⑭ アースガルズの景色③ヘル
【前回のオレオー】
アングルボザの身を案じ解呪石を贈ったオーディンだったがそれは叶わなかった。怪異の者は海へと放たれた――――
――――アースガルズ。
ヘルがアースガルズへ到着すると、早速オーディンと面会することになった。面会を終えたヘルは別室へ案内され、ヘルの姿を見たオーディンは苦悩の表情を浮かべる。
「ロキによれば解呪石は飲んだというのに…これはどうしたことじゃ…」
オーディンはフェンリル騒ぎの際、彼を見るなりこれはルーンによる呪術だと看破した。そのため呪いを解除するルーンを刻み、磨き上げた赤碧玉を解呪石として送ったのだが。
「解呪石が効かぬほどの呪いか、はてまた呪いが掛け直されたのか…」
「オーディンよ。渋い顔をしておるな」
「ニョルズか。この件にはなにやらワシの魔術を超える使い手が絡んでおるようでのう」
「ふむ。して、あの娘はなんとする? 女子に手を掛けるとは神以前に男として風上に置けぬぞ。それにまだ子供ではないか」
「そうは言うがの。ヘルとやら、あのままでは腐した体が朽ち、さすれば結局は命を落とすことになる」
「なるほど。さあればニヴルヘイムへ送るというのはどうだ? あれは死者の地。死者同然の半身も、その形を維持できるのではないか?」
「なるほど、ニヴルヘイムか…」
間もなく、ヘルは死んだ者がそこへ行くという冥界、ニヴルヘイムへ送られた。同時にニヴルヘイムへ行った死者の管理権限が与えられ、やがてその地はヘルヘイムと呼ばれるようになる。
「私は今日からここにひとりで暮らすというのですか…」
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あとがきはこちらにまとめました。
→「なぜ?なに?オレオー!」(N7423LN)
各エピソードで使用したネタとその解釈なんかを書いています。
本編と併せて読むとより面白く!




