盗聴①
「……はい。奴らは見事、彼を討ち取りました」
『…』
「物狩りには逃げられてしまいましたが、それ以外は全て回収が完了しています」
『…』
「…ええ、予想通り彼は自身の息子に譲渡しました。その確認も取れています。それと、息子もその片鱗を見せてくれました」
『…』
「それについてですが、あまり期待ができないかもしれません」
『…』
「町の者によると、その、何やら、光るだけだと…」
『…』
「いえ、まだ確認は取れていませんが、もしそうだった場合は…」
『…』
「わかりました。では引き続きそのように仕向けます」
『…』
「町にも我々の痕跡は残していません。その辺りはいつも通り抜かりなく…」
『…』
「母親には混乱状態に強い誘導をかけ、息子を拒絶するように仕向けました。予定通り、彼を強く非難しました。拒絶した際の肉声も確認できています。その後彼は、今回の事件の一連と自身との記憶を母親から抹消したようです」
『…』
「ええ、この辺りは予想以上にうまく出来ました」
『…』
「従者の方は…、すみません、失敗に終わりました。これが途轍もない手練れで、彼と同等並みに隙がなかったといってもいい。何故あれ程の使い手があんな辺境の地で、従者なんかに収まっているのか、不思議でなりません」
『…』
「いえそれが、強い催眠はかけられませんでしたが、こちらも彼のおかげで無事終わりました。いえ、消した訳ではありません。ですが、今後の問題になることはまずないでしょう。記憶への判断も彼に委ねています」
『…』
「……ええ、我々は遂にここまでやったのです。いえ、やってしまった。もう、後戻りはできない。あの子で最後にしなければ…。それが、我々ができる彼らへの最後の償いであり、使命です」
『…』
「はい。了解しました」
『…』
「はい!ありがとうございます。
……幕僚長」




