表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

髪の毛

作者: 気まぐれK太

 

 この前友人から興味深い話を聞いた。

 友人の話によると、どうも髪の毛は過去を記憶していることが最近の研究で判明したらしい。

 どういうことかは詳しく聞かなかったし、本当のことかどうかもわからない。

 ただ、それが本当だとしたらとても面白いと思った。


 何故なら、女性が彼氏にフラれた時に髪を切る行為の重要性を説明できるからだ。


 髪の毛が過去を記憶しているならば、元カレのことだって記憶している筈だ。

 楽しかった思い出も、辛かった思い出も全部。

 だけど、髪の毛を切ることは、その思い出を捨て去り未来へと進んで行くことに繋がるのではないかと思う。


 そして、その感覚を世の女性達はすでに知っていたのではないかと思う。

 勿論、元カレの好きだった髪型にしていたけどその必要がなくなり、元カレを思い出さないように髪型を変えたという理由も有るだろう。

 しかし僕は、それだけでは無く、人は本能的に髪の毛の持つ記憶を察知していたからなのではと思っている。


 ここで一つ、人が髪の毛の持つ記憶に気づいていたのではないかと思われる証拠を上げよう。

 それは、お坊さんの頭だ。

 彼らは仏の道に入ろうとする時に髪の毛を剃る。

 

 お坊さんイコール髪がない。

 これは、当たり前のことのように広く浸透している事だ。

 だが、不思議に思った事は無いだろうか?

 何で仏の道を志す者の大多数が揃いも揃って髪の毛を剃るのかと。

 もっと髪の毛がふさふさのお坊さんが居ても良いじゃないかと。


 実は、髪の毛の持つ記憶によって髪の毛を剃ることの合理性を証明することが出来る。


 もし髪の毛が過去を記憶しているならば、この行為は髪の毛の持つ過去を捨てることをあらわす。

 髪の毛の持つ過去、つまりは俗世のしがらみだ。

 俗世との関わりを切ることによって煩悩を捨てることが出来る。

 煩悩を捨てるのは仏の道を極める上でとても重要なことだ。

 よって、髪の毛を切ることは仏教の最終目的である輪廻からの解脱を目指す上でとても合理的だということだ。


 しかし、髪の毛が過去を記憶していることが分かったのは最近だ。(友人の話を信じるならばだが)

 昔から受け継がれてきた仏教のしきたりが、髪の毛の持つ記憶を知っていたから行われていたというのは無理がある。

 かといって、髪の毛の持つ記憶と俗世の関係の合理性は偶然というには余りにも出来すぎている気がするのは僕だけだろうか?


 だが、髪の毛の持つ記憶を人間が本能的に、感覚的に察知していたということならば、この偶然と言いきれない偶然を説明することが出来るのだ。


 さて、ここまで色々と書いてきたが髪の毛を人為的に切ることばかりを書いてきた。

 確かに人間は人為的に多くの髪の毛を失うことはあるが、髪の毛は自然に失われる事もある。

 そう、いわゆる抜け毛や薄毛であり、それが進行したハゲである。


 今まで僕はハゲを見下していた。

 しかし、髪の毛の持つ記憶について考えていくと、今までハゲを小バカにしていた自分をバカにしたい気分になった。

 何故その様な気分になったか。

 一言で言うならば、ハゲがすごいからだ。


 お坊さんの例で分かるように髪がなくなることは俗との離別を表している。

 すなわち、ハゲとは自然と俗世との繋がりを絶った天然物の聖人であるということではないだろうか。


 ハゲはこんなにも素晴らしい。

 こんなにも素晴らしいのに、この素晴らしさに気づく人は少ない。

 だから僕はハゲの素晴らしさをみんなに伝えるべきだと思う。


 もし、この文章を読んで共感してくれる人が居たならば、1人だけでもいい、身の回りの人にハゲの素晴らしさを教えてあげてほしい。

 一人一人の力は小さくともその力が合わさればおおきな力となる。

 その力は世界を変える。

 そして、世界中の人にハゲの素晴らしさが伝わると僕は信じているから。

  

 読んでくださりありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 初めまして。 昨年長く伸ばした髪をばっさりと切ったとたん、それまで気になってた数年前の出来事がどうでもよくなったので、髪には記憶が刻まれてるんじゃないかと感じてて検索したところ、こちらの作品…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ