フラグムントに入る
今年最後の投稿のつもりです。
貰った地図を見ながら進むと割と早くに南に入ろうとしていた。この世界についてはだんだん理解してきた。数年前までは王国が全てを統治していたが度重なるモンスターの襲撃に耐えられず滅亡。その後世界は4つに分けられた。1つはここ東に当たる『リザルト』南は『フラグムント』、西は『ヴェーダ』、北は『ガスブル』、地図を見た感じこんなところだろうか。
それぞれが世界を4つに分けた地域を統治しているようだ。そしてはっきりと国境みたいなものが決められているようで目の前にも東と南を分ける関所みたいなものがある。
そういえばカイルが言っていたがそれぞれの街ってそんなに仲がよくないんだよな……。これ、通れるのか?……何かもめているようだな。
これは行った方がいいのか?
「『フラグムント』の代表に話がある。通してくれ。お嬢様……いや、西園寺茜の使者としてきているのだ。」
「その証拠は?それがないなら通すことはできない。使者だというなら書状とかあるだろ?見せてみろ。」
「それはできない。」
「なぜだ?まぁいい、見せられないなら通すことはできない。」
「俺はカイル・ヴァーチスだ。これでも名が通っていると自負している。西園寺茜の配下だ。」
「確かにその名は聞くが生憎お前がカイル・ヴォーチスだという証拠はない。それこそどう証明するのだ?分かったら去れ!」
「それならこれで……。」
「このまま去らないというなら実力行使させてもらう。」
「……分かった、下がろう。」
「最初からそうしてりゃいいんだよ。」
……あの徽章があれば証明ができたのだが……。忘れてきてしまったのか?一度戻らないといけないのか……。ん?あれは、賢治?なぜこんなところに?
「あっ、カイル!探していたんだ。さっき向こうでもめてたのってカイルだったのか?」
「ああ、『フラグムント』に行かなくてはならないのだが、どうにも通してくれなくてな。徽章があれ大丈夫なはずだが、どうやら街に忘れてしまったようだ。それよりなぜ賢治はここに?」
「その徽章を届けにきたんだよ。」
「なに!?本当か!」
「ああ、茜に言われてな。これだろ?」
「これだ、助かった。」
これで50万ゼニーか、特に危険もなかったしいい仕事だったな。でもこれって報告した時に特に危険はなかったって言ったら減らされるんじゃあ……。
「そうだ賢治、俺についてこないか?それなら移動中お前の剣の修行を見てやれるぞ?『リザルト』は西や南に入るだけなら近いがそこからそれぞれの街までの距離は長くてな、その間にどうだ?」
カイルが一緒なら何かあっても大丈夫だろう。
しばらくカイルも帰ってこないようだしついて行って見てもらうのもありだな。
「カイルがいいなら頼む。」
「決まりだな、さて、行くか。」
「なんだ?またきたのかお前。」
「悪いなこれを見れば俺がカイル・ヴァーチスであることがわかるはずだ。」
「あ?」
そう言ってカイルは徽章を取り出しそれを見せつける。
「この徽章は……。王国の騎士団団長のみが持っていたという徽章!しかも14代団長の……。ということは……。」
「そうだ、俺が元王国騎士団14代団長カイル・ヴァーチスだ。」
「わかりました、どうぞお通り下さい。後ろの彼は?」
「彼も西園寺茜の使者だ。先ほど遅れて合流した。」
「……そうですか。ではお通り下さい。」
「リン様、西園寺茜の使者という者が2名領内に入ったようです。そのうち一人はカイル・ヴァーチスを名乗っているようです。」
「……ふむ、宣戦布告か?」
「わかりません。」
「……なら殺そう!宣戦布告のつもりなら卑怯と言われようとカイル・ヴァーチスが来ているならそれを殺せばとても有利になる。違ったとしても殺せさえすれば結果は同じじゃ!」
「仰せのままに。」




