第7話 密会
■登場人物■
風雷⇒主人公。バンパイアであり医者でもある
沙樹⇒ヒロイン。桐生家頭首の娘
~~~ 商店街 ~~~~~~~~~~
米屋を出て、どうも2人は気まずい雰囲気。
沙樹は、俯きかげんで無言のまま。
どうやら風雷に顔を見られたくないらしい。
そんな沙樹の行動を察してか、風雷もまた目を合わせ
られないでいる。
原因は、米屋の和江夫人だ。
「沙樹が惚れとるよ。」と冗談を言うもんだから
お互い意識してしまった。
風雷はこのような雰囲気が嫌いだ。
まぁ、下宿先は目の前。
このまま早く帰りたいと考えている。
沙樹「見に行きませんか?」(@_@ )
風雷「何をだ?」
沙樹「診療所となることろ。
見にいきませんか?」
風雷的には、このまま帰って1人になりたい気分。
呪禁師を出家して数十年。
人と関わらないように生きてきた風雷にとって
この状況から逃れたい。
だが、そんな風雷の流儀が崩れ始めている。
風雷(優紀乃様に顔が似てるのは反則。)
風雷「そうだな。特に予定もないし。
一度拝見するとしよう。」
沙樹「荷物大変でしょう。
わたくしが風雷様の部屋へ置いて来ます。」
風雷「滅相もない。
使う場面が出るやも知れん。
このまま行くとしよう。」
沙樹「では、代わりにわたくしが持ちます。」
風雷「沙樹殿はお優しい。
その気持ちだけで十分。」
沙樹「わたくしだって、こう見えて
力あるんですよ。」( ^o^)
風雷「それは頼もしい。
では、疲れたらその時は頼む。」
沙樹「はい。」( ^o^)
風雷(くっそ!この笑顔が私の何かを狂わす。)
~~~ 裏路地 ~~~~~~~~~~
商店街の通りから平行する1つ奥の通りを
2人は歩いている。
流石に人通りは少ない。
沙樹「ここです。どうです?
大きくはないのですけれども。」
風雷「問題ない。
寝泊まりにしか使わんからな。」
この時代の医者は、患者が金持ちであるため、
医者の方から訪問するのが一般的。
なので医療所に患者が来ることはない。
主に薬を作ったり、備品置き場として活用している。
沙樹「中もどうぞ。」
部屋がもぬけの殻であるからか、鍵は掛けられていなかった。
間取りは、12畳と6畳の2間。
入口側が12畳の土間となっており土足で入る。
奥が6畳間であり、障子で敷居され、膝位の段差が
あり畳の部屋であった。
風雷「中も理想的だ。」
沙樹「もともと商で使ってたところですので、
医療所としても使えるかと。」
風雷「通りに面してるし、気に入った。
本当に使ってもいいのか。」
沙樹「えぇ。
父上も風雷様が使って頂けるのであれば
お喜びになられます。」
~~~ 桐生庭:応接室 ~~~~~~~~~~
そのころ、桐生の屋敷内にはある来訪者がいた。
桐生領頭首の尚隆と相馬領傘下の武田家頭首。
2名が応接室で密談していていた。
尚隆 「わが桐生領傘下に加わりたいと。」
武田家「早い話、そういうことだ。
悪い話ではないかろう。」
尚隆 「うちとしては税収が上がるので
ありがたい事だが、相馬領へこの事は?」
武田家「もちろん、まだ伏せておる。
桐生側の許可がなければ持ち出せん。」
尚隆 「確かにその通りだ。だが、そうなると
うちが勧誘したことになる。
既に2家がうちの傘下へ加わった。
相馬領にとって稼ぎ頭である武田家まで
移るとなると面白くないことは事実。
畠山藩が首を出してくるかもな。」
畠山藩は、桐生領や相馬領を束ねる国である。
武田家「上は見て見ぬ振りをするのでは?
相馬に対しては、当方でも切り出す方法を検討する。」
尚隆 「うーーん。
傘下に入る気持ちは理解できる。税収は低い。
同じ領内になると酒米の関税がなくなる。
武田家としても、わか桐生領として
お互い利点しかない。」
武田家「左様でございます。」
武田家「ですが1点確認したいことがある。」
尚隆 「何ですかな?」
武田家「その利点の1つに治安の高さもある。
ですが、最近治安が悪いと耳にする。
それは真ですかな?」
尚隆 「隠しても直ぐ分かること。
確かに最近治安が悪くなりつつある。
商いに支障が出てることろもあると聞く。」
武田家「やはり、噂は真であったか。」
尚隆 「独自の取締隊を結成したいのだが、
役人が拒んでおるんで作れんのだよ。
こちらも悩みの種で、如何したものかと。」
尚隆 「治安は何とかする。
傘下については、一旦こちらで受け取らせてくれ。」
武田家「いい返事を期待する。」
~~~ 裏路地 ~~~~~~~~~~
「いつになったら返せるんだ!」 (--#)
「すみません。来月は必ずや。」 ( >_<)
外の路地が騒がしい。
風雷と沙樹はそれが気になり外へと出ると、
尻餅ついた1人の男性が、5人のいかつい連中に
脅されている光景が目に飛び込んだ。
風雷は気づく。
その5人とも鮫坂組の者であると。
鮫坂1「おい、お前!こっち見てるんじゃね。
どっか行け!」
彼らとの距離は10m。
風雷がガン見してたので追い払おうとしているようだ。
さて風雷は考える。彼らを倒すのは簡単だ。
だが、ここには沙樹殿がいる。
今朝のことを考えると、奴らの言う通り退散した方が
よさそうだ。
だが、沙樹は違っていた。
何かを決意し、彼らの元へと歩き出す。
風雷「沙樹殿。」
風雷(やれやれ。お嬢さんには困ったものだ。)(;-_-)
風雷は悟る。この先何が起こるのかを。
薬箱を手に取り、沙樹を追いかける。
鮫坂1「なんだ。桐生の娘じゃねか。」
沙樹 「この騒ぎはなんです?」
鮫坂1「お前に関係ない。どっか行け!」
風雷 「貴様。それが人に対していう台詞か?」
風雷は、薬箱を地面に置き、沙樹の前に割り込む。
鮫坂1「女の前で格好いいところ
見せたいのは分かる。
だが相手が悪かったな。」
鮫坂1は、右フックを入れる。
風雷は、そのパンチを左腕で防御し。
カウンタで相手の頬へ右フックを入れる。
鮫坂1の顔面が歪み、その場に倒れる。
一瞬の出来事で他の4人は何が起こったのか理解できない。
沙樹 「風雷様。暴力はいけません。」 (o_o")
風雷 「正当防衛だ。
そもそも連中に話し合いなど通じん。」
鮫坂2がすきを見て、風雷へ刃物を振りかざしす。
風雷は無意識に左腕で防御すると。
地面にぽたぽたと血が落ちた。
そう風雷は、右腕を深く切られたのだ。
すぐに左手で傷口を抑えて止血させる。
「ひーー。」
地面の血を見て、脅されてた男は後退りし、
立ち上がって後ろへと走り去って行く。
沙樹 「大変。風雷様が。あぁあぁ。」(>_< )
風雷 「落ち着け!
すまんが、薬箱から布を取ってくれ。」
沙樹は、かなり動揺する。
鮫坂2「お前か!今朝、うちの連中が
お世話になったのは。」
風雷(まずい。傷口がもう塞がってしまった。
これを見られる訳にはいかない。)
風雷は、沙樹から受け取った布を
ぐるぐる巻きにして傷口を隠す。
沙樹 「どうか、お許しください。」m(_ _)m
気付くと4人とも刃物を手にしてる。
続ける気まんまんだ。というか殺す気だ。
鮫坂1は失神して動かない。
鮫坂2と3は、風雷ににらみを利かせ。
鮫坂4は,鮫坂1を引きずって、戦闘の邪魔に
ならないよう端によせた。
風雷 「沙樹殿。何を言っても無駄だ。」




