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愛があれば大丈夫  作者: Miho
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 ー2日後ー


 やっと体調が戻った万理はナンシーと浅草に観光に来ていた。2人で雷門の前で写真を撮り、浅草寺でお参りし、おみくじを引いてはしゃぐナンシーを見ていると万理も段々気分が晴れて行った。仲見世通りでアメリカの家族にお土産を買い込んだ後、後ろを歩くナンシーに

『ママ、何が食べたい?』

 振り向いたその時そこにナンシーはおらず、人相の悪い男が2人並んで立っていた。万理はナンシーの姿を探そうと踵を返すが、その瞬間後ろの2人の男に腕を掴まれた。突然のことに驚いて悲鳴を上げることも出来ずに車道に停まっていたワゴン車に抱えられるようにして乗せられた。

 そして抵抗する間もなく薬をかがされて意識を失った。


 その頃アンソニーとアーロンはA&W日本支社

 のアーロンの部屋で東野要と会っていた。万理に会わせる前に3人で話をする為だ。一通り3年前に起こったことを聞いていた。


『とにかく万理を追い出したのはあなたでは無く、従兄弟である人間でその男は万理に言い寄って振られた事を根に持っていたということですね?あなたが事故で意識を失っている間に全て従兄弟がやった事だと…そしてあの石本聡子という女性はあのパーティーで会ったのが2度目で、しかもホテルのロビーで偶然会って、一緒に上まで行ってくれと頼まれたからパーティー会場に2人で現れた?』

 アーロンが言うと東野要は薄ら目に涙を浮かべながら頷いた。


『今更と思われるかもしれませんが、僕は万理を小さい頃から義妹と見ていなかった。両親にも万理が大学を卒業したら結婚させて欲しいと話していました。両親は僕の気持ちに気付いていて、万理が望むなら結婚に反対はしないと言ってくれていました』


 アンソニーも要が事故で身動き取れない時に起こった事であるなら要を責める事は出来ないと考えた。それにしてもそんな理由で3年間辛い思いをした万理の気持ちを考えてため息しか出なかった。


『万理は3年間本当に辛い思いをしたよ。それと君は今でも万理を愛しているかもしれないが、万理の気持ちは分からない。万理が君を拒否したらその時は諦めて忘れてくれ。万理は僕達が家族として守るから心配しなくて大丈夫だ』

『…それは仕方ありません』


 項垂れる要を見てこの男も被害者だとアンソニーは思った。


 その時アーロンの第2秘書が部屋に入って来て3年前東野家で起こったことと、石本聡子に関する調査結果の報告書をアーロンに渡す。アーロンは素早く調査報告書に目を通した。

『何だこれ…』

 と言って要に渡す。そして読み終わった要も眉間にしわを寄せアーロンの方を見た。


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