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双子の猫亜人

人と人外の子の場合、妊娠から出産まで11日間である。


「ニャーディ、よく頑張ったな」


憔悴しきったニャーディの頭を撫でる。


おっかーとおとうは、双子の赤子を抱いて、元気な姿を見せている。


「ニャーディ、名前は、決めてあるのかい?」


「今決めました。男の子が、ニューロ。女の子が、ミャーロです」


双子の赤子は、まるで子猫だった。泣き声も、ミーミーと…。


***** ***** ***** ***** *****


半年が経ち、ニャーディもすっかり村の住民となった。


違うのは人か亜人かという見た目ぐらいだ。


私は、水汲み場から少し離れた洗濯場で、同年代のオリンと笑いながら洗濯していた。


子供たちは、オリンの子、オランと三人でお昼寝をしている。


「おう、今帰ったぞ」


モンタと幼馴染のジローであった。


ジローは今話していたオリンと夫婦である。


あれ? モンタは? という顔をしていると、「村長のところだ」と教えてくれた。


しばらくすると、モンタが浮かない顔で来て、「ジロー、オリン、ニャーディ。夕食後、村長が話があるそうだ」と言った。


夕食はモンタの実家で食べたのだが、何処かよそよそしいモンタであった。


その後、子供をモンタの両親に預けると、モンタと手を繋ぎながら村長の家に向かった。


村長の家の前では、ジローとオリンが入らずに待っていた。


「こんばんは」とオリンが挨拶してきて、「こんばんは、入ろうか」とモンタが答えた。


村長に挨拶をして座る私達に、付き人がお茶を出す。


「ありがとうございます」とオリンと私が言う。


少し重苦しい空気の中、村長が口を開く。


「実はな、この村を開村したのは、人ではなく人外であって…いや、人外とは失礼した。滅びゆく人のために、妖精・亜人・悪魔・魔獣・魔物の心ある方々が、作ってくれた村なのじゃ」


「このむらの結界は、妖精・亜人・悪魔・魔獣・魔物から人柱を募り、自らの意思で村を守ってくれているのじゃ」


「それは、この古文書に全て記載されておる。そして、ここには、妖精・亜人・悪魔・魔獣・魔物からのお願い事も書かれているのじゃ」


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