詰めが甘いじゃん
23部改変しました。
少し継ぎ足してから今回の話となっております。
「お前の魔法は確かに厄介だったが何かタネがあるはずだった。だから俺がシオンに範囲攻撃をしてみてくれと頼んだんだが、予想通りだったな。お前は、何か攻撃を受け流せる魔法を使っていたようだが全ての攻撃を受け流せるほどのものでもないらしい。」
シアンが指指した先にはそれなりに傷を負ったミーハの姿があった。一部凍傷を起こしている。
「本来ならこれを喰らったらほとんどの人が死ぬはずなんだけど……。流石だね、その魔法。」
「何故じゃん?範囲魔法でも受け流せるはずじゃん!?それがなんで……?おかしいじゃん!ありえないじゃん!あってはならないじゃん!」
発狂して血を撒き散らしながら斬りかかって行く。
「例の魔法は……使っていないようだね。魔力を感じられない。姉さん。」
「ああ。」
ゴスッという鈍い音が響きミーハの身体は10メートル近く吹き飛んだ。
「何故じゃん?……ガハッ。うぅ……。」
「喋らない方がいいぜ?多分折れた肋骨が肺に刺さってるはずだ。」
「随分と舐められたものじゃん?そんなに無防備に近づかれるなんて、まだ戦いは終わってないじゃん?」
「既に虫の息の相手だ、警戒することはあってもそう身構えるものでもねぇよ。」
「相手を追い詰めたときこと十分に警戒するものじゃん?」
そしてヨロヨロと立ち上がったミーハが増えた。
なんだ?分身か?五人になった。
「まだこんな力があったなんてね……。姉さん下がってもう一発範囲攻撃を仕掛けるから。次で仕留める。」
「水の眷属よ……。」
「遅せぇじゃん!ダラダラ詠唱唱えてる間に仕留めるじゃん!」
「ぐぁっ!!」
「シオン!!」
シアンは間に合わず五人に刺されている。だが、全員が実体というわけではなく本体は一人で後ろからシオンを貫いていた。
「さっきも言ったが俺の武器には毒が塗ってあるじゃんヨ?加えてかの傷じゃん?お前はもう助からねぇじゃん。」
「うっ!」
シオンの身体からナイフを引き抜き再び構える。
「やっぱり俺のナイフは刺突にはむかないじゃん。引き抜きにくいじゃんヨ。……あと一人じゃん。」