竹林の中で
掲載日:2026/09/10
静かな竹林を舞台に、失われた温もりと消えない孤独を澄んだ言葉で紡いだ現代詩です。言葉の端々に漂う哀切と、青く冷たい静寂の世界をお楽しみください
竹林の中で
緑の闇が、深く重く
私を世界から切り離す
笹の葉が擦れ合うかすかな音が
あなたの名前を呟いている
光さえも届かないこの場所で
指先で撫でる冷たい幹
「永遠に」と誓ったあの日の言葉は
風にさらわれて消えてしまった
足元に積もる枯れ葉の床に
私の小さな影だけが沈んでいく
どれほど泣いても、叫んでも
返ってくるのは寂しい竹の響きだけ
二度と戻らない温もりを抱きしめ
私は今日も、ひとり
青い静寂の底で
解けない孤独を紡ぎ続けている
竹林の奥へと足を進めるほど、風の音が遠のき、しんと静まり返っていく。
緑の隙間から零れるわずかな光も、足元の青い影に呑み込まれて消えた。
触れた幹の冷たさが、二度と会えないあなたの肌を思い出させる。
言葉は風に消え、残されたのは癒えることのない孤独だけ。
私は今日もこの静寂の中で、二度と戻らない温もりを求め続けている




