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神々「しゃーねえな、手を貸すか」

作者: まい

 世界規模でゾンビウィルスパニックが起き、それによって起きた世界規模の大きすぎる変化。


 そのパニックが落ち着いて来た頃に書かれた、変化を振り返る手記が発見された。


 これはその手記の一部を切り抜いたものである。



 …………って設定。

 20XX年。


 地球上の全生物の滅びが迫っていた。


 英語圏全体での特殊な裏共同体が出資する研究所により開発されたゾンビウィルスが突如、制御不能となり暴走を始めた。


 真偽は不明だが、暴走するキッカケを作ったのは、英語圏を(うら)む他の地域の工作員が潜伏して仕込んだモノと言われることもある。



 研究所スタッフによりなんとか制御を取り戻して抑え込もうとする努力は報われず、1年と経たずにそれは研究所の外へ漏出(ろうしゅつ)し、(わず)か数()月と言う驚異的なスピードで地球上に蔓延(まんえん)した。


 これにより地球は至る所でゾンビが徘徊する惑星となってしまう。




 ――――そんな時に、主に人類へ救いの手が差し伸べられた。


 差し伸べた手の主は、神々(かみがみ)だった。


 神々が主に人類の脳へ直接語りかけた言葉は、(おおむ)ね以下の通りである。



《今、地球上の生命全てが滅びに向かおうとしている。 我の声が届いた者には、生き延びるためのチカラを与えよう》



 その声を聞けた者の多くが、神を信仰している者だった。


 中には例外がいるが、この謎のチカラを調査・研究した者(いわ)く神とフィーリングの合うものが声を受け取ったのだろうと言っていた。


 まあフィーリングと言っても、単純に電子通信機器の周波数的なものだろうってだけなのだが。



 それで神のチカラは様々で、各国で声を聞いた者達の多くは、それぞれの土地に馴染みのある神からチカラを受け取ったらしい。


 それで受け取れたチカラは、神が持つ逸話や権能の一部を切り出した様なものばかりであり、そのチカラを使う事で各地の文化は独自色の強いものとなった。


 だが一神教圏はあまり変化は無かったらしい。


 それもそのはず。


 全知全能の神から、人間ごときが受け取れるチカラなぞ塵芥(ちりあくた)


 ファンタジー小説で言う、戦闘に使えない程度の出力しか持たぬ生活魔法を使用可能になった他には、知能や身体能力全体の微増程度。


 この知能や身体能力の上昇量は本当にわずかで、握力で言えば1㌔増えたとか、その程度。


 受けられる恩恵の範囲が広すぎるのが災いし、チカラを人間が受け取れる器の大きさからして、仕方が無いのが実態だ。


 そのわずかに上昇した力でもってして、ゾンビを物理的に殲滅するまでの(なが)い永い地獄が繰り広げられる事となる。



 他の国々の中では、日本は実に特殊だった。


 土地神、付喪(つくも)神、新しく生まれた概念の神、各種業界の神……古い神も新しく生まれ続ける神もグッチャグチャのゴッチャゴチャ。


 どんなに小さな範囲でも、それに特化した……特化しすぎた権能の神がコレでもかと存在する日本。


 日本土着の考え方により、日本人の大多数が八百万(やおよろず)の神々のチカラを受け取ることとなった。


 ただし受け取れる神のチカラは1人に1つだそうで、どんな神からチカラを受け取るかで混沌とした状況になったと記録に残っている。


 が、神々の権能がそれぞれに特化しているため、各分野に限って言えば人間離れした結果を示した。


 それぞれの専門分野による連携が上手く機能するようになった瞬間から、日本の文化や技術は異常発達する様になる。



 その中でも特異なチカラを得た人間達がいた。


 それは遊戯(ゲーム)の神からチカラを得た者たちだ。


 チカラを得た者本人が今までプレイしてきたゲームや、動画投稿・配信などで正確に理解したゲーム等から、そのゲームのチカラを身に宿せるチカラである。


 自身のプレイデータ引き継ぎなどはできずに最初からではあるが、ゲームによっては最終的に神にすら勝てるチカラを得られる。 ……まあ神に逆らうなんてまず無いが。


 怪我や死の概念すら無いほのぼのとしたゲームなら、実質不死となれる。


 クラフトゲームなら様々な物を作れて、ショップシミュレーターなら様々な商品を直接買える。


 SFを題材にしたゲームであれば、超未来空想技術が使用可能になる。


 今後も新しいゲームが発売されるたびに、能力は拡張されてゆく事となる。


 もちろん先程まで述べていた電気を使うゲームだけでなく、積み木や双六(すごろく)やカードゲームやゲームブックを始めとした電気を使わないゲームのチカラの再現も無くはないのだが、電気を使うゲームの能力の方がお手軽に強力なので好まれた。


 特に対ゾンビに特効のアンデッド浄化や、ゾンビウィルスに感染しているのを状態異常とすれば状態異常回復の魔法やアイテムなどで治せるチカラにより、日本国内のゾンビウィルス駆逐は早急に進んだ。


 そうなればゲームを司る神のチカラに溺れて好き放題しだすのが現れるのが必定だが、それらは大抵が神からのチカラの供給を絶たれて、迷惑を受けた人や治安組織等から報復を食らうのがお決まりのパターンなので、心配するほどの治安の悪化は無い。


 チカラを失う事は、この神からチカラを与えられた新世界で見れば人権を失うも同義で、神からの監視(それ)があるからこそ治安は前の世界より良好である。


 時折、ゾンビパニックによって国民達の倫理観のタガが外れて国のあり方……国体(こくたい)を失った隣国達から、ゾンビの(なす)り付けをされたり侵攻を受けたりするが、対処に苦労したりは無い。


 この新生日本は、前の世界での政治が3流などと言われていたのは何だったのかと言われるほどまともになり、まとまった国となった。

蛇足



日本以外の多神教、精霊信仰の国はどうなった?


 日本みたいに常に新しい神が生まれてこないので概念がかなり古く、神から与えられたチカラもまたどうしても古い概念によるものになってしまう。


 チカラが適用される範囲がどうしてもその神話等の由来になり、最新の科学と見比べた時の違いで混乱してしまい、上手くチカラを振るえない。それか逆に現代生活に馴染めなくなり、仙人生活になる者も出てしまう。


 信仰対象次第では、国全体で原始に近い生活のほうが逆に暮らしやすいと文明を放棄する国も現れたとかなんとか。


 それに国の神獣を悪魔や魔獣とみなすような隣国の宗教との宗教的対立が表層化してしまう国もあり、大きなトラブルから戦争になってしまう事もあり、落ち着いてきたとは言えまだまだ混迷の世界。


 なお普通なら神のチカラで人を殺すような事をすれば「生き残るためにくれてやったのに人を減らすなら、もうチカラはいらないな」と確実に取り上げられるのだが、神同士が対立しているタイプだとその対立する神からチカラを与えられた者をどうこうする場合にお目こぼしをされる可能性がある模様。

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― 新着の感想 ―
疫病神とか冥府の神様なら、むしろゾンビウィルスの側に付くと言うか、死が増える方に力を貸しそうなイメージも強いけどどうなるんだろう? ゾンビ化はある意味では死の否定だし、逆にぶちギレて積極的能力貸与にな…
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