表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ビヨンド  作者: ネメシス
一章 生命探求
5/13

五話 誘拐

馬克マルクとの小競り合いのあと、俺は教師達から事情を聞かれ、校長室に強制連行された。

しかし、そこにいた風切と穂乃香の証言により、正当防衛ということでお咎めは無しになった。

「飯にいくぞ〜」

つい先程の馬克マルク戦からの疲れからか、全身に力があまり入らない。まず飯を食べて栄養補給だ。

「ご飯!? いこいこ!」


***

「ほんっとよく食うよな……お前」

「何ッ?何か文句あるの!?」

「いや……別にないけどさ………」

レストランのテーブルの上には、皿が五枚。

うち一つは俺が食べた品物。

ここに座るのは俺と穂乃香の二人だけ。

つまり残りの四枚はこいつのである。

「……なんで太んねぇの?」

「さぁ? 全部胸に栄養行ってんじゃないの?」

……こいつ自分で言ってて恥ずかしくないのか?悲しくならないのか?

こんな事を言ってるが穂乃香は大して胸が大きいわけではない。実際、軽く見た感じクラスの女子よりかは遥かに小さかったのだ。

「女と飯か?」

「お前か……赤髪」

そこに現れたのは、教室で俺を蹴り抜いたあの赤髪だ。

名前は……

血煙ちけむり遼太りょうただ…」

「そうそれ。お前は? 風切と飯食わないの? 彼女なのに」

「喧嘩を売ってんのかてめぇ……あの『稲妻&発火パイロキネシス』を吹っ飛ばしたからって調子乗ってんじゃねぇぞ?」

もう知れ渡ってんのかよ……

「風切は彼女じゃないのね了解。んで、何の用?」

「用があるのはお前じゃない。そこの女だ」

「えっ……私?」



***

「なんだったんだろうな…」


「うーん…とりあえず、シンタは寮に戻ってて?」

「あぁ。そうするよ」

ふと五分前の会話が頭をよぎる。

アイツを一人にしてよかったのか?

あんな奴と二人にしてよかったのか?

信用してよかったのか?

同時に迷いが脳を埋め尽くす。

「私は強いから大丈夫!」

……嫌な予感しかしない。

戻るか? でもあんなこと言われちゃあな……それはそれで駄目な気もする。なんか…そう

「私の事信頼してないの!?」とか言われそうな気がしてならない。

「甘い物でも買うか」

気を紛らわす為に、コンビニに寄り板チョコを何枚か買って寮に向かう。

ん?

人だかり。前には……なんだ? 黄色のテープ……立ち入り禁止?

なんだ野次馬か。それはいいが、寮への最短ルートはここだ。

回り込んで帰るとなると相当な時間がかかる。

「はぁ〜」

「佐倉進太郎君ね?」

突然後ろから声を掛けられ、バッっと勢いよく振り向く。

「女?」

そこに立っていたのは、学生服を着た茶髪ショートの女。背の高さからして、一年ではないことは容易に推測できた。

「あんた誰だよ」

「私は『黒薔薇部隊ブラックロータス』の一員 藤堂とうどう奈留なる。あなたを『黒薔薇部隊ブラックロータス』に招待しに来たの」

黒薔薇部隊ブラックロータス』……いわば外の世界で言う風紀委員的存在だ。あらゆる特区内の学生有志によって構成される一大組織だ。

「……断るよ。そういう面倒な仕事は嫌いなんだ」

「あなたの能力、実に興味深いわ。というか、これはあなた自身の為でもあるのよ?」

「どういうことだ?」

すると、奈留なる(先輩?)のスマホに着信が入る。

「はい。えぇ。えぇ。黒髪ロング?一年一組……了解すぐに向かうわ」

黒髪ロング、一組。

その二つに当てはまるのは…あいつしかいない。

「どうしたんすか?」



「誘拐よ。それも紫炎学園生徒間のね」

その発言から、ようやく完全に理解した。





穂乃香が誘拐された事を



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ