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缶詰に潜む恐怖

作者: 雪 里 枝

 ‥‥‥疲れた‥‥‥


 今日も‥‥仕事上がりは終電真際だった‥‥ 綱渡りな乗り換えにもギリギリ間に合い、今ようやく‥‥最寄りの駅に降り立った‥‥‥


 明日はやっと休み‥‥今日は一杯飲んで寝よ‥‥‥


 そして私は吸い込まれる様に百円コンビニのドアをくぐった‥‥



 ‥‥ラッキー、安売りコーナーのカゴの中に、おつまみ関係がいくつかある。


 柿ピーに‥‥チーズちくわ‥‥

 ん?缶詰? これなんだろ?


 三十円引きのシールを貼られたその缶詰は、とろみをすごくアピールしていて、ささみ・マグロ‥‥へぇ~、北海道の本格ほたて出汁かぁ~。

 サッと製造者のところに目を走らせると、あの有名なおつまみメーカーの文字が太字で踊る。


 ‥‥うん、今日はこれにしよう。


 その缶詰とビールを手に、私はまっすぐレジに向かった‥‥



 家に帰り着いた私は、さっそくビールをグラスに注ぎ、一口あおった。

 今日は暑い‥‥缶詰はあっためないでそのまま食べよう‥‥


 プルトップに指をかけ、ぐいっと開けると‥‥ しっかりとしたとろみ。 さすがアピールしているだけのことはある。


 お行儀悪いけど缶のまま箸を‥‥ うん、確かにほたてのしっかりした旨み。

 でも‥‥なんか塩気が薄いような‥‥

 これじゃあ、おつまみとしては物足りないなぁ‥‥ 醤油かけて食べよっと‥‥‥



 ‥‥そして缶詰は空になった。

 そうだ、早いうちに缶を洗っておこうっと‥‥


 スッと持ち上げたその時に、ある者と‥‥‥目が合った‥‥‥



 それは缶の横にえがかれた‥‥‥可愛らしい‥‥猫の写真‥‥‥



 ‥‥‥ということはコレ‥‥‥猫缶‥‥‥



 ‥‥そして私は青ざめた‥‥‥

 おぉ‥‥いな○の○ャオ‥‥


 おつまみと一緒に置いておかないでよ‥‥‥

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― 新着の感想 ―
[良い点] 缶詰の正体に気付いた時の精神的ショックは、キツい物があるでしょうね。 主に尊厳的な方向性で。 確かに私の地元のスーパーでも、ペットフードと普通の缶詰が同じ特価ワゴンに入っているので、これ…
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