里山の青虫
村のはずれに里山がありました。
初夏の頃には、菜の花が一斉に咲き乱れて黄色いジュウタンとなります。
そこに一匹の青虫がおりました。
仲間もなく、可愛くも無く、むくむくと葉っぱを食べています。
成長してサナギとなり、すこし昼寝をしました。
しばらくして羽が生え、モンシロチョウとなりました。
いざ、飛び立とう。
空は青く、太陽は暖かい。
さあゆこう、あの空高く。
大きく羽ばたくと、たくさんのモンシロチョウが飛んでいました。
この畑で青虫は、ただ一匹ではなかったのです。
成長し、自らの羽で大空へと昇って、そのことを知りました。