表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

明けない夜

作者: yokomiti


 今私は、『夜』という世界に囚われている。




 私は自宅のベッドの上でいつもどおり目を覚ました。

 しかし、依然としてあたりは暗く。一見としてまだ深夜か? といった誤認をしてしまう。だがそれは違った。

 私はまだ寝起きのためぼやけた頭をかきながら窓へと歩いていきカーテンを開けた。

 そこには綺麗に円を作った満月が現れ、辺りは暗いままだった。

 意味の無いカーテンを開け顔だけを動かしデジタルの時計を見る。それは、7;35分と表示されていた。


「おはようございます」


 夜に閉じられた世界。それが私の住む世界、日常だった。




 何故この世界が夜に囚われたのかは分からない。

 気付いて上をみたらまん丸な満月がいたのだ。

 テレビを見てもこの現象が普通と思っている人しかいない。

 たまに、私が間違っているのではないかという錯覚に陥る事がある。けれど、今まで私は自分を失わずに住んでいた。

 私は支度をしていつもどおり仕事場へと向かっていた。

 途中人間の形をしたナニカがいたが無視してきた。



 

 仕事が終わると何やら周りが騒がしい。

 私が仕事をしていた間に何かが起こったようだ。私は仕事に集中しすぎていて何が起こったのか全然気付かなかった。

 私は比較的中が良いと思われるナニカに話しかけ。事情を聞いた。

 すると、どうやら仕事をしていてお昼ごろ外でなにやら空からすさまじい光が発せられたとのことだった。

 私はその時そのこの世界では可笑しな事実にはあまり興味を示さなかった。




 それから数日。私はいままでほとんど声を発した事ないテレビを久しぶりにつけてみた。

 すると、なにやら一人の男が逮捕されるという事件をやっていた。

 私はその男の顔を見て驚いた。

 私はその男が人間に見えた。

 私はその男の名前を覚え、いつもどおり仕事場へと向かった。




 実は私は案外お金を持っていたりする。

 収入はたいしたことは無いのだが、貯金がかなりある。

 それそれは、今朝やっていた男をあっという間に釈放させてしまうほどには……




 ということでその日は仕事を休みその男を釈放させてきた。

 その男は私の顔を見ると同じく驚いた顔をしたようだった。

 男は私の家に居候することとなった。




 後日。私はその男に何故逮捕されているのかを聞いた。

 すると、昨日まで普通の世界だったのに気がついたらこの夜に閉ざされた世界だったようだ。

 そのせいで暴れていると捕まえられたらしい。

 その程度で、逮捕されテレビに出るとは。運がよかったのか悪かったのか……。




「そういえば、お前は他のヤツラとは違ってちゃんとしてるな。何者なんだ?」




 私は、その話を聞いて一つの仮定をたてた。




「私? 私は随分前にここ。『夜の世界』に囚われた人間よ。あなたと同じにね」




 この世界は私のいた世界とは違う次元にあるということだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ