成果報告
「では、お嬢様今回のことについて報告します。」
「話しなさい。」
「まず、与えられた仕事に関しては失敗です。賢治の情報では西部に住んでいるとのことだったので西部に入りました。そこでオストロミスの刺客、ミーハ・ペテンニクスと遭遇し交戦。そこでシオンは致命傷を負うもなんとか退けます。彼の目的は賢治を連れて行くことでした。その後オストロミス・ガーシスマン本人が登場し、彼を回収して去って行きました。その後オストロミスからの刺客はありませんでした。」
シアンは一通り報告を済ませる。
「……そう、そんなことが。私の不甲斐なさを感じるわ。」
「茜でもそんなこと思ったりするのか、以外だな。」
「なによ!?なんか文句あるわけ!潰すわよ!」
「あ、いやすいません。」
「話が逸れたわ、それでそこから何か得たわけ?例えば相手の戦力についてとか?」
「俺は師匠と少しあの場で話しをしたが……ごめん、そういうのは得られなかった。ていうか、そういうこと聞いてないんだよな。聞いたところで教えてくれるとは限らなかったし。」
「そうかも知れないけど。で、あんたはなにを聞いたの?」
「まだ、師匠が茜のいうことが信じられなくてそのことについて聞いた。結果はすごく曖昧なものだったけど。」
「つまりそこでの収穫は一切無いということね?」
「そうなるな。」
「……で、その緑髮の少女は誰なわけ?」
俺の報告が終わるとそれ以上聞いてくることはなく次の話題へと移した。
「あ、アイラ・イーズと言います。私なんかには勿体無いですが回復魔法とか使えます。」
「それでアイラに致命傷を負ったシオンを助けて貰ったわけです。」
「そう、でもそれだけではわざわざここに連れてくるわけないわよね?確かに回復魔法が使える者は希少だけど、それ以外にもなにかあるんでしょう?」
「はい、僕が負傷する前、ミーハ・ペテンニクスとの戦闘中彼の使う不可思議な魔法を破るために範囲魔法を使いました。後で姉さんに聞いたことですがアイラさんを見つけた位置は僕の放った範囲魔法の圏内にいたようなんです。」
「貴方の範囲魔法、それも上級魔法でしょ?それの圏内にいて全くの無傷というのは気になるわね。どういうタネがあるわけ?それともそのときに彼女は居なかっただけじゃないの?」
「それが本人にもよくわからないらしいです。」
「どういうこと?」
「僕が魔法を放ったときアイラさんは既にあの現場にいました。本人に聞いたのですが確かに僕の魔法に巻き込まれたそうです。ですが全くの無傷だったのです。何故なのかはさっきも言ったようにわからないらしいのですが……。」
「……すいません。」
「それは少し興味深いわね。あなた、いえアイラの回復魔法は少し特別なのかもしれないわ。」
「それはどういうことでしょうか?」
少し不安そうに呟くアイラに茜は続ける。
「試したいことがあるの。大丈夫よ、そう不安にすることはないわ!」
茜が何か試すときにいう大丈夫は大丈夫だった試しがない。すごく不安だ。あんな大人しい少女が昔の俺のような目にあうかもしれないのだから。気の毒ではあるが俺にはなにもできない。アイラの無事を祈ろう。




