そういうことですか
目が覚めるとそこは見慣れたといってもまだ少しの時間しか過ごしていない師匠の家だった。
昨日狼を強化したようなモンスターに一矢を報いた後師匠に助けてもらったのだ。
周りを見渡すがどうやら今は師匠はいないようだ。出かけているのか?
起き上がろうと腕に力を入れるが全身が激しく痛み起き上がることが出来ない。
とりあえず起き上がるのを諦めたとき戸口の方から音がした。
師匠が帰ってきたようだ。ついでに買い物もしてきたようで手には数日分はあろう食材を持っていた。
「なんだ、もう起きてたのか。傷の方はどうだまだ痛むか?俺はあまり回復魔法が得意じゃないからな。」
「すいません。まだ、痛みます。」
「そうか……なら、しばらくは安静だな。まぁ、定期的に回復魔法はかけてやるしやるし、2日もあれば治るだろう。」
「はい。」
……半日が過ぎただろうか。
暇なので師匠を観察していたが、なんというかやることがないのか?この人。
最初のうちは家の掃除……昨日もしていたので汚れていないが師匠は潔癖というわけでもない。
その次は集落に買い物に行こうとしていたが「朝行っていましたよね?」と言うと「そういや、そうだったな。」と言って帰ってくる。
その後は寝転んで本を読んだり寝たりとダラけてきている。
なんというかもう見ていられなくなり目覚めた時から聞こうと思っていたこともあったので話しかけてみることにした。
「そういえば、昨日ステータスについて言っていましたけどどうやって確認するんですか?」
「ん?お前知らなかったのか?まさか知らない人間がいるとはな……まぁいい説明してやろう。」
「ついでに、世界事情なんかも教えてくれるとありがたいです。」
「そこまで無知だったとはな……。」
多少引っかかってはいるようだがやることがない状態から解放されることの方が重大なようだ。
「まずはステータスについてだが、これは普通にステータスを確認するような意志を思い浮かべればいい。それで、脳内に見えてくるはずだ。確認してみるといい。」
「そんな単純なんですか?」
「自分のステータス確認するのに手間かかったら怠いたまろ?いいじゃねぇか」
もっともだ。
ステータスを確認する意思っていてもな……。
ありがちなステータスオープンとかでもいいのか?
ってなんか脳内にでてきた。
これがステータスってやつか?
石野賢治
スキル【無限】
最初に指定したものを文字通り無限にする
対象 魔力
力43 スピード89 魔力∞ 耐久62
その他
痛み耐性Ⅰ:痛みに対してある程度耐えられる
今はこんな感じか、レベル16ってのはどうなんだ?まぁ高くはないかよく分からないがこれが今の俺の実力ということだろう。
「確認したか?続けるぞ?」
「はい、お願いします。」
「この世界は今、大きく不安定な状況にある。事の始まりは100年ほど前らしい。突如として大量のモンスターが出現した。黒幕がいるらしいが100年経った今でもその存在を確認したものはいない。
その件に関して王国は多額の報酬を用意し、我こそはという者を募った。その結果たくさんの者が事件解決に乗り出しやがて派閥が誕生しそれぞれの派閥で争うようになった。そのうち王国は冒険者達の協力が次第に得られなくなりモンスターの襲撃に耐え切れなくなり亡んだ。報酬を払う王国はもう無いってのにいまだに派閥間での争いは続いている。そしてこの世界にはもう国と呼ばれるものは存在しない大きな街……いわゆる都市ってのは存在するがな。……とりあえずこんなところか。」
「ありがとうございます。」
そんな世界だったのか。説明してから転生させやがれクソ女神……俺が聞いてなかっただけかもしれない。
ていうか今思えば女神様の態度が悪かったのも全部おれのせいかもしれない……ごめんなさい。
それに世界事情がそんなだと今までよりも一層用心深く生きていかないとな。なにせ一年以内に死んだら地獄行きだしな……。
そのためにも、もっと強くならないといけない。
早いとこ傷を治して修業を再開するためにもしっかり休まないと。
「ヒール」
師匠が回復魔法をけるそしてそのまま眠りに落ちた
急にステータスだの世界事情など今更設定のこじつけか?など思われるかもしれませんね。
ですが違います。
その設定を出すのは予定より数話遅れてしまいましたが、これでいいのです。
毎度毎度書いていてこれで大丈夫なのかと思いよく確認しているのですが投稿してからコメント欄で指摘されたり自分で気づくことが多いので……てんでダメですね。笑
こんな自分ですが今後ともよろしくお願いします。