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百合男子による恋愛相談所  作者: かつどん
7/8

「それが百合の絶対条件なんだ」

ども、お久しぶりです、または初めまして、かつどんです。


この百合男子による恋愛相談所は短編集なのでこの回だけ読んでもらってもかまいません。

かなり暴走しました。

「いきなりだが、この恋愛相談部を廃部にする」


この学校の生徒会長が部室に入って来ていきなりそう告げた。


「な、なんだと!」

「「やっと廃部か~」」

「おい、お前ら!」


今日は珍しく部員全員が集まっている。僕、金木(かねき)と佐藤君はもちろん、鎌田(かまだ)君と田中君、それに高木さんと菖蒲(しょうぶ)さんもいる。

そして今生徒会長の北出(きたで)君が部室に入って来た。その後ろには生徒会役員の二人がいる。


「もう一度言う、この恋愛相談部を廃部にする!」

「な、何故だ!何故この恋愛相談部が廃部になるんだ」

「確かにこの恋愛相談部には僅かだが実績がある」


実績?ああ、これまでの恋愛相談のことか。


「ってまだ2回しか恋愛相談受けてないじゃん!」

「違う!4回だ」


僕の指摘に小さな訂正を入れる佐藤君。


「だがな、一昨日の予算会議のことだ」

「予算会議?それなら部費は基本料以外の請求料は0円にしたはずだ」

「だからそれが問題なんだろーが」

「「「?」」」


部費の基本料とは部員数一人につき500円である。そのため、この学校の全ての部活は例え幽霊部員であっても退部させずにいる。少しでも予算が欲しいのだ。

だがそれ以外の予算を請求しないのは生徒会にとっても、他の部活にとっても良い条件だと思う。

では一体何故廃部にする必要があるのだろう…まぁ、僕には廃部になっても別にいいのだが。

しかし、僕たちのそんな疑問に生徒会長はもっともなことを言ってきた。


「0円⁉0円ってなんだよ!それって別に部活じゃなくてもいいじゃねーか!それに、基本料さえもすっからかんなところから出てるんだ、予算は少しでも控える方がいい」

「ああ~」


なるほど、なるほど、確かにそうだ、基本料だけといってもその基本料さえも少ないところから出ているってわけだ。これは仕方ないね。


「佐藤君、これは仕方ないよ」

「お前は廃部にしたがっているような気がするが…」


そりゃそうだ。


「くっ、実績で勝負しても部活以外でやれと言われるか…」


おっと、かの佐藤君もこれはお手上げか…


「くそっ!ここで我が百合道に終止符が打たれるというのか」


だがその台詞に生徒会長が反応してしまった。


「百合…だと…」

「くっそ、ややこしい展開になりやがる」


おっといけない、本音が出てしまった。


「貴様、まさか百合男子か」

「ほう、ということはまさか、そちらも百合男子なのか?」

「いや、それは違うぜ佐藤」


そこで鎌田君が口を挟んだ。


「だってよ、その生徒会長さんは生徒会役員に全てこの学校の美少女を就けて放課後にあーや、こーやしてるって噂がある程だ」


確かにこの学校の生徒会は生徒会長以外全員が女子生徒だ。

だがその言葉を聞いた生徒会長、北出君は、


「俺がそんな事するわけないだろ!」

「生徒会長がキレた⁉」


な、何か怒ってらっしゃる…


「俺は百合男子だ!絶対にそんな事するわけがない!」


うん、途中から分かってたけど、この人も百合男子なのか。


「ひとつ言っておくが、後ろの二人、副会長と庶務だがさっきから静かだと思わないか?実は今この二人、お互いのパンツの色を考えているんだ!」

「な!なんだってー!!!!!」


佐藤君だけ過剰に反応していた。いや、もちろん僕達も反応したけどね。


「へーそんな人もいるんだな」

「ふっふっふっ、さらに書記と会計は今ごろ生徒会室で何をやっているだろうか」

「ぐぉひょょょーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」

「カップル達にとって快適な空間を作る、それが百合男子の仕事!」

「だ、だが生徒会には貴様が入っているではないか、男である貴様が入っていては百合空間とは言えないぞ」

「ああ、確かにそうだ、男である俺がいたらそれは百合ではない」

「だったら…」

「だがしかし!俺は生徒会長だ!生徒会の仕事は全て俺がやっている」

「な、なんだと!」

「それは…すごいな…」


さすがに僕たちも驚きを隠せないよ、生徒会の仕事を全部一人でやるなんて…ん?まてよ、あ!だから球技大会の申し込み表と入部届けの紙が似ていたのか。


「お前のせいか〜」

「おい、金木が何かに気付いてキレたぞ」


生徒会長のせいでこの部活が発足してしまったということだな、許すまじ、生徒会長。


「そして俺は仕事を終わらして早々に帰宅し、後は百合ん百合んな空間の出来上がりだ!」

「くっ、百合のためなら何でもするなんて…まさに百合男子の鑑」

「今回だって、副会長と庶務を連れて来たのは、書記と会計に頼まれたからだ、彼女達は生徒会室で百合ん百合んしているんだろうな」


その時、佐藤君が走り始めた。


「ぐぬおおおおーーーー」

「ま、待て!何処へ行く!」

「見なくては、百合を見なくては!」

「そんな事したら、百合が台無しになるではないか!俺たちは遠くから見守らなければならないはずだろ!」

「はっ!そうだ…男である俺が行けば、それは百合空間ではなくなる…」

「そうだ、直接関わらない、それが百合男子が絶対に守らなければならないことだ」

「………ありがとう、おかげで目が覚めたぜ」


どうやら佐藤君の暴走が止まったようだ。


「全く、百合が存在するだけで暴走するなんて、お前それでも百合男子か?」


その生徒会長の言葉に佐藤君はカチンときたようだ。


「おいおい、百合があれば飛びつくのが百合男子だろ?」

「後で生徒会室に仕掛けた隠しカメラの映像をくれてやる、だがな、百合を壊してしまうかもしれない行為をするなんてあまりにも危険すぎるぞ」

「確かにそうだ、だがな生で見る百合だからこそ感じられる物もある、それと隠しカメラの映像は有難く受け取る」


おい生徒会長、盗撮は犯罪では?


「それでもだ、そこに男が入ってしまうことは絶対に避けなければならない、だからこそ安心安全な盗撮がいいんだ、覗くなんてあまり見渡せないだろ?」


おい、今盗撮って言ったぞ。


「確かに見えにくいこともある、だがどんな事をしても見る、それこそが百合男子だ」


おっと、こっちはこっちで犯罪だな。


「貴様…だったらこれを見ろ!」


すると、生徒会長はカバンから何かを取り出した。

あれ?今そこにカバンってあったか?

それはおいといて、佐藤君は生徒会長の取り出した物を見てかなり驚いていた。


「そ、それは…まさか!同人グループふぐり屋製作のとってもエッチで百合ん百合んなラブコメディゲーム『その花び○にくちづけを』ではないか!しかも無印」

「ふっふっふっ、どうだ!」

「ば、馬鹿な、18禁だぞ」

「はん、今の世の中じゃあ高校生がエロゲを手に入れるなんて簡単なことよ」

「く…そんな…」


だがそこに生徒会長が追い討ちをかける…って僕は何を言ってるんだ!


「そして!これがその花びらシリーズだ!!」


生徒会長は何枚ものエロゲをカバンから取り出した。


「んな!こ、これは…その花びら第二弾に加えて、毎月第二、第四土曜日に放送されるその花びらシリーズのラジオである『れおっぽいラ○オ』のパーソナリティを勤める杏○花が出演して、さらにはその花びらキャラクターランキングの一位とニ位を独占した二人が出てくる第三弾から、歴代のその花びらシリーズのキャラクターが総出演したミカ乙まで⁉さらにはそのミカ乙の主人公カップルが完全メインのアトリエもしかり、歴代のその花びらシリーズキャラクターが総出演する第二弾であり最新弾の白雪の騎士まであるだと!」

「さらミさらミ〜」


生徒会長の進撃はまだ終わらない。


「これだ!」

「まさか…それは…今までのその花びらシリーズとはちょっとだけ舞台が違うが内容の質はさほど変わらないのでOKな青文字系その花だと!しかも四種類ってことは、貴様!青文字系その花の三つ全てをこれひとつでプレイ出来る天使達の詰め合わせまで持っているのか!全三作を持っているのに買う必要があるのか⁉たが買う、それが真の百合男子だと言うのか!」

「ふはははは、18禁という言葉には惑わされずに百合を求める、これこそ百合男子!」


今の状況を説明しよう。生徒会長がエロゲを見せて高笑いしている。


「どうだ、真の百合男子が何か分かったか?恋愛相談部の部長さんよ」

「それだけか?」

「ん?」


おや、佐藤君の様子が…


「それだけかと聞いている!」

「何!まだ足りないというのか!」

「貴様の持っているゲームはそれだけか⁉」

「いや、今日は持っていないが、他にも百合霊さんもある」

「ほう、あの百合霊さんまであるとは流石だな」

「そりゃ、百合男子だからな」

「では言い方を変えよう、貴様が持っているふぐり屋のゲームはそれだけか?」

「なっ!まだあるというのか」

「それはだな…これだ!」

「そ、それは!」


何と、佐藤君もカバンから何かを取り出した。それはもちろんゲームであった。


「『はな○ら!』だと!」

「そう、ふぐり屋さん製作のゲームであり、その花びらシリーズからエロを抜いた百合ゲーム、もちろん18禁ではないため高校生である俺たちでも安心してプレイ出来る、それがこの『は○ひら!』だ、そしてこれがアプリバージョンだ!」

「なっ!アプリバージョンもあるだと!たしか、1000円の有料アプリだったはずだ!」


おめでとう、佐藤君は真の百合男子に進化した。

………もういいや。


「生徒会長、貴様の持っているゲームは全てエロが入っている、だが、百合とは女同士の恋愛、そこにエロがある必要はない!」

「なっ貴様、エロが入っていたら百合ではないと言うのか!」

「そうではない!エロが入っていてもそれは百合、だがエロが入っていなくても百合なのだ!」

「ぐっ⁉」


おーっと!生徒会長に大ダメージだー!


「しまった、俺はあまりにも百合を追求しすぎたためにエロのない百合に目を向けてなかった、女同士の恋愛、ただ女の子達がイチャイチャしているだけでも百合は百合、いや、それこそが百合の原点であり、絶対条件ではないか」

「そう、エロがあっても百合、エロがなくても百合、なぜなら女同士で恋愛するという根底的な所は一緒だからだ!」

「ありがとう、恋愛相談部の部長さんよ、まさか真の百合男子とは何かを教えるつもりが逆に教えられるとはな、だが嫌な気分ではない、むしろ今まで忘れていたことを思い出した時のような清々しい気分だぜ」

「ああ、俺もここまで百合について討論したのは初めてだ、こちらこそありがとう」


生徒会長と佐藤君は友情の握手をした。


「もちろんだと思うが、その花びらシリーズを貸してくれるんだよな?」

「当たり前だろ、そっちもは○ひら!を貸してくれよ」

「もちろんだとも」


ここに一つの友情が誕生した。

すると、今まで黙っていた副会長と庶務の子がようやく口を開いた。


「あーもう、良子ちゃん、さっさと私にパンツを見せなさい」

「ええ!あ、小豆ちゃん、何言ってるの⁉」


そんな二人の会話に何と、鎌田君が口をはさんだ。


「お前らお互いのパンツが気になるなら一つのパンツを二人で履いてたらいいじゃん」

「「ぶぐほぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!」」


それを聞いて妄想したのか、佐藤君と生徒会長は鼻血を流して倒れた。

こうして今回の一件は落ち着いた。めでたしめでたし。

そういえば前回にネタ切れになったと言ってましたが、今回で本当にネタ切れです。


最終話にはしていませんが、終わりかもしれないです。

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