絶体絶命
「待ってくれよ、師匠!確かに俺は茜から師匠の事を聞いた!けど、俺はまだ全然事情も読み込めてないし、師匠の事だって半信半疑で……。それに俺は茜との勝負に負けて訳のわからない契約を結ばされてあいつの下僕だ。色々あるけど師匠は一体何者なんだ?」
ミーハを担ぎこの場を去ろうとする師匠に感じていたほぼ全ての疑問をぶつけた。
「西園寺茜の下僕か、そいつは災難だな賢治よ。それに、半信半疑って言ってるがこの状況を見てそれでもまだ半信半疑なのか?」
「つまり茜の言うことは本当で師匠、あんたは……。」
「さぁな。お前がそう思うのならそうなんだろ?そこは好きにすればいい。さっきも言ったように答えはまだ出さなくていい。それと、俺が何者かっていう質問だが、お前にとって俺はおまえの師であるとしか言えないな。まぁそれもお前の好きにしてくれていいがな。」
俺の質問に全て答えたあと俺の師匠、オストロミス・ガーシスマンはこの場からミーハを連れて去って行った。
「……訳わかんねぇ……。」
「賢治そんなことよりもシオンだ早く処置しないと不味いぞ!」
全ての思考が止まりかけたその瞬間シアンの声で我に帰りどういう状況に置かれているかを思い出した。シアンの弟でるシオンがさきほどの先闘で深傷を負った上に毒まで入っているのである。ダラダラとしてなどいられない。
「でも、どうすれば……。毒抜きなんてわかんねぇしこんな大きな傷なんて……。そもそも医療とかさっぱりなんだが。シアンはどうなんだよ?」
「俺がそんなことできたらとっくにやってるよ!リザルトに戻ろうにも重傷のシオンを抱えてあの山を越えるのは難しいだろうし……。」
不味いこれは本当に不味い。茜のやつは嫌いだがシアンやシオン、カイルたちはこの世界での唯一の仲間だそれを早々に失うなんて耐えられるわけがない。でも……シオンを救う方法が……。
……そうだ!付加魔法で解毒の魔法効果を何かに付加させれば。傷もヒールと同じ回復の魔法効果を何かに付加させればシオンを助けることが出来るはずだ。
「シアン!シオンを助けることが出来るかもしれない!」
「本当か!?賢治!でも、どうやって?魔法もろくに使えないお前が高度な回復魔法なんて……。」
「付加魔法だよ!こいつで何かに回復の魔法効果を付加させればシオンを助られる可能性があるだろ?」
「なるほど!それならいけそうだ。で、何に付加させるんだ?」
「水とかないか?」
「それなら、持っている直ぐに準備しよう。」
シアンから差し出された水に先ずは解毒の魔法効果を付加させる。いや、ヒールと同じなら毒も傷を一緒に回復してくれるはずだ。
「回復。」
「これを飲ませればいいのか?」
「ああ、それで大丈夫なはずだ。」
俺から回復の魔法効果を付加された水を受け取ったシアンはシオンにその水を飲ませる。
「なん……でだよ!?毒どころか、傷が治らない!?」
「そんな……!」




