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ビヨンド  作者: ネメシス
序章 入学編
4/13

四話「対能力者の心得」

オリエンテーションを終える。

とは言っても、この特区内の施設とか寮の説明をされただけである。

ふと黒板上の時計を確認すると、十一時半を指していた。

「今日はこれで終わりか」

「ご飯でも食べに行こうか?」

机で頬杖をつきながら、隣の穂乃香と会話する。

「……」

「何? どうしたの?」

「重大な問題が発生した」

「ッ!?」



「トイレに行く」



***

トイレから戻ると、教室には大きな人だかりが出来ていた。

窓際の一番後ろ……の右横。

俺の隣の席。つまり、穂乃香の席だ。

人だかりを構成する人々は半数以上が男。

だけどどこか違和感がある。

「なぁなぁ。穂乃香ちゃんは外部出身なんだろ? 外はどんな場所なんだよ」

「別に……ここと大して変わらないわ」

俺と接している時とは態度が明らかに違う。

背伸びして覗き込むと、今すぐにでも死にたい。とか、その辺の表情が見て取れる。

「あら。進太郎君」

「おぉ。風切か……なんだよ」

「あれいいの?」

「あのなぁ。いいわけないだろ」

「でしょうね。あなたの大切な幼馴染なんだもの」

…なるほど。違和感の正体はこれか。

「あの赤髪はどうした?」

「あいつならとっくに帰ったわよ。それよりどうするのよ幼馴染。変な男にたぶらかされてるけど」

「分かってるよ」

ガン!

俺はそこにある机に手を叩きつけた。

男達の視線が俺の方に集中する。

そのままズカズカと人混みを掻き分けて、

「飯行くぞ」

「うん!」

穂乃香に笑顔が戻る。

彼女が準備していると、男の一人が俺を強引に振り向かせ、胸倉を掴んでくる。

「調子乗ってんのか? オメェ」

「別に。一緒に飯食うぐらいいいだろ普通」

「…そこの女もそうだろ。何俺の誘い断ってんだよ!」

金髪ピアスの青年は席を思い切り蹴り飛ばす。

こいつ女にはモテないタイプの奴だ。

「おいおいまずいよ」

「アイツ終わった」

周りからひそひそ話が聞こえる。こいつ相当できる能力者なのか?

「校庭に来い」




***

「彼の名前は遠山馬克マルク中学の頃から名の知れた不良よ」

「能力は?」

「それは知らない。あいつが喧嘩してるとこ見たことないし、興味もないから」

「だ、だよね…」

風切ちゃんみたいなクールビューティがそんなのに手を出したら危ないもんね。と心の中で呟く。

「いいか?」

「飯食うだけのためになんでここまでしないといけないんだよ。しゃーねぇな…」

「行くぞッ」

「焼き尽くせ! 『稲妻&発火パイロキネシス』」

「うおっ。すげぇ熱だな」

プラズマだろうか、火山などを描写、演出する際に使われる火山雷のようなものが渦巻いている。能力による小規模噴火。

「彼の発火能力パイロキネシスは通常のものとは違う。炎の能力であると同時に、雷の能力でもある。まぁ雷はおまけのようなものだけどね」

「…進太郎」


「ヒャッハーッ!」

「…使うぜ。俺の能力」

俺も同様に、能力を発動。

「…お前。俺と同じ発火能力パイロキネシスなのか? いや…だとすればその周りの雷は?」

「焼け」

「クソがッ!」

無数の炎の弾丸を俺の方に放出。

直撃と同時に爆発が起きるが、俺には関係ない。

「相殺……したか…」

能力とは、同系統、同出力の状態で複数が激突すると、それぞれが相殺しあう。

「消えろ」

「〜〜〜〜〜ッ!」

馬克マルクも、能力を展開していたが、俺の能力が容赦なく突き刺さる。

「二度と俺と穂乃香には関わらないでほしいものだ」

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