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愛があれば大丈夫  作者: Miho
7/21

 エマはいつも笑顔で可愛らしかった万理の変わり果てた姿が気になって、悪い病気なら治療は早い方が良いと判断し、母親であるナンシー・ウィリアムズに相談した。ナンシーはA&Wカンパニーの社長、アダム・ウィリアムズの妻で産婦人科医をしている。

 ウィリアムズ家の人々はアレックスのベビーシッターである万理に何度も会っていた。聡明で努力家でもあり、絹のような美しい肌、くりくりの大きな黒い目をした愛らしい万理はみんなに好かれていて、離婚してシングルマザーになったエマ同様、家族の一員のように可愛がっていた。


 3ヶ月ぶりに万理を見たナンシーは驚愕を隠せなかった。万理のあまりのやつれぶりに、もしかしたら悪い病気かもしれないと心の中で思った。


『万理、あなたそのままじゃ近いうちに死ぬわよ!まずはうちのクリニックに来て検査を受けなさい!』


 お世話になっているナンシーに強い口調で言われて万理は断れなかった。


 結局身体的には栄養失調と軽い胃潰瘍ではあったものの、悪い病気は見付からなかった。その為ナンシーは万理に根気強く優しく接して3ヶ月前に万理が家族から捨てられ、天涯孤独になった話を聞き出した。

 東野家の万理に対する仕打ちにウィリアムズ家の人々は、まだ学生で頼る親戚もいないこんな娘を放り出したのが許せないと怒り狂った。

 そして万理には両親の遺産を受け取る権利があるから日本で裁判をするように勧めた。しかし万理はそれを望まなかった。そんな事をするくらいなら、大学を中退してアメリカでウェイトレスをしながら1人で生きていくと言い張った。


 説得しても無駄と悟ったナンシーはそれならばと万理を養女としてウィリアムズ家に招き入れた。初めは遠慮してそんなことは駄目だと断った万理も最後は折れた。心の温かい人達に囲まれて、自分が孤独では無いと思えた事が嬉しかったからだ。

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