涙の向こう側
「泣いてもいい」とは言われなかった。
「大丈夫、君は笑える」と君が言う。
その言葉には、深い愛が込められていて、
周りに迷惑をかけたくない、という私の気持ちを汲んでくれている。
そんな君を見て、心が痛む。
君に気を遣わせてしまっている私。
君が持つ、その優しさに触れて、
私もまた、君をいつか守れるように、と願う。
「でもね、本当にキツい時は、
私の肩に頭を乗せてほしい。
君の重さを分かち合い、
二人で乗り越えていけるように」
彼は言う。
優しい、優しい声で。
私たちの間には、言葉にならない約束がある。
悲しみも喜びも、一緒に分かち合える。
どんな時も側にいるよ。ずっと、ずっと。