氷あずきの微笑
Once upon a time
ある処に御鬼ノ女霊子ちゃんというとてもとてもカワイイ女子高生のお姫様が住んでいました。
霊子ちゃんは美肌と健康のため、毎日朝から晩までハチミツミルク温泉の湯船で過ごしていたのです。
天使のバイトもやってる霊子ちゃんの人生最大の目標は、シャーリーズ・セロストーンみたいにセクシーな大人の女性になることだったのです。
高校の授業も個人教授を招いてバスルームで学び、ピアノやバレーのお稽古、茶道・華道・弓道も大浴場の湯船の中で習っていました。
今日はバスルームでの授業とお稽古も終わり、朝から数えて20回目の放課後入浴タイムです。
霊子ちゃんは放課後の入浴が大好きで、とても楽しそうにジャグジーの中で泳いだりして水と戯れていました。
まさか、お風呂場のすぐ近くまで恐ろしい魔物が迫って来ているとは露知らず・・・・・・・・・
「ルルルンルンルン♪ルルルンルン♪♪ルンルルン♪♪♪♫♬♩♪ルンルン♬♩♫♫♫♪♩♩♬♬♬♩♪♪♪
僕のこのつぶらな瞳と小さくて可愛いお口・・・・・白魚の如く透き通った白いお肌とカモシカのようにすらりと伸びた美脚・・・・・
僕のこの小っちゃくて形のいいプリプリなヒップちゃん・・・・・僕のこのふっくら豊かなプリプリプリなバストちゃん・・・・・・
可愛い女の子・・・・・愛くるしい美少女とは、きっと僕のためだけに創られた言葉なの。
嗚呼、神様は何て残酷な創造をなされたのかしら。僕以外の醜い女たちが不憫でならないわ。
僕のこのサラサラの髪・・・・・・この純白の天使の翼・・・・・・・どこから見てもため息が・・・オノコたちは生唾ゴックンだわ。ウフフッ♪♪。」
「フンッ、其の方、上には上があることを教えて欲しいようじゃのう小娘、オホホホホホホ。」
「何奴っ、曲者じゃ、者ども出合え出合えぇぇぇぇぇぇぇぇい。ネズミめ、僕を御鬼ノ女霊子と知っての狼藉か。」
「ホホホホ、其の方の家来は太ももを見せると腰が抜けて倒れるよう躾けてあるのかえ。
既に腰抜けどもはわらわの軍門に下って居るわ、オホホホホホホホホ。」
「おうおうおう、小便臭い御鬼ノ女の小娘よう、ワシの獲物を早う返さんかい、オンドリャァァァ。」
「貴方たちは何のつもりなの。お部屋がババア臭くなるからとっとと帰ってちょうだいな。」
「このワシにケンカ吹っかけるたぁいい度胸してんじゃあねえかよ、小娘。お主が拐した獲物の娘をさっさと出せや。」
「貴方は何を言ってるの。僕が女の子なんか誘拐する訳ないじゃないの。」
「其の方がこの件に関わっていることは証言により明白じゃ。観念して神妙にお縄を頂戴するのじゃ、ホホホホホ。」
「何よ、この萬年嫁かず後家ババア姉妹。安物の香水で僕のお風呂場を汚染しないでよ。」
「おうおうおう、よう言ってくれたじゃあねえかよ、小娘。てめえはシバかにゃあ分んねえのかよ。」
「お姐さま、拷問7点セットでこの小娘を責めて責めて嬲りものにするのです、ホホホホホ。」
「エッ、何するの・・・・ギャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ」
「うりうりうり、もっと奥まで突っ込んで欲しいのかよ、ジュルジュルジュルジュルジュル。」
「あら、お姐さまったらすっかり本気モードにお入りになられたみたいですわね、オホホホホ。」
「ギャァァァァァァァァァァァァ・・・・・あずきちゃん助けてェェェェェェェェェェェェェェ」
するとそこへ・・・・・・・霊子ちゃんの悲鳴を聞いた救急隊の美しい天使が、白い翼を羽ばたかせ舞い降りて来たのです。
「サッサッサッ、お邪魔しますぅ。美天使女学院附属高校同級生の氷苺あずきと申しますぅ。
お友達の霊子ちゃんの助太刀に参上つかまつりましたぁぁぁぁぁぁぁぁ。」
「あ~ん、お主はイヒヒヒ星人の回し者かい。4P拷問プレイの味が知りたくて来たのかよ。」
「お姐さま、変態4Pプレイはわたくしも初体験ですのでハァハァ興奮致しますわ、ホホホホホ。」
「クソババアどもめ、あずきちゃんの恐ろしさを思い知れ。あずきちゃん季題は自由よ、エイッッッッッッッッッ。」
「なんでえ、お主は俳人だったのかよ。だったら一句詠んでみいや。」
「いいえぇぇぇぇ、ウチは漫談研究会の副部長ですぅ。腹部に腸がある女の子ナンチャッテ。」
「ん、今お主は何か言ったのか。」
「お姐さま、何となくわらわは女の直感で危険な香りを感じ取りましたわ。」
「漫談を始めようかなぁ。ところで漫談はマンダンなんつって。」
「ウッ、今日は底冷えがするなあ、愚妹もも子よ。」
「わたくしは北欧の地で寒いのには慣れてますわ。でもなんだか身体の芯から冷えて行く様な気がしますの。」
「いやあ今日は冷えますなあ、ヒエェェェェェ。寒暖の差が激しい気候だとカンラダンに悪いナンチャッテェェェェェェェ。」
「お姐さま、もも子は寒くてもう身体を動かすことも出来なくなりましたわ。」
「愚妹もも子よ、このままでは凍り付いてしまうぞ。風呂じゃあ風呂に浸かるのじゃあぁぁぁぁ。」
「駄目よ。貴方たちを湯船に入れると水質汚染で風呂釜が腐っちゃうから、入っちゃ駄目だからね ェェェェェェだ。」
「いや、遠慮しないで湯に浸かって下さいよう、入浴に遠慮はいらないから。入園料はいらないから、ニュウエンリョはいらないからナーンツッテぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ。」
「お姐さま、もも子はもう意識が・・・・・・・寒い・・・・眠くなって来てしまいましたわ・・・さよならドテッ。」
「おいっ、しっかりしろ愚妹もも子。絶対に寝たらいかんぞォォォォォォォォォォォォォ。
すまねえ、もも子。今までワシは実の姉としてお主にひとつも姉らしい事をしてやれなんだ。
あの世に行ったら・・・・ワシもなんだか眠気が襲って・・・・・・ドテッとな。」
「ざまあみなさいよ。オバサンたち凍っちゃったみたいだわねえ、ウフフッ。
でも、あずきちゃんのダジャレって本当に面白いから僕は大好きなのよ。
あら、オバサンたち氏後硬直が始まったみたいだわ、ウフフフ。」
あずきちゃんの寒いダジャレに凍り付いてしまった、たか子さんもも子さん姉妹は遂に悪運尽きて氏んでしまったのでしょうか。
この物語もお終いかと思われたその時でした・・・・・・・・・・・
「余はお前らの秘密を知って居るぞぉぉぉぉぉ。真に恐れるべきは有能な敵ではなく無能な味方である by ナポレオン」
「まあ、この素敵なお坊ちゃんはどなたなのですかぁ霊子ちゃん。胸がときめきますですぅ、ウチのハートはヒートしちゃいますですぅ。ヒートヒートポッポッポー。」
「あずきちゃん翼が真っ赤だよぉぉぉ、熱いよ、熱いったらばあ。早く水風呂に入らなくっちゃ。」
「ウッ、なんか急に身体が熱くなって来やがったぜ、愚妹もも子。」
「お姐さま、わたくしたちは小僧のお陰で一命を取り留めたみたいですわ。」
「御鬼ノ女家の家来を見たのは余の錯覚じゃ。本当は折伏屋の家来・・・・・・アッ目の前を真っ裸のオナゴが歩いてる・・・・・クルクルクルッ・・・・ドテッ。」
「まあ、何て純情無垢で素敵なお坊ちゃんなんでしょうですぅ。ウチが天国に連れてって介抱して上げますですぅ、サササササッ。」
「こらっ、地獄に堕ちたクソボンズが天国に入れるのかよ。」
「役立たずだったあの小僧も使い途があったみたいですわね、オホホホホホホ。」
「ところでよ、折伏屋が娘を拐したってえのは本当なのかい。」
「ナンミョウ之介がわたくしたちに逆らえる訳などございませんわよ。あの小僧は多分第二反抗期なんですのよ、ホホホホ。」
「まあそれもそうだわな。ところで、汗かいたからひとっ風呂浴びてから帰るとするかなあ。
脱ぎ脱ぎ脱ぎジャボンとな、パンツも一週間ぶりに洗ってと。バシャバシャバシャ。」
「では、わらわもジャボンとな。欧州は水不足で毎日お風呂に入れませんのよ、ホホホ。」
「なんなのよォォォォォ、貴方たちってぇぇぇ。病気が伝染るじゃないのよぉぉぉぉ、早く帰ってちょうだいよォォォォォォォ。」
「まあ、女同士裸同士の付合いで貴公も総てを水に流すんじゃ。ガタガタ抜かすとプレイの続きを始めるぞ。」
「今度来たら、またあずきちゃんを呼んじゃうからね、覚えてらっしゃいな。」
「おいっ、リーサル・ウェポンは核拡散防止条約で禁じ手だからよ。オホホホ星人同士お隣同士で仲良くやろうや。」
「二代目地獄女王のわらわも、上には上がいる事を初めて知りましたわ、オホホホホホ。」
可愛い天使の霊子ちゃんは性格の悪い姉妹に、何事も無かったかのように仲直りをさせられてしまいました。
でも、今この女湯を覗き見しながらブヒブヒブヒッと不気味に笑う卑猥な目付きをした男の影には、未だ気付かない可憐なオホホホ星人さんたちなのでした。
to be continued.