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電車内には向かないお話

会議室事件

作者: 奏似
掲載日:2026/03/08

3/10

「事件は会議室で起きてるんじゃない、現場d」


「会議室で事件が起きてるんだ、早く戻ってこい!」


「あ、はい……いや、こっちで事件起きてるんでちょっと……」


「そんなのいいから!」


「それ絶対あんたが言っちゃダメなやつ……」


「なんて?」


「げふん、いやなんでも」


「なんでもいいから早く戻れ!」


「ムリですって」


「ヤバいんだ!」


「ヤバい?何が」


「……世界の危機だ!」


「はぁ?」


「出頭してきたんだ!魔王が!」


「まおう」


「魔王だよ魔王!知ってるだろ!」


「いやまぁなんか色々いるらしいのは……でも出頭してきたなら捕まえればいいじゃないですか」


「何もだ」


「……は?」


「何もしてないんだ」


「何も?」


「何もだ!前科も罪状もゼロじゃ捕まえようがないだろうが!」


「何でキレてんだよ。いやほら、さすがになんかあるじゃないですか。世界征服未遂とか」


「そんな罪状聞いたことがない!」


「俺だって聞いたことねぇよ!じゃあ魔王って名乗ったぞ罪とか!」


「ふざけんな魔王名乗っただけで罪になったらコスプレ会場大変なことになるだろうが!」


「そんなに魔王コスプレの奴いねぇだろ!」


「いや、意外といるんだこれが」


「え、そうなの?」


「そうそう」


「いやなんでそんなん知ってんだよ」


「自主的パトロールでちょっと」


「なんで背広組がパトロールしてんだよ怖ぇよ」


「いやいや、意外とみんなお巡りさんコスだと思って気にしないんだこれが」


「お巡りさんコス……?待ってあんた制服持ってないだろどうしたんだよ制服」


「借りた」


「いや貸さねぇよ絶対。何したお前。強迫?」


「するか!何もしてないわ!」


「何もなくてどうやって借りたんだよありえねぇ」


「事後承諾」


「それはしろよ窃盗だよただの。盗られたやつ始末書じゃ済まねーからな?よく返せたなそれ」


「いや、そのうち返す予定……」


「事後承諾ですらねぇよ完全アウトだよそれ」


「落ち着け、今はそんな話してる場合じゃない」


「どんな場合でも最優先事項だからなそれ。絶対ウヤムヤにさせねぇから覚えとけよマジ!」


「はいはい」


「反省の色ゼロだよこいつ!」


「そんなことより手に負えないんだ。連れてる魔物たちのせいで誰も身動きが取れんのだ!」


「何もしてないどころかもう既に危険じゃねぇか、はやく取り押さえないと!」


「ちっちゃくてふわふわで可愛すぎるんだ!」


「……おおう。ちょっと行きたくなってきた」


「だろう?」


「だろう?じゃねーよ。猫カフェのキャッチかよ!」


「それに!」


「まだあんのかよもうお腹いっぱいだよ!」


「世界征服が目的じゃないんだ!」


「じゃあなんなんだよ!」


「世界平和だって!」


「良い奴じゃねーか!」


「その為に全ての国も村も滅ぼすって!」


「やっぱ悪い奴じゃねーか!しかも村単位まで丁寧に」


「でも角のタバコ屋のおばあちゃんだけは巻き込みたくないって!」


「誰だよ!じゃあそのばーさんに説得してもらえばいいじゃねーか」


「ムリだ!」


「なんでだよ封印でもされてるのかよそのばーさん」


「宮内庁案件なんだ!」


「縦割りかよ!てかそのタバコ屋どこの角に建ってんだよ!世界の危機だろ行政区分なんかどーでも」


「例外はダメ!絶対!」


「お役所か!お役所だったわ警察だもんな!でもなんでそのばーさんだけ特別扱いなんだよ」


「初恋の人、だそうだ」


「甘酸っぱ」


「いや本人だって」


「そのばーさん人間?」


「知るか!」


「調べろよ!でも、そんなん俺が行ったところでなんも出来ねぇだろ」


「いや、お前なら魔王を倒せる」


「え、まさか俺選ばれし勇者とか?」


「いや全然」


「だよねー」


「だが!聖剣で魔王を倒すことは出来る!」


「聖剣?そんなの一体どこに!」


「この会議室の隅っこだ!」


「隅っこ?……まさかあの!?倉庫から溢れた押収品だとみんな思ってたあの!?」


「そうだ!」


「そうだ!じゃねーよ、なんでお前そんな事知ってんだよ」


「魔王の供述」


「正直すぎだろ魔王」


「いやでもそうか、その聖剣が俺にしか使えないとかっていう」


「そんなことはない。誰でも使える親切設計」


「親切設計って形容詞の聖剣初耳すぎる。え、待って待って。じゃあお前やれよホント」


「馬鹿野郎!無辜の魔王にエリート官僚が斬りかかったなんて話が露見してみろ、警視庁も私も大ダメージだろうが!」


「お前の面子世界の危機越えかよ!それなら俺がやったって一緒じゃねーか!」


「いや、お前なら尻尾切り出来るし!」


「お前が悪だよ!もういいわありがとうございましたー」


「ところでさ」


「何だよ、とりあえずまず舞台はけてからにしろよ」


「いいからいいから。そんなことより、なぁ、お前お巡りさんの制服貸してくれる友達とかいない?」


「いねぇよ!ネタ終わってまで引きずるなよそんな話」


「いやほら、友達の友達とかでもいいからさ」


「しかもしつけぇし……あ」


「いるの?マジ?」


「すげぇ嬉しそうだけど違ぇよ。ほら、ここ出てすぐんとこに交番あったじゃん?そこのお巡りさんに聞いてみたらいいんじゃね?」


「お前……天才かよ!ありがとう早速行ってみるわじゃあな!」


……プルルルル

「あ、マネージャー?あのさ、ちょっと新しい相方探してもらえん?なんでって?大丈夫すぐ分かるから。え?どんな奴がいい?絶対シュールと天然以外で!」


明日は未来の超AIのお話です。

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