13歳の誕生日に
「明日は、いよいよ13歳だね」
「うん、かーちゃん、俺、がんばるよ」
「よし、モンタ。包帯巻いてみな、卒用試験だ」
クルクル、クルクルクルクルクルクル、クルクル。
胸とお腹のところに「5ー1 山本」と謎のマークが書かれた体操着と呼ばれる着物を俺は着用している。
この着物の凄いところは、汚れても、破れても、一日立つと綺麗になっているのだ。
肘と膝の先まで布がないため、服のない四肢に包帯を巻いている。
「そのまま、顔もね」
クルクル、クルクルクルクルクルクル、クルクル。
「できたよ。あっ、包帯のLvが上がって4になったよ」
「やったじゃないか。それで、包帯を何でしてるかを尋ねられたら、なんて答えるか覚えているかい?」
「えっと、幼少の頃、尻尾を切られて、呪いをかられて、毛が生えないから、あと、醜い顔になったから」
完全棒読みのセリフだが…。
「まっ、前よりも上手になったね」
「おう、モンタ、ちっと外出ろや、最後に、腕前みてやんよ」
「とうちゃん、俺、刀Lv5だぜ?」
モンタは速攻で、とおちゃんをフルボッコにした。
「つえぇーな、モンタ」
近所の老若男女も驚く強さだ。
13才の誕生日、その子の家の玄関先に1つのアマゾー/転送箱と書かれた箱が置かれていた。
「毎年、誰からだろうね」
「それより、早く説明書読んでおくれよ」
「どれどれ、この紐で輪っかを作り、輪っかの中に荷物を入れると、この箱に転送される」
「紐で輪っかを作って、おにぎり入れると……。ほ、本当だっ! おにぎりが転送された」
「って、ことは、お前が村の外で、買い物をして、転送できるってことだ」
翌日、体操着に包帯を巻いて笠をかぶった。
そして、短刀しし丸を手にして、モンタは村を旅立った。