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血剣の巫女  作者: mist rain
編集者より
2/6

初めに

見開きを開くと、そこには前書きが書いてあった。

 東方世界の皆さん、こんにちは、こんばんは。

 まずは、この本を手に取ってくれたことに感謝を。

 初めに、この本が生まれた経緯について話しておこうと思う。

 活版印刷が普及して以降、新聞をはじめ、様々なものが生み出されてきた。教会の聖書も、いつの間にかこの方式で作られた新しいものに変わっていただろうと思う。この手法を使えば、厚い本も簡単に作ることができる。そうしたら本が安くなる。もう、あの目が飛び出るような高さの精霊大全を買わずに済むのだ。これで、読書を趣味とする人も増えるかもしれない。

 というわけで、今まで民間伝承ばかりでほとんど本になったことの無い『物語』(ファンタジー)を、ソリア帝国の肝いりで作成する運びになった。この本は、先の大戦での様々な人物の活躍を、その人物からのインタビューをもとに書いた、いわば吟遊詩人的な物語で構成されている。皆さんもご存じの血剣の巫女をはじめとする帝国第三特別部隊の面々といった有名人をはじめ、避難誘導に当たったナキア公国の官僚、受け入れ態勢を早急に整えた帝国下の国々の民衆などの一般人、さらには我らが皇帝様も、私の直接のインタビューに協力してくれた(一週間にわたって皇帝様と一対一で話したのは私くらいだろう!)。彼らの協力がなければ、今この本はここにはないだろう。

 インタビューをもとにした小説なので、史実とは多少の脚色、誇張、認識や記憶の食い違いがあるかと思われるが、そういうところは初版である今は了承していただきたい。なるべく、事実らしいものを本小説には採用しているが、もし事実と異なると読者の皆さんが思ったのならば、ぜひぜひ私の方へ連絡していただきたい。次の版からは、その意見を参考に解釈を変えることがあるかもしれない。


 それでは、長々と書いてきた前書きもこれで終わりだ。

 最後に、本書を読むにあたっての注意事項が一つ。本書は、精霊と聖職者の部隊である、帝国第三特別部隊の面々が主人公となるため、彼ら主人公が様々な聖職者の専門用語を日常的に使うことになる。登場人物たちに説明させるのはスマートではないので、その都度、私からの注釈を書いた欄を設ける。また、登場する精霊たちや、有名人、歴史上の出来事なども、その地域の人でしかわからないことも多いため、注釈をつけている。本書を読んでいてわからない単語が出てきたら、注釈欄を見てほしい。

 では、本編へ進もう。


 東方教会『活版印刷(もうてがきはこり)研究会(ごりだのかい)活版印刷推進(てがきぼくめつ)部長 カジワラ


 追記

 そういえば、私の前世では、こういう歴史を基にした物語のことを大河ファンタジーと呼ぶらしい。なんでも、歴史とは、大いなる川の流れのようなものらしい。まあ、歴史に対してあらがうのは一人の力では難しいし、言いえて妙なのかもしれない。

 あと、完成したこの本を、知り合いの吟遊詩人に読ませたら、詩を書いてくれたので、感謝の意も込めて、見開きに残した。本人が聞いたら、恥ずかしがって嫌がるだろうから、本人には言っていない。どうなるか楽しみだ。

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