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当たり前だった日常


『おはようございます』

この1日がどれだけ嬉しくありがたい事か。


学校を卒業後は会社に就職し数年後、

寿退社を結婚をした私は幸せな生活を送っていた。

何ら変わりない日常から一年が経とうとしていたある日

私は軽い頭痛と寒気に見舞われた。

『風邪かな...?』

インフルエンザも話題になっているので痛止めを飲んで

数日間安静にして天井を眺めていた。

次に起きた時に違和感を感じた。

いつもの天井と雰囲気が違う真っ白な天井。

『え...』

瞬間移動でもしたのかと思った。

いや、もしかしたらまだ夢の続きなのかとさえ思えた。

そう考えていたら多くの人達が集まってきた。

うっすら覚えのある雰囲気、優しい目が旦那に似ている。

その人はただ、泣きながら私の手を握りしめていた。

私はただ不思議な顔をしていた。

お医者さんがきて説明をされても

戸惑うだけで理解できなかったしたくなかった。

タチの悪いイタズラやドッキリと思い私は声を荒げた

『ふざけないでください!!帰ります!!』

今でも忘れられない、お医者さんの目は真剣でした。

その時初めて私の置かれている状況を理解しました。


寝ていた私が一向に起きなく病院に搬送され

植物状態から32年が経っていました。

両親も他界し隣には面影だけ残して泣いている旦那。

でも旦那がいてくれているだけで嬉しかった。

『寝てる間ありがとうね』

変わり果てた世界で私はどうすればよいのか。

私はただ呆然としていた。


ごめんねよりありがとう。


その日は起きたらまた何十年も経ってるのではと怖くなり

寝る事ができませんでした。

夜明けを迎え目の当たりにした夕焼けのような

日の出は今でも強く記憶に残っています。


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