタ達は最長距離を駆け上がることになるわね。そこまでに敵がいないとも言えない……風切ちゃん。『空間転移テレポート』で窓越しに飛ばす事は出来る?」

「一応。そういうのは私ではなく、妹の方が得意なのですが……」

「分かった。ありがとね」

「僕の能力見せた方がいいかな?」

「うん。そうねお願い」

こうして、全員の異能を活用した作戦会議は続く。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ