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プロローグ
かつての英雄は、娘のために、戦場で散りました。
商人の青年は、妹のために、自らの人生を捧げました。
幼き公爵は、臣民のために、人を喰らいました。
高貴な女は、家に帰るために、世界を敵に回しました。
不死の勇者は、信徒のために、彼らの悪と戦いました。
北の女王は、盟友のために、多くの血を流しました。
民は、明日のために、今日を捨てました。
今までも、これからも、何かのために、何かを犠牲にするのでしょう。
犠牲の無い強さなど、ありえないのですから。
--とある東方の吟遊詩人